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2025年度 (最新) 学院等開講科目 工学院 電気電子系

離散時間システム

開講元
電気電子系
担当教員
阪口 啓
授業形態
講義 (対面型)
メディア利用科目
-
曜日・時限
(講義室)
月3-4 (WL1-301(レクチャーシアター))
クラス
-
科目コード
EEE.M241
単位数
100
開講時期
2025年度
開講クォーター
4Q
シラバス更新日
2025年11月11日
使用言語
日本語

シラバス

授業の目的(ねらい)、概要

電気電子工学や情報通信工学で,離散時間の信号とシステムは必須です。連続的な時間のシステムの解析にはラプラス変換が有用です。同様に,離散的な時間のシステムでは,z変換は信号とシステムの振る舞いの解析と表現に重要な役割を演じます。ここにあげた離散時間のシステムは線形時不変システムの一例であり,この考え方は広く線形時不変システムに適用することができます。具体的な講義項目は,離散時間の信号とシステム,z変換と逆z変換,z変換の性質,伝達関数と周波数特性,FIR回路とIIR回路,s-z変換,フィルタ回路,システムの安定性,などです。
本講義では,離散時間システムに関する解析手法であるz変換の考え方を理解し,その電気電子工学及び情報通信工学に応用するための基礎を築くことを目的とします。さらに,線形時不変システムにおいて時間領域と周波数領域の扱い方の基礎を理解し身につけます。

到達目標

本講義を履修することによって,離散時間システムにおいて信号を時間領域と周波数領域で考えることができるようになることを到達目標とします。さらに,このような考え方ができる条件や,離散時間システムの振る舞いを解析する数学的手段としてのz変換について理解でき,これらの数学的手法を電気電子工学,情報通信工学で応用できるようになることを目標とします。

キーワード

差分方程式,線形時不変システム,たたみ込み,z変換,逆z変換,伝達関数,周波数特性,FIRフィルタ,IIRフィルタ,s-z変換,デジタルフィルタ,デジタル信号処理,システムの安定性

学生が身につける力

  • 専門力
  • 教養力
  • コミュニケーション力
  • 展開力 (探究力又は設定力)
  • 展開力 (実践力又は解決力)
  • ・電気電子分野の基礎専門力

授業の進め方

毎回の講義の後半で,その日の教授内容に関する演習問題に取り組んでもらいます。各回の学習目標をよく読み,課題を予習・復習で行って下さい。

授業計画・課題

授業計画 課題
第1回

離散時間システムの概要

離散時間システムの差分方程式による表現

第2回

インパルス応答とたたみ込み

線形時不変システムとたたみ込みによる出力信号

第3回

z変換と逆z変換

z変換の性質と逆z変換

第4回

伝達関数と安定性

z平面上での極配置と応答,安定性

第5回

伝達関数と周波数応答

伝達関数と出力信号,周波数特性の関係

第6回

FIRフィルタの設計

FIRフィルタの特徴と設計法の習得

第7回

IIRフィルタの設計

フィルタ特性からs-z変換を用いたIIRフィルタの設計法

準備学修(事前学修・復習)等についての指示

学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。

教科書

太田正哉『ディジタル信号処理入門』コロナ社,ISBN978-4-339-00857-9

参考書、講義資料等

講義資料はLMSにより配布する。
参考書は下記の通り。
大石邦夫『はじめて学ぶ信号処理』コロナ社,ISBN978-4-339-00847-0
樋口,川又『ディジタル信号処理(第2版)』森北出版,ISBN978-4-627-79212-8

成績評価の方法及び基準

差分方程式による離散時間システムの表現と,z変換による離散時間システムの振る舞いの解析と考え方,計算法及びそれらの応用に関する理解度を評価する。期末試験(50%),演習課題(50%)を基準として成績を評価する。

関連する科目

  • EEE.M211 : フーリエ変換とラプラス変換
  • EEE.C311 : 応用電子回路
  • EEE.C321 : デジタル回路

履修の条件・注意事項

フーリエ変換及びラプラス変換(EEE.M211)を履修していること,または同等の知識があること。

連絡先 (メール、電話番号) ※”[at]”を”@”(半角)に変換してください。

阪口啓, sakaguchi.k.59c0[at]m.isct.ac.jp

オフィスアワー

メールで事前予約すること。