2025年度 (最新) 学院等開講科目 教養科目群 文系教養科目
国際関係論A
- 開講元
- 文系教養科目
- 担当教員
- 溝渕 正季
- 授業形態
- 講義
- メディア利用科目
- -
- 曜日・時限
(講義室) - クラス
- -
- 科目コード
- LAH.S104
- 単位数
- 100
- 開講時期
- 2025年度
- 開講クォーター
- 3Q
- シラバス更新日
- 2025年4月3日
- 使用言語
- 日本語
シラバス
授業の目的(ねらい)、概要
本講義では、国際政治学・比較政治学の理論・概念・方法論を学びつつ、中東地域の政治を主要な事例として取り上げる。中東政治には、脱植民地国家の成立、民主主義と権威主義の多様性、ナショナリズム、内戦・戦争、テロリズム、宗教と国家の関係、石油資源の政治的影響、政軍関係、社会運動と革命、ポピュリズムなど、国際政治学・比較政治学における主要なテーマが凝縮されている。本授業では、それらの理論的枠組みを踏まえながら、中東地域の多様なケースを比較・分析する能力を養う。あわせて中東政治の動向が日本や国際社会にとって果たす重要性を理解し、現代政治を多面的に捉える視座を獲得することを目指す。
本講義のねらいは、受講者が国際関係論やグローバル・イシューに関心をもち、それを主体的に学習するための問題意識を涵養することにある。
到達目標
1) 国際政治学・比較政治学の主要概念・理論を理解する。
2) 中東地域の政治体制・政治過程・歴史的背景について体系的に学ぶ。
3) 中東における政治現象(脱植民地化、権威主義、紛争・内戦、宗教と国家など)を、国際政治学・比較政治学の枠組みで分析する能力を養う。
4) 日本や国際社会にとっての中東政治の重要性を理解し、国際情勢との関連性を把握する。
キーワード
中東、政治学、国際関係、比較政治、脱植民地国家、民主主義、権威主義、ナショナリズム、内戦、戦争、テロリズム、宗教、石油資源、政軍関係、社会運動、革命、ポピュリズム
学生が身につける力
- 専門力
- 教養力
- コミュニケーション力
- 展開力 (探究力又は設定力)
- 展開力 (実践力又は解決力)
授業の進め方
授業はパワーポイントとレジュメを併用して進めていくが、レジュメは印刷したものを配布することはしないので、授業には毎回印刷済みのレジュメかノートPC、タブレット端末を持参すること。また、毎回授業の最後にコメントシートを提出してもらう。
授業計画・課題
授業計画 | 課題 | |
---|---|---|
第1回 | オスマン帝国とイスラーム世界の中世 | オスマン帝国の成立からその支配体制、イスラーム世界の統治構造、そして中世におけるイスラーム文明の発展とその限界について論じる。 |
第2回 | 第一次世界大戦とイギリスの三枚舌外交 | フサイン=マクマホン協定、サイクス=ピコ協定、バルフォア宣言という矛盾した約束をイギリスが中東各勢力に与えた背景と、それが後のパレスチナ問題やアラブ世界の分裂にどのように繋がったのかを分析する。 |
第3回 | 植民地独立闘争とアラブ・ナショナリズム | フランスやイギリスの支配下にあったアラブ諸国の独立運動の展開、アラブ民族主義の隆盛と挫折、さらに各国の独立後の国家形成の過程を詳述する。 |
第4回 | イスラーム復興とイスラーム主義 | 20世紀後半におけるイスラームの政治的・社会的復興運動の潮流を整理し、現代のイスラーム主義の起源とその多様な形態を検討する。 |
第5回 | イスラーム過激主義の4つの波 | イスラーム過激主義の歴史的発展を考察し、特にムジャーヒディーン運動、アル=カーイダ、「イスラーム国」などの組織の戦略や思想の変遷を追う。 |
第6回 | 「アラブの春」 | 2010年末に始まったチュニジアのジャスミン革命を発端とする大規模な反政府運動の背景、各国における異なる展開、その成果と挫折、および地域秩序への影響を分析する。 |
第7回 | 2024年のイスラエルをめぐる地域紛争 | 現在進行中のイスラエルとパレスチナの対立を中心に、イラン、ヒズボラ、ハマス、湾岸諸国などの地域勢力の関与や、米国・ロシア・中国といった大国の外交戦略を含めた最新の情勢を整理し、その今後の展望を考察する。 |
準備学修(事前学修・復習)等についての指示
学修効果を上げるため,配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。
教科書
特になし。毎回レジュメを共有する。
参考書、講義資料等
・ 小笠原弘幸『オスマン帝国:繁栄と衰亡の600年史』(中公新書、2018年)
・ 小杉泰『イスラームとは何か:その宗教・社会・文化』(講談社、1994年)
・ 鈴木董『オスマン帝国の解体:文化世界と国民国家』(講談社、2018年)
・ 臼杵陽『世界史の中のパレスチナ問題』(講談社、2013年)
・ 立山良司『ユダヤとアメリカ:揺れ動くイスラエル・ロビー』(中央公論社、2016年)
・ 末近浩太『イスラーム主義:もう一つの近代を構想する』(岩波書店、2018年)
・ 末近浩太『中東政治入門』(筑摩書房、2020年)
・ 酒井啓子『<中東>の考え方』(講談社、2010年)
・ 酒井啓子『9.11後の現代史』(講談社、2018年)
・ ユージン・ローガン(白須英子訳)『アラブ500年史:オスマン帝国支配から「アラブ革命」まで(上・下)』(白水社、2015年)
・ ロジャー・オーウェン(山尾大・溝渕正季訳)『現代中東の国家・権力・政治』(明石書店、2015年)
・ スティーヴン・ウォルト(今井宏平・溝渕正季訳)『同盟の起源:国際政治における脅威への均衡』(ミネルヴァ書房、2021年)
成績評価の方法及び基準
リアクションペーパー(20%)、期末レポート(80%)
関連する科目
- LAH.S204 : 国際関係論B
- LAH.S305 : 国際関係論C
- LAH.S426 : 文系エッセンス26:国際関係論
履修の条件・注意事項
高校レベルの世界史を学習していることが望ましい。