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2025年度 (最新) 学院等開講科目 環境・社会理工学院 社会・人間科学系 社会・人間科学コース

政治・法律・行政分野方法論F1A

開講元
社会・人間科学コース
担当教員
渡邉 暁
授業形態
講義
メディア利用科目
-
曜日・時限
(講義室)
クラス
-
科目コード
SHS.P465
単位数
100
開講時期
2025年度
開講クォーター
3Q
シラバス更新日
2025年3月19日
使用言語
日本語

シラバス

授業の目的(ねらい)、概要

講義のねらい:フィールドワークの手法を学ぶこと。そして、研究という営みを、ご自分のそれ以外の人生とのかかわりの中で考えること。

概要(少し長いです):この授業は研究の手法として「フィールドワーク」について、その手法を考えると同時に、「生活と研究」についてもみなさんと共に考えながら進めていきたいと思います。前者については、最近出た非常に優れたフィールドワークの入門書を輪読した上で、教員のこれまでの論考を読んでいただき、メキシコやアメリカ合衆国でのフィールドワークの経験を皆さんと共有することで、皆さんに「フィールドワークのやり方」の一例を見せ、皆さんにご自分の調査のやり方について、考えてもらえる機会を作りたいと思います。

第二のテーマである「生活と研究」ということについて、「フィールドワークと関連するもう一つのテーマ」として考えるようになったのは、以下の理由からです。大学院のこの授業を初めて担当したのは2021年でしたが、パンデミックによりフィールドワークができない時期に、自分の生活が大きく変わったことで、私は「ライフ・リサーチ・バランス」というものを考えざるを得なくなりました。ちょうどそのころにこの大学院の授業のお話をいただき、それについて院生の皆さんといっしょに考えてみたくなった、ということがまず一つあります。それに加えて、フィールドワークをするというのは、調査者である自分と、話を聞く相手をはじめとするフィールド先での人とのかかわりが重要となる行為で、調査対象とする人々の生活とも密接に関連しています。だとすれば、普段の生活と自分の研究の関連についても考えていくべきなのではないか、と思った。それが、この2番目のテーマを思いついたきっかけです。

様々な専門分野の中で、これから研究を進めていかれる院生の皆さんにとって、少しでもお役に立てるような授業であれば、と思っている次第です。

到達目標

フィールドワークという研究手法について、その基本的特徴・技法を理解し、調査によって得られた聞き取りなどの内容を、研究データとして活用できるようになること。そして、生活と研究について考えながら、研究を進める準備をしていただくこと。

キーワード

フィールドワーク・生活と研究・メキシコ・政治・移民・チェス

学生が身につける力

  • 専門力
  • 教養力
  • コミュニケーション力
  • 展開力 (探究力又は設定力)
  • 展開力 (実践力又は解決力)

授業の進め方

フィールドワークについて、主として講師のこれまでの研究活動を紹介する形で解説をしていくとともに、「生活と研究」について、皆さんの研究についてもを発表してもらいながら、クラスのメンバー全員で考えていきます。

授業計画・課題

授業計画 課題
第1回 授業オリエンテーション 授業の主旨を理解し、自分の研究にどのようにつなげるかを考える
第2回 フィールドワークそして「生活と研究」 フィールドワークと「生活と研究」について考察する
第3回 食文化とフィールドワーク 食文化の事例についてのフィールドワークから学ぶ
第4回 移民研究とフィールドワーク 移民研究の事例についてのフィールドワークから学ぶ
第5回 政治研究とフィールドワーク 政治研究の事例についてのフィールドワークから学ぶ
第6回 ゲストスピーカーによるフィールドワークの事例 フィールドワークを実践しているゲストをお呼びし、さらに多様な角度からフィールドワークについて考える
第7回 総まとめ:受講生の皆さんにとっての「研究と教育」 皆さんにとっての「研究と生活」について意見交換をする(ただし、「生活」エスノグラフィ入門については必ずしも話す必要はない)

準備学修(事前学修・復習)等についての指示

学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する 予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。

教科書

教科書というか、授業の序盤で読んでいただく文献として、こちらを挙げておきます。できれば事前に入手し、読んでおいてください。

石岡丈昇『エスノグラフィ入門』ちくま新書、2024年。

その他、講師(渡辺)の論文を読んで頂くことになります。こちらのページに必要なものはほぼ全てアップしてあります。

https://researchmap.jp/akira_watanabe

参考書、講義資料等

授業中にいろいろと紹介するので、関心を持ったものがあればぜひ手に取って下さい

成績評価の方法及び基準

毎回のコメントシート:50% 期末レポート:50%

関連する科目

  • SHS.P463 : 政治・法律・行政分野方法論S1A
  • SHS.P464 : 政治・法律・行政分野方法論S1B
  • SHS.P466 : 政治・法律・行政分野方法論F1B

履修の条件・注意事項

特になし

その他

この、一風変わったテーマの授業を思いついたきっかけを、少しこちらに書かせてもらいます。

2019年末からの新型コロナウィルスの流行により、私たちの生活、そして研究のあり方は一変しました。私はメキシコをフィールドとしていますが、2000年の1月1日未明の飛行機で日本に帰ってきて以来、10数年ぶりに全くメキシコに行かない時間を過ごしてきました。(2024年立春のシラバス執筆時点:実は2月から3月にかけて、4年ぶりの出張を予定しています。)

また、東工大に2020年の4月に着任しましたが、引き続き前任校がある山梨に住んでいます。キャンパスには2022年度の後学期から週に数回通うようになりましたが、それまではほとんど行かず、自宅で子育てをしながらオンラインで授業をしておりました。着任して4年が過ぎようとしていますが、2023年度は主たる担当科目のスペイン語で新教科書が導入され、2024年度は新任の先生が着任されるなど、引き続き様々な変化が予想されます。研究の面でも、私がこれまで追いかけてきたメキシコ政治は、2024年の7月に大統領選挙を控え、移民の状況に影響するアメリカ合衆国の選挙と合わせ、状況は刻々と変化し続けています。

授業形態としても、この授業は去年とおととしは、中島岳志先生と合同で2単位の授業として行ってきましたが、2024年度は久々に単独での授業として行いました。2025年度の授業でも、こうした自身の状況をふまえ、私がこれまでやってきたフィールドワークという営みについて、そして、研究と生活を結びつけるとは何か、について、考えていきたいと思います。相変わらず手探りの授業になると思いますが、どうぞよろしくお願い致します。

このクラスは対面(初回の顔合わせ+最終回のまとめなど)とオンライン(ゲスト登場回など)を組み合わせて行う予定です。詳しい予定については初回(対面)でご相談させて頂きますので、よろしくお願いいたします。

また、例年ウェルネス系の学生さんや、社会人間科学コース以外の学生さんも受講してくれています。文系の専門科目はちょっと敷居が高いかも、と思っていらっしゃる方は、初回の授業に見学に来て下さい。(きちんと取り組んで下さる方であれば歓迎します!:ごく一部ですが、けっこうサボりがちな人もいたので、嫌味に聞こえるかもしれませんが一応書いておきます。)

なお、キーワードに「チェス」が入っているのは、講師がチェスプレイヤーでもあり、どこかのタイミングでその話もしたいと考えているからです。そちらについても、ぜひご期待ください。

これまで同様、学生の皆さんとの交流・意見交換を楽しみにしているので、どうぞよろしくお願い申し上げます。