2025年度 (最新) 学院等開講科目 教養科目群 文系教養科目
分散型金融システムの経済学
- 開講元
- 文系教養科目
- 担当教員
- 三輪 純平
- 授業形態
- 講義
- メディア利用科目
- -
- 曜日・時限
(講義室) - クラス
- -
- 科目コード
- LAH.A532
- 単位数
- 100
- 開講時期
- 2025年度
- 開講クォーター
- 4Q
- シラバス更新日
- 2025年4月2日
- 使用言語
- 日本語
シラバス
授業の目的(ねらい)、概要
銀行などを中心とする伝統的な金融システムに対して、ブロックチェーンを活用した自律分散型の金融システムへの移行が進みつつある。
現在においても、伝統的な金融システムが太宗を占めるが、伝統的な金融システムとの対比で、今後の金融システムの変革について、①(伝統的な)貨幣論、②金融論、③ガバナンス、④規制論、などの観点で、考察していく。
到達目標
金融規制の役割への理解を促し、今後起こりうる金融システムの変化について、公共政策的視座で俯瞰し、考える力を形成する。ディスカッションやレポートの提出などを通じて、今後の金融システムの変容を踏まえた、あるべきガバナンスシステムの在り方など新たなアプローチについて共に考え、議論し、「分散型金融」(DeFi)といった新たなファイナンスの動きについての教養を深めていく。
実務経験のある教員等による授業科目等
実務経験と講義内容との関連 (又は実践的教育内容)
20年以上に亘り金融の世界に携わる。金融庁に約17年在籍。金融のグローバル化の中で、主にバーゼル規制をはじめとする金融機関に対する国際規制・基準を作る側に身を置き、2008年の金融危機も経験し、その後の国際的な金融規制改革の作業にも従事。2017年頃からフィンテックに携わり、金融庁の中で新しくできたフィンテック室の初代室長となる。ブロックチェーンのように自律分散型の技術が、金融システムの中に組み込まれていく中で、金融システムそのものが自律分散型へ移行していく将来像について、2017年くらいから考え始める。
その過程で、金融機関などの既存のステークホルダー以外の、暗号学・情報セキュリティ分野の大学の先生や研究者、暗号資産のディベロッパーなどとの対話・議論の必要性を感じ、それらを実現する対話プラットフォームとして、Blockchain Governance Initiative Network (BGIN(呼称ビギン))の設立に貢献。金融庁では、ブロックチェーン国際共同研究プロジェクトを推進。特に、国際的な金融規制設定の経験、フィンテックなどの分野での技術的な知見の両面からの視点で講義し、"新しい"ファイナンス分野についての実践的な思考力・発想力を履修生の皆様とともに涵養していきたい。
キーワード
金融システム ブロックチェーン 分散型金融(DeFi)FinTech BigTech 貨幣論 プライバシー論 分散型ガバナンス Web3
学生が身につける力
- 専門力
- 教養力
- コミュニケーション力
- 展開力 (探究力又は設定力)
- 展開力 (実践力又は解決力)
授業の進め方
第1回~第7回:講義。(生徒同士のディスカッションも試行します)
- 授業の内容を踏まえて、中間、最終レポートを作成し、Science Tokyo LMSを通じて提出する。(※提出期限はScience Tokyo LMSで提示するので、参照すること)
- 授業の内容以外についての質問等は連絡担当教員(下記「連絡先(メール・電話番号)」の項目を参照)がメールで受け付け対応。
- 中間(第4回終了時)・最終(第7回終了時)レポート(※提出期限は以下を参照すること)をScience Tokyo LMSを通じて提出。
〇講師の事情によりオンラインにて実施する回もあるが、必要に応じてScience Tokyo LMSで情報を共有したり、対面実施の時と同様の質的調整を行うようにいたします。
授業計画・課題
授業計画 | 課題 | |
---|---|---|
第1回 | ブロックチェーン基礎知識ー分散型金融技術(非中央集権型金融技術) | 各回に課題図書を指定しますので事前に読んだ上で授業に臨んでください。 |
第2回 | 授業計画:金融システムと分散型金融システムの違い/デジタル通貨時代の「貨幣論」(1) | 各回に課題図書を指定しますので事前に読んだ上で授業に臨んでください。 |
第3回 | 授業計画:デジタル通貨時代の貨幣論(2) | 各回に課題図書を指定しますので事前に読んだ上で授業に臨んでください。 |
第4回 | 授業計画:暗号資産の社会利用 - Cryptoization | 各回に課題図書を指定しますので事前に読んだ上で授業に臨んでください。 |
第5回 | 授業計画:スケーリング・セキュリティ・分散性のトリレンマ/金融安定 | 各回に課題図書を指定しますので事前に読んだ上で授業に臨んでください。 |
第6回 | Web3.0 - CeFi(中央集権金融)vs DeFi(非中央集権型金融) | 各回に課題図書を指定しますので事前に読んだ上で授業に臨んでください。 |
第7回 | 分散型金融のガバナンス問題 + 最終議論(アンカンファレンス形式:特別ゲストを迎えます)・最終レポート提出 | これまでの授業を総括する予定。授業後に「最終レポート」の提出を求める。ディスカッションでの貢献などは最終的な成績にも反映する。 |
準備学修(事前学修・復習)等についての指示
学修効果を上げるため,事前に指定する文献などを精読した上で,60分を目安に学習を行うこと。
教科書
日本銀行の文献、一般的経済書(マクロ経済学)、IMFなど国際機関の文献を事前に指定します。
参考書、講義資料等
日本銀行の文献、一般的経済書(マクロ経済学)、IMFなど国際機関の文献を事前に指定します。
成績評価の方法及び基準
中間・最終レポート(40%+60%)で評価。中間は3000字程度、最終は5000字程度を目安とします。もっとも、字数は目安であるため、レポートの内容を重視して採点、評価します。(評価は、①事実関係の捕捉が正しいか、②論理構成の質、③自らの考えが充実しているか、という3つの軸を基本に採点します。その上で、授業での発言やレポートのの熱量なども考慮しつつ、レポートに加点して点数の調整も行うこともあります。)
関連する科目
- LAH.S437 : 文系エッセンス42:合意形成学
- LAH.A401 : 金融機関のデジタルイノベーション
履修の条件・注意事項
一般的な経済学(マクロ経済学、金融論、貨幣論)、ブロックチェーンに関する知識などに関心があることが望ましいが、教科書的な経済学の講義を行うことはなく、変革しつつある金融システムの中で、経済学的視座を応用的に組み込みながら、授業を行っていきます。
連絡先 (メール、電話番号) ※”[at]”を”@”(半角)に変換してください。
授業担当教員:三輪純平 j-miwa[at]k-liberalarts.net
連絡担当教員:猪原健弘 inostaff[at]shs.ens.isct.ac.jp
オフィスアワー
授業前後に不明点や意見などを電子メールでの相談も可。ただし可能な限り授業中での質問時間を確保するのでその際に積極的な質問をお願いしたい。
その他
この科目は、修士課程500番台の文系教養科目です。
東京科学大学理工学系では、学士から博士後期課程まで継続的に教養科目を履修する「くさび型教育」を実践しています。番台順に履修することが推奨されており、修士課程入学直後の学期(4月入学者であれば1・2Q、9月または10月入学者であれば3・4Q)に履修申告できる文系教養科目は400番台のみです。500番台文系教養科目は、入学半年してから(4月入学者であれば入学した年の3・4Qから、9月または10月入学者であれば入学した翌年の1・2Qから)履修可能となります。