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2025年度 (最新) 学院等開講科目 工学院 電気電子系

パワーエレクトロニクス

開講元
電気電子系
担当教員
藤田 英明 / 佐野 憲一朗
授業形態
講義 (対面型)
メディア利用科目
-
曜日・時限
(講義室)
火5-6 (M-123(H111)) / 金5-6 (M-123(H111))
クラス
-
科目コード
EEE.P311
単位数
200
開講時期
2025年度
開講クォーター
1Q
シラバス更新日
2025年3月19日
使用言語
日本語

シラバス

授業の目的(ねらい)、概要

パワー半導体デバイスのスイッチング作用を利用した電力変換装置とその応用を扱う分野は,パワーエレクトロニクスと呼ばれている。本講義では,パワーエレクトロニクスの基礎としての各種電力変換装置の動作原理と応用を講述する。具体的には,パワーエレクトロニクスの基礎,変換器の電圧源・電流源動作,受動素子(変圧器,コンデンサ,インダクタ)の役割,各種電力用半導体素子(パワーデバイス)の特徴と特性,直流チョッパ(降圧,昇圧,昇降圧),絶縁形DC-DCコンバータ,ダイオード整流器,チョークインプット形整流器,コンデンサインプット形整流器,インバータの基礎と動作原理,単相インバータ,三相インバータ,電流形インバータ,NPCインバータ,パワーエレクトロニクスの応用に関して講述する。
 パワーエレクトロニクスは多様な分野で電力を効率よく利用するためのキーテクノロジーであり,エネルギー問題や環境問題への対応が迫られている中で,その重要性がこれまでにも増して高まってきている。また,パワーエレクトロニクスは電気機器(電気回路),制御工学,エレクトロニクスの複合学問であり,パワーエレクトロニクスを学習することで,電気機器(電気回路),制御工学,エレクトロニクスの知識の深化が同時に達成できる。パワーエレクトロニクスの重要性を認識した上で,積極的な態度で講義に臨むことを期待する。

到達目標

本講義を履修することによって次の能力を修得する。
1)基本的なスイッチング動作の原理を理解し,パワーエレクトロニクス回路の機能と特性を説明できる。
2)パワーエレクトロニクス回路を構成するパワー半導体デバイスと受動素子の役割と機能を理解し,適切な素子を選択できる。
3)各種DC-DC変換器の動作原理,特長を理解し,適切な回路方式を選択し,回路定数を設計できる。
4)各種AC-DC変換器(整流器)の動作原理を理解し,直流電圧値を計算できる。
5)各種DC-AC変換器(インバータ)の動作原理を理解し,変調波方式・高調波分布の得失を比較できる。

キーワード

パワーエレクトロニクス,パワー半導体デバイス,直流変換器,DC-DCコンバータ,整流器,インバータ

学生が身につける力

  • 専門力
  • 教養力
  • コミュニケーション力
  • 展開力 (探究力又は設定力)
  • 展開力 (実践力又は解決力)
  • ・電気電子分野の応用専門力

授業の進め方

毎回の講義は,基本的にはパワーポイントを使用して行います。パワーポイントの内容は教科書の内容を補完する物であり,毎回の講義資料はScience Tokyo LMSにアップロードします。全ての授業は対面で行います。

授業計画・課題

授業計画 課題
第1回

パワーエレクトロニクスの基本
 -原理,機能,応用

パワーポイント資料と,教科書1ページから14ページ目を精読し,半導体電力変換器の基礎,電源と負荷の関係,電圧源と電流源の動作を理解する。

第2回

パワーエレクトロニクス回路要素
 -パワー半導体デバイス,インダクタ,キャパシタ

パワーポイント資料を精読し,スイッチングデバイス,インダクタ,キャパシタの役割と基本特性を理解する。

第3回

直流電力変換1(降圧チョッパ回路)

パワーポイント資料と,教科書66ページから69ページ目を精読し,降圧チョッパ回路の動作原理を理解する。

第4回

直流電力変換2(昇圧チョッパ回路・昇降圧チョッパ回路)

パワーポイント資料と,教科書69ページから72ページ目を精読し,昇圧チョッパ回路・昇降圧チョッパ回路の動作原理を理解する。

第5回

絶縁型直流電力変換器1(フライバックコンバータ)

パワーポイント資料と,教科書100ページから107ページ目を精読し,フライバックコンバータの動作原理を理解する。

第6回

絶縁型直流電力変換器2(フルブリッジコンバータ他)

パワーポイント資料と,教科書107ページから110ページ目を精読し,フルブリッジコンバータの動作原理を理解する。

第7回

パワー半導体デバイス

パワーポイント資料と,教科書16ページから54ページ目を精読し,パワー半導体デバイスの基礎特性を理解する。

第8回

理解度確認演習,講義内容の流れの説明
 -第1回から第7回までの内容の演習形式による確認

第1回から第7回までの理解度確認と到達度自己評価

第9回

整流器1
 -整流器の概要,純抵抗負荷時の整流器, 交流条件と直流偏磁

パワーポイント資料と,教科書177ページから184ページ目を精読し,純抵抗負荷時の整流器動作,およびインダクタの作用を理解する。

第10回

整流器2
 -チョークインプット整流回路,コンデンサインプット整流回路,電流の重なり,12パルス整流器

パワーポイント資料と,教科書185ページから192ページ目の精読し,環流ダイオードの作用, 電流の重なりを理解する。

第11回

整流器3
 -サイリスタ整流器,PWM整流器,PFC整流器

パワーポイント資料と,教科書192ページから218ページ目を精読し,各種整流回路を理解する。

第12回

インバータ1
 -インバータの概要,インバータの分類,フルブリッジインバータ

パワーポイント資料と,教科書115ページから122ページ目を精読し,インバータの動作原理を理解する。

第13回

インバータ2
 -PWMの原理,単相PWMインバータ,三相PWMインバータ

パワーポイント資料と,教科書165ページから168ページ目を精読し,PWMの原理を理解する。

第14回

インバータ3
-三相PWM変換器の電流制御,高圧・大容量パワーエレクトロニクス,NPCインバータ,モジュラー・マルチレベル変換器

パワーポイント資料と,教科書126ページから135ページ目を精読し,電流制御の原理と最新の高圧・大容量パワーエレクトロニクス技術を理解する。

準備学修(事前学修・復習)等についての指示

学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。

教科書

金東海 『パワースイッチング工学[改訂版]』 電気学会, ISBN 978-4-88686-296-9 C3054

参考書、講義資料等

特になし

成績評価の方法及び基準

パワーエレクトロニクスの基礎,パワー半導体デバイス,直流-直流変換,整流器,インバータについて,課題(30%),理解度確認演習(35%), 期末試験(35%)によりその理解度を評価。

関連する科目

  • EEE.C201 : 電気回路第一
  • EEE.C202 : 電気回路第二
  • EEE.P301 : 電気機器工学
  • EEE.C261 : 制御工学

履修の条件・注意事項

電気回路第一,電気回路第二,電気機器工学,制御工学などを履修しておくことが望ましい。

その他

Science Tokyo LMSによりクイズ、試験、宿題、アンケートなどを行います。ネットに接続するモバイル機器を持参してください。