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2025年度 (最新) 学院等開講科目 教養科目群 文系教養科目

文理共創科目:人間の「思考」を考える[2]

開講元
文系教養科目
担当教員
栗山 直子
授業形態
講義/演習 (ハイフレックス型)
メディア利用科目
-
曜日・時限
(講義室)
木7-10 (W9-325(W934))
クラス
-
科目コード
LAH.C652
単位数
110
開講時期
2025年度
開講クォーター
3Q
シラバス更新日
2025年9月29日
使用言語
日本語

シラバス

授業の目的(ねらい)、概要

文理共創科目は2024年度から新たにスタートした研究会型の科目です。毎回、各分野の第一線で活躍するゲストを招き、レクチャーののち、履修生と共にディスカッションを行います。一方的な講義ではなく、研究会形式とすることで、参加する博士課程の大学院生と共にコンバージェンス・サイエンスの新たな展開と可能性を模索します。
グループワークは原則英語で行いますが、グループ内のコンセンサスをとっていただければ、日本語使用も可とします。司会進行・講師のレクチャーについては日本語で行い,対面とオンラインのハイフレックス授業を行います.オンラインでは,ZOOMの翻訳機能を使用することができます.
第1回の授業内で研究倫理についてのe-learningを受講していただきます。証明書の提出を必須とします。

本授業では、ゲスト講師の先生方の研究に対する考え方を学びます。認知心理学の思考研究の視点から深く理解することを目標とします。
ご講演は以下の先生方にお願いしています。

楠見 孝 先生(京都大学 国際高等教育院 副教育院長・特定教授)
藤井 学先生(東京科学大学 環境・社会理工学院 准教授)
船越 孝太郎先生(東京科学大学 総合研究院 准教授)
西原 明法 先生(東京工業大学 超スマート社会卓越教育院 特任教授・本学名誉教授)
渡辺 治 先生(独立行政法人工業所有権情報・研修館 理事長・本学名誉教授)
Kenji Uchino先生(Academy Professor, Electrical Engineering The Pennsylvania State University)

<抽選について>
抽選は行わない予定です。
初回(10/2)は出席できず、2回目(10/9)から出席したいということがもしある場合は、
事情を説明するメールを2回目の授業前までに必ず送ってください。

到達目標

本科目の履修を通じて、学生は以下の能力を身に付けることを到達目標とします。
1) 専門家のレクチャーを理解し、自身の研究に関する深い学びにつなげることができる。
2) 多様なバックグラウンドを持つメンバーと協同して対話することができる。
3) ゲストとともに知的交流の場を創造することができる。
4) 研究者倫理・行動規範を理解し実践することができる。

キーワード

認知心理学、認知科学、思考様式、批判的思考, 問題解決

学生が身につける力

  • 専門力
  • 教養力
  • コミュニケーション力
  • 展開力 (探究力又は設定力)
  • 展開力 (実践力又は解決力)

授業の進め方

この授業は、対面授業とZOOMによるライブ授業(7回)で構成されています。
(ゲスト講師の講義はオンデマンドになる場合もあります。)
各回の詳細は授業計画に記されていますので、必ずご確認ください。
授業開始時刻は15:25、終了時刻は18:55頃です。

授業計画・課題

授業計画 課題
第1回

【10/2(木)7-8限,対面orZOOMによるライブ授業】
担当教員:栗山直子(東京科学大学)
概要:この授業のイントロダクションと認知心理学のレクチャー

追って連絡します。

第2回

【10/2(木)(木)9-10限,対面orZOOMによるライブ授業】
担当教員:栗山直子(東京科学大学)
概要:研究倫理のe-learningの受講について

授業内で連絡する,研究倫理のe-learningの受講を行
うこと

第3回

【10/9(木)7-8限,ZOOMによるライブ授業】

ゲスト講師:渡辺 治 先生(独立行政法人工業所有権情報・研修館 理事長・本学名誉教授)
講演題目:計算世界観(Computational Thinking)について
概要:対象をどのように見るかは重要で,科学の各分野を定める哲学と言っても過言ではない。たとえば物理学は物理的な見方,生命科学は生命科学的な見方をする。
講演者が2000年ごろから主張してきた「計算世界観」は,「計算を中心に見る」という見方であり,これまでの科学の諸分野にない新たな見方である.この新たな見方ものとに,新しい科学の手法を築いていこうとしている.
本講演では,この「計算世界観」について解説するとともに,対象世界の見方について考えを深めたい.

追って連絡します。

第4回

【10/9(木)9-10限,対面orZOOMによるライブ授業】
概要:ゲスト講師によるレクチャーを踏まえたディスカッションを行いま
す。

レクチャーから学んだこと振り返る。

第5回

【10/23(木)7-8限,対面orZOOMによるライブ授業】

ゲスト講師:藤井 学先生(東京工業大学 環境・社会理工学院 准教授)
講演題目:研究人生の折り返し地点、過去20年を振り返って
概要:自分をまだ若い方の研究者だと思っており、何か成し遂げたというわけではないですが、皆さんにやや年が近いということも鑑みまして、私のこれまでの経験や考えを共有させていただければと思います。海外に武者修行に行った博士・ポスドク時代、指導教員からは論文原稿が真っ赤になるまで修正され落ち込んだことや、それでも必死に食らいついてジャーナルにアクセプトされた時の喜び。日本に帰ってきて、研究環境の変化やライフイベント、長期途上国出張とも重なり、なぞった研究しかできていないのではないか、と途方に暮れた時期も。言葉遊びではない、世界に伍する本当の意味でのオリジナリティをどう作っていくか、10年の試行錯誤のでたどり着いた答えは?など、お話しできればと思います。土木・環境工学系ということで、理工学よりのお話となりますが、ご容赦ください。

