2025年度 (最新) 学院等開講科目 情報理工学院 数理・計算科学系 数理・計算科学コース
非線形拡散方程式
- 開講元
- 数理・計算科学コース
- 担当教員
- 高橋 仁
- 授業形態
- 講義 (対面型)
- メディア利用科目
- -
- 曜日・時限
(講義室) - 火3-4 (M-B107(H104)) / 金3-4 (M-B107(H104))
- クラス
- -
- 科目コード
- MCS.M431
- 単位数
- 200
- 開講時期
- 2025年度
- 開講クォーター
- 2Q
- シラバス更新日
- 2025年3月19日
- 使用言語
- 日本語
シラバス
授業の目的(ねらい)、概要
放物型偏微分方程式の典型例である線形および非線形拡散方程式は,種々の拡散現象のモデルとして現れる.ここではそれらの解挙動を調べるための数学的手法を講義する.特に,方程式の自己相似構造に着目した解析手法を学習する.
到達目標
線形拡散方程式(熱方程式)について,解挙動の解析手法を身につける.それを用いて非線形方程式(多孔質媒質方程式,半線形熱方程式)の解析を実際に行えるようになることを目指す.
キーワード
拡散現象,熱方程式,多孔質媒質方程式,半線形熱方程式
学生が身につける力
- 専門力
- 教養力
- コミュニケーション力
- 展開力 (探究力又は設定力)
- 展開力 (実践力又は解決力)
授業の進め方
この講義では,線形および非線形拡散方程式の解挙動の解析手法を講義形式で解説する.
講義中に適宜レポート課題を課す.
授業計画・課題
授業計画 | 課題 | |
---|---|---|
第1回 | 拡散方程式(熱方程式)の導入,熱核 | 講義の内容を理解する. |
第2回 | 解の時間大域挙動,漸近公式の解の表示による証明 | 講義の内容を理解する. |
第3回 | スケール不変性,スケール変換による関数列の構成 | 講義の内容を理解する. |
第4回 | コンパクト性 I,関数列の収束への準備 | 講義の内容を理解する. |
第5回 | コンパクト性 II,部分列の収束 | 講義の内容を理解する. |
第6回 | 収束先の特徴づけ I,弱解 | 講義の内容を理解する. |
第7回 | 収束先の特徴づけ II,漸近公式のスケール変換による証明 | 講義の内容を理解する. |
第8回 | 多孔質媒質方程式の導入,Barenblatt解 | 講義の内容を理解する. |
第9回 | 解の時間大域挙動 I | 講義の内容を理解する. |
第10回 | 解の時間大域挙動 II | 講義の内容を理解する. |
第11回 | 半線形熱方程式の導入,比較原理 | 講義の内容を理解する. |
第12回 | 時間大域解と爆発解 | 講義の内容を理解する. |
第13回 | 解の爆発レート | 講義の内容を理解する. |
第14回 | 発展的内容 | 講義の内容を理解する. |
準備学修(事前学修・復習)等についての指示
学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する 予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。
教科書
特になし.
参考書、講義資料等
非線形偏微分方程式(儀我美一・儀我美保),共立出版,1999.
Nonlinear Partial Differential Equations (Mi-Ho Giga, Yoshikazu Giga, Jürgen Saal), Basel: Birkhäuser, 2010.
Avner Friedman, Shoshana Kamin, The asymptotic behavior of gas in an n-dimensional porous medium. Trans. Am. Math. Soc. 262, 551--563 (1980).
Yoshikazu Giga, Robert V. Kohn, Characterizing blowup using similarity variables. Indiana Univ. Math. J. 36, 1--40 (1987).
成績評価の方法及び基準
レポートによる.
関連する科目
- MCS.T211 : 応用微分積分
- MCS.T301 : ベクトル解析と関数解析
- MCS.T304 : ルベーグ積分論
- MCS.T311 : 応用微分方程式論
履修の条件・注意事項
微積分の知識を仮定するが,関数解析,ルベーグ積分,(偏)微分方程式の知識は仮定しない.