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2025年度 (最新) 学院等開講科目 理学院 物理学系 物理学コース

物理学特別講義第九

開講元
物理学コース
担当教員
田仲 由喜夫
授業形態
講義
メディア利用科目
-
曜日・時限
(講義室)
集中講義等
クラス
-
科目コード
PHY.T538
単位数
100
開講時期
2025年度
開講クォーター
3~4Q
シラバス更新日
2025年10月9日
使用言語
英語

シラバス

授業の目的(ねらい)、概要

本講義では非自明なエッジ状態・表面状態を有するトポロジカル超伝導の基礎について解説する。超伝導接合における基礎的な現象であるトンネル効果、ジョセフソン効果、近接効果の理論を量子統計力学に基づいて解説する。その背後にある電子がホールとして反射するアンドレーエフ反射の作り出すアンドレーエフ束縛状態の物理を、非従来型(異方的超伝導体)を中心に説明して、電子対の対称性と超伝導体のハミルトニアンの持つ数理構造から明らかにし界面現象の理解を深める。さらにトポロジカルに保護されたエッジ状態(表面アンドレーエフ束縛状態)を有する「トポロジカル超伝導」の基礎について講義する。

到達目標

トポロジカル超伝導の基礎的事項およびその背景を理解する。ボゴリューボフ・ドジャン方程式などの基礎的な理論からアンドレーエフ束縛状態の導出過程を理解する。またトンネル効果、ジョセフソン効果、近接効果といった超伝導界面における基礎的現象の理解を深める。さらにトポロジカル超伝導の基礎を学んで最近の発展を理解する。

キーワード

超伝導、アンドレーエフ反射、トポロジカル物質、トポロジカル超伝導

学生が身につける力

  • 専門力
  • 教養力
  • コミュニケーション力
  • 展開力 (探究力又は設定力)
  • 展開力 (実践力又は解決力)

授業の進め方

集中講義形式で行う。12/17(水), 12/18(木), 12/19(金)に実施する予定。

授業計画・課題

授業計画 課題
第1回

量子統計力学の復習とBCS理論

講師が授業中に指定する

第2回

異方的超伝導の基礎

講師が授業中に指定する

第3回

ボゴリューボフ・ドジャン方程式とアンドレーエフ反射

講師が授業中に指定する

第4回

異方的超伝導体における表面アンドレーエフ束縛状態とトンネル現象

講師が授業中に指定する

第5回

準古典近似(アイレンベルガー方程式とウサデル方程式)

講師が授業中に指定する

第6回

物性物理とトポロジー トポロジカル物質

講師が授業中に指定する

第7回

表面アンドレーエフ束縛状態とトポロジカル不変量

講師が授業中に指定する

第8回

マヨラナフェルミオン

講師が授業中に指定する

第9回

トポロジカル超伝導の人工設計

講師が授業中に指定する

第10回

トポロジカル物質とトポロジカル超伝導

講師が授業中に指定する

準備学修(事前学修・復習)等についての指示

教科書

「超伝導接合の物理」 田仲由喜夫 名古屋大学出版会

参考書、講義資料等

トポロジカル絶縁体・超伝導体 野村健太郎(丸善)

成績評価の方法及び基準

出席とレポート提出によって評価する

関連する科目

  • PHY.C341 : 物性物理学I
  • PHY.C342 : 物性物理学II

履修の条件・注意事項

量子力学、統計力学、固体物理の基礎知識を持っていることが望ましい。