追って連絡します。

第6回

【10/23(木)9-10限,対面orZOOMによるライブ授業】
概要:ゲスト講師によるレクチャーを踏まえたディスカッションを行いま
す。

レクチャーから学んだこと振り返る。

第7回

【10/30(木)7-8限,対面orZOOMによるライブ授業】
ゲスト講師:Kenji Uchino先生(Academy Professor, Electrical Engineering The Pennsylvania State University)
講演題目:Development of Bestselling Devices
概要:参考資料あり(LMS参照)

追って連絡します。

第8回

【10/30(木)9-10限,対面orZOOMによるライブ授業】
概要:ゲスト講師によるレクチャーを踏まえたディスカッションを行いま
す。

レクチャーから学んだこと振り返る。

第9回

【11/6(木)7-8限,対面orZOOMによるライブ授業】
ゲスト講師:楠見 孝 先生(京都大学 国際高等教育院 副教育院長・特定教授)
講演題目:研究リテラシーの育成:認知心理学・認知科学の視点から
概要:研究リテラシーとは,研究者が研究活動を通して獲得する実践知であり,学問的知識や方法論を土台としたスキルと叡智からなる。本講演では、大学院や研究者コミュニティにおける質の高い経験に基づく学習と、批判的思考に基づく振り返りが重要な役割を果たすことを述べます。そして、質の高い経験を積み、研究リテラシーを獲得し、ネットワークを形成するにはどのようにしたらよいか,皆で考えたいと思います。

文献:
金井壽宏・楠見孝編(2012)実践知: エキスパートの知性 有斐閣
楠見 孝(2014) 経験学習のクオリティを高めて熟達を早め,深化させる方法 RMSmessage, 37,3-5.
https://www.recruit-ms.co.jp/research/journal/pdf/j201411/m37_opinion_kusumi.pdf

追って連絡します。

第10回

【11/6(木)9-10限,対面orZOOMによるライブ授業】
概要:ゲスト講師によるレクチャーを踏まえたディスカッションを行いま
す。

レクチャーから学んだこと振り返る。

第11回

【11/13(木)7-8限,対面orZOOMによるライブ授業】
ゲスト講師:西原 明法 先生(東京工業大学 超スマート社会卓越教育院 特任教授・本学名誉教授)
講演題目:スランプに備える
概要:研究活動が順調に行っていても,いつかはスランプが来る可能性があります。
スランプを克服する一般論があるのか否か存じませんが,私自身は専門分野を拡大し,頭を切り替えることで,ある程度乗り切ってきたと思っています。
専門分野の拡大は類似分野でも,かなり異なるものでも良いと思いますが,昨年のこの講義でお話しした際,私は異なる分野を融合したconvergence scienceを実践したのだと納得しました。
専門分野の拡大のためには常に視野を広くもち,他分野の知見で自分の分野に役立つものがあることを理解しそれを取り入れること,あるいはまったく異なる分野と融合することも可能かもしれません。このようなことを,信号処理と教育工学を専門としてきた私の経験をお話しし,皆さんと議論したいと思います。

追って連絡します。

第12回

【11/13(木)9-10限,対面orZOOMによるライブ授業】
概要:ゲスト講師によるレクチャーを踏まえたディスカッションを行いま
す。

レクチャーから学んだこと振り返る。

第13回

【11/20(木)7-8限,対面orZOOMによるライブ授業】
ゲスト講師:船越 孝太郎先生(東京科学大学 総合研究院 准教授)
講演題目:合理的に非合理的な人間の思考
概要:あまり注目される機会は多くないと思いますが,人間の思考の大きな特徴の1つに「名付け」があります.本公演では,私が研究者になった経緯から出発し,工学と科学の違いと,東京科学大学という名前の是非について(かなり主観的に)議論します.続いて良い名付けをできることが良い研究者になるための第一歩であること,良い研究ができても良い論文を書けない学生が多い現実について,名付けとその運用に関する思考力の観点から(研究室での実例に基づいてそれなりに客観的に)議論します.最後に,人間の思考・言語運用の合理性と非合理性について認知科学の文献も参照しながら,人間の高い知性の根源がその非合理性にあることについて議論します.皆さんが普段意識しないで行っている自身の思考を振り返ることで研究者・技術者としての能力を高めるとともに,科学のダークサイドに陥らない手助けになれば幸いです.

追って連絡します。

第14回

【11/20(木)9-10限,対面orZOOMによるライブ授業】
担当教員:栗山直子(東京科学大学)
概要:まとめ
「本授業で学んだこをと自分の研究にどのように活用していくか」に関するディスカッションを行います。

初回授業で連絡したレポート課題を完成させ,提出す
ること。

準備学修(事前学修・復習)等についての指示

学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する 予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。

教科書

講義中に必要な資料を配布する。

参考書、講義資料等

私たちはどう学んでいるのか: 創発から見る認知の変化, 鈴木宏昭, ちくまプリマー新書
現代の認知心理学3:思考と言語, 楠見孝 (著, 編集), 北大路出版
教養としての認知科学, 鈴木 宏昭, 東京大学出版会
他、講義中適宜、必要なものを示す。

成績評価の方法及び基準

・レポート課題を課します。執筆する分量は、言語が日本語の場合は3000~4000字、英語の場合は1500~2000words程度とします。どちらの言語でレポートを書いても可とします。
・研究倫理のe-learningを受講し、受講証をT2SCHOLAで提出することを必須とします。初回ガイダンスの後で指示を出します。

関連する科目

  • なし

履修の条件・注意事項

特に指定しませんが、各回の授業を熱心に受講するようにしてください。

連絡先 (メール、電話番号) ※”[at]”を”@”(半角)に変換してください。

kuriyama[at]ila.titech.ac.jp

オフィスアワー

メールで問い合わせてください。