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2025年度 (最新) 学院等開講科目 教養科目群 アントレプレナーシップ科目

修士アントレプレナーシップ入門2

開講元
アントレプレナーシップ科目
担当教員
關 信彦
授業形態
講義 (対面型)
メディア利用科目
-
曜日・時限
(講義室)
火3-4 (S4-202(S422))
クラス
-
科目コード
ENT.V402
単位数
100
開講時期
2025年度
開講クォーター
4Q
シラバス更新日
2025年9月22日
使用言語
英語

※ 科目コードに( ) がある科目は、学生の入学年度によって科目コードが異なります。

シラバス

授業の目的(ねらい)、概要

【日本語による英語サポートあり】
このコースは、アントレプレナーとして新たなプロジェクトを立ち上げるために必要な基本的スキルと知識を学生に身につけさせることを目的としている。研究的関心や市場対象の定義から、ビジネスモデルの構築、製品開発に至るまでのプロセス全体を扱い、資金調達を含む現代の起業家が直面する機会と課題を検討する。学生がアントレプレナーシップに関する理論的および実践的アプローチを理解し、起業家のみならず、研究者、企業内起業家、社会起業家として独自のアイデアを生み出し、発展させる力を育成することを意図している。

到達目標

本講義を通じて、以下の能力を身に付けることを目標とする。
1. 多様な起業形態(営利、非営利、社会、企業内起業)に関する基本的な理解を獲得する
2. 自らの関心に基づき、顧客セグメントと市場機会を分析する能力を身につける
3. 価値提案を定量化し、サービス設計や顧客体験に基づいた仮説を構築・検証できる
4. 顧客のDMU(意思決定単位)を特定し、ロジスティクスおよびアウトリーチ戦略を策定する
5. 収益モデルまたは資金調達モデルを含む実践的なビジネスプランを設計する
6. MVP(最小実行可能製品)を設計・実践し、検証を通じて資金調達準備を整える
7. 成長戦略およびスケールアップ計画を立案し、実行可能性を評価する

実務経験のある教員等による授業科目等

実務経験と講義内容との関連 (又は実践的教育内容)

バリ島における分散ネットワーク研究から、自動車、再生可能エネルギー、Linux OSスタートアップ、国際プロジェクトに至るまで、研究からプロジェクトマネジメント、そして起業に至る幅広い経験を有する教員が、現代におけるスタートアップの意義・視座、その必然性について講義する。
主な業績
・ル・マン24時間レースプロジェクト(Mazda)
・中国10都市への省エネ技術移転講演(通産省)
・再生可能エネルギープロジェクト(静岡県西伊豆町、長野県菅平高原 他)
・Linux OS(Client Cloud Computing)企業起業
・バングラデシュ政府 スマートメータープロジェクト
・スウェーデンSAAB社 企業再生プロジェクト
・中東フードセキュリティプロジェクト
・高知工科大学他 起業概論等講義
・高知工科大学 Data & Innovation学群 開設構想 起草
・データサイエンティスト協会 スキル定義委員
・インドネシア国会より「バリに関する知識人」を受賞

キーワード

対象分析、価値創出、ロジスティクス、ビジネスモデル、製品開発、成長戦略

学生が身につける力

  • 専門力
  • 教養力
  • コミュニケーション力
  • 展開力 (探究力又は設定力)
  • 展開力 (実践力又は解決力)
  • 不確実性の高いプレシード段階において、市場機会の探索および仮説検証を通じて、最小実行可能製品(MVP)の設計と実装を行い、資金調達および成長戦略の構築能力を涵養する。

授業の進め方

講義
グループディスカッション
ケーススタディによる思考訓練

授業計画・課題

授業計画 課題
第1回

オリエンテーション:
講義の目的、期待される成果、評価方法の説明。起業家精神の多様な形態を紹介。

ミニレポート

第2回

顧客の特定と市場分析論:
市場セグメンテーション、橋頭堡市場の確保、TAM(Total Accessible Market)の算出、ペルソナ(具体的な顧客像)のプロファイリング。

ミニレポート

第3回

価値創出とサービス:
生涯ユースケース、価値命題の定量化、異なるビジネスモデルでの価値創出の開発。サービスデザインと顧客体験の重要性を学ぶ。

ミニレポート

第4回

ロジスティクス:
顧客のDMU(意思決定単位)の定義、顧客獲得プロセスのマッピング、ロジスティクスとは何かを学ぶ。非営利組織や社会的企業におけるアウトリーチとエンゲージメント戦略も考察する。

ミニレポート

第5回

収益モデルとビジネスプラン:
ビジネスモデルの設計、顧客のLTV(Life Time Value)の算出、様々な収益モデルを紹介。非営利組織や社会起業家の資金調達戦略も学ぶ。

ミニレポート

第6回

製品開発とデザイン論:
主要な前提条件の特定、最小実行可能製品(MVP)の概念を理解する。社会的・環境的影響を考慮した製品設計について学ぶ。

ミニレポート

第7回

成長戦略と事業拡大論:
達成可能なTAMの算出、製品・サービスの計画、成長の測定方法を学ぶ。非営利組織や社会起業家向けのスケールアップ戦略とその課題についても学ぶ。

最終レポート

準備学修(事前学修・復習)等についての指示

学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する 予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。

教科書

随時授業内で提示

参考書、講義資料等

「Disciplined Entrepreneurship」(ビル・オーレット)
「リーンスタートアップ」(エリック・リース)
「ビジネスモデル・ジェネレーション」(アレクサンダー・オスターワルダー)
「アントレプレナーマネジメントブック」(E.G.フラムホルツ)
「マネジメント」(P.F.ドラッカー)
「Zero to One」(ピーター・ティール)
「ミッション・エコノミー」(マリアナ・マッツカート)

成績評価の方法及び基準

成績の評価は、各回の授業中の発言や対話及びLMS上でのディカッション、授業のテーマに関する毎回のミニレポート、最終レポートに基づいて行います。この授業では、発言・対話をとくに重要視していますので、授業中に積極的に発言することを求めます。そのために、予習・復習を必ず行うこと。
・ 授業中の発言・対話およびLMS上でのディスカッション: 40%
・ ミニレポート:30%
・ 最終レポート: 30%

関連する科目

  • ENT.B201 : アントレプレナーシップ入門
  • ENT.V401 : 修士アントレプレナーシップ入門1
  • ENT.V601 : 博士アントレプレナーシップ入門1
  • ENT.V602 : 博士アントレプレナーシップ入門2

履修の条件・注意事項

ENT.B201 : アントレプレナーシップ入門或いはENT.V401 : 修士アントレプレナーシップ入門1を学修しているとより理解度が高まります。

連絡先 (メール、電話番号) ※”[at]”を”@”(半角)に変換してください。

cee.info[at]jim.titech.ac.jp

オフィスアワー

質問や疑問点については、いつでもメールで問い合わせてください。

その他

GA1M
【日本語による英語授業のサポートあり】
社会科学の理論・概念・用語についても、リクエストに応じて日本語でのサポートを行う。
各回の講義では、次回のテーマに関するミニレポート課題を提示する。
授業外のディスカッションはLMS上で行い、その内容は成績に反映される。