2025年度 (最新) 学院等開講科目 生命理工学院 生命理工学系
基礎神経科学
- 開講元
- 生命理工学系
- 担当教員
- 鈴木 崇之 / 一瀬 宏 / 宮下 英三 / 廣田 順二 / 黒田 公美 / 實吉 岳郎
- 授業形態
- 講義
- メディア利用科目
- -
- 曜日・時限
(講義室) - 火1-2 (WL2-401(W641)) / 金1-2 (WL2-401(W641))
- クラス
- -
- 科目コード
- LST.A346
- 単位数
- 200
- 開講時期
- 2025年度
- 開講クォーター
- 1Q
- シラバス更新日
- 2025年3月31日
- 使用言語
- 日本語
シラバス
授業の目的(ねらい)、概要
本講義は「行動」のための神経システムを包括的に解説する。脳、神経細胞、遺伝子の各階層から見た「行動」を概説したのち、イオンチャネル、膜電位、シナプス、神経伝達物質など、神経細胞に関する細胞・分子生物学的な知見を解説する。さらに、知覚(体性感覚、視覚)、認知から行動に至る末梢神経系や中枢神経系の神経基盤を解説する。
本講義の目的は、我々が外界の刺激を知覚し、それに応答する行動を行うための基本的な神経機構の理解を深めることである。
到達目標
脳科学は神経科学を基盤として計算科学、分子生物学、電気生理学などの学際的な分野として発展を遂げている。脳科学を研究するためには神経科学の幅広い知識が必要である。受講生は、「カンデル神経科学」という世界標準の教科書に基づいた講義を受けることができる。受講生は、脳に対する興味を抱き、自ら積極的に学習していくことが期待されている。本講義修了時には、より高度で専門的な脳科学・神経科学を学ぶために必要な基礎知識を習得することができる。
キーワード
脳科学、神経科学、行動、知覚、認知
学生が身につける力
- 専門力
- 教養力
- コミュニケーション力
- 展開力 (探究力又は設定力)
- 展開力 (実践力又は解決力)
授業の進め方
「カンデル神経科学」(第2版)の対応するセクションを講義担当教員の実験データを交えながら解説する。
授業計画・課題
授業計画 | 課題 | |
---|---|---|
第1回 | 脳、神経細胞、神経回路、遺伝子と行動 「カンデル神経科学」(日本語第2版)第1章から第4章を概説する。(鈴木) | 脳各部位、神経回路、神経細胞、遺伝子の基本的な構造とその機能を理解し、さらにそれらが行動に果たす基本的な役割を理解すること。 |
第2回 | イオンチャンネルと静止膜電位 「カンデル神経科学」(日本語第2版)第8章と第9章を概説する。(鈴木) | イオン・チャネルの構造と機能, さらには神経細胞の静止膜電位と電気的特性を理解すること。 |
第3回 | 活動電位 「カンデル神経科学」(日本語第2版)第10章を概説する。(鈴木) | 神経細胞における活動電位の発生機序を理解すること。 |
第4回 | シナプス伝達および中枢神経系のシナプス統合について「カンデル神経科学」(日本語第2版)第11章と13章を概説する。(一瀬) | シナプス伝達機構と、シナプスによる入力情報の統合が行われるメカニズムを理解すること |
第5回 | セカンドメッセンジャーによるシナプス伝達修飾と神経伝達物質について「カンデル神経科学」(日本語第2版)第14章、15章、16章を概説する。(一瀬) | セカンドメッセンジャーによるシナプス伝達の修飾機構や神経伝達物質の放出機構、神経伝達物質の代謝について理解すること。 |
第6回 | 運動の構成と計画 「カンデル神経科学」(日本語第2版)第30章を概説する。(宮下) | 運動するために脳がどのような計算をする必要があるか理解すること。 |
第7回 | 運動単位と脊髄反射 「カンデル神経科学」(日本語第2版)第31章、32章を概説する。(宮下) | アクチュエータとしての筋肉の特性とフィードバック制御器としての脊髄反射を理解すること。 |
第8回 | 記憶と学習「カンデル神経科学」(日本語第2版)第52章、53章を概説する(實吉) | 記憶には複数の種類があり、異なる神経系が関与することを理解する |
第9回 | 記憶と学習「カンデル神経科学」(日本語第2版)第54章を概説する(實吉) | シナプス可塑性の細胞基盤、長期増強について理解する |
第10回 | 感覚の符号化と体性感覚について、 「カンデル神経科学」(日本語第2版)第17、18章を概説する。(廣田) | 感覚系に共通する構成原理と情報の符号化、ならびに体性感覚系の機能と基本原理について理解すること。 |
第11回 | 視覚について、 「カンデル神経科学」(日本語第2版)第21章を概説する。(廣田) | 視覚系における情報処理について、その基礎となる神経回路や構成原理を理解すること。 |
第12回 | 聴覚、嗅覚、味覚について、 「カンデル神経科学」(日本語第2版)第28 and 29章を概説する。(廣田) | 聴覚、嗅覚、味覚系における情報処理について、その基礎となる神経回路や構成原理を理解すること。 |
第13回 | 視床下部、脳幹と生存に必要な情動・行動 「カンデル神経科学」(日本語第2版)第40、41、42章、""Behavioral Neuroscience"" 15, 16章から抜粋して解説する。(黒田) | ストレス反応、不安、恐怖など、個体が危険に対処し生きのびるために必要な情動・行動を制御する視床下部・脳幹の機能を哺乳類の例を用いて説明できる。 |
第14回 | 視床下部と生殖・社会行動 「カンデル神経科学」(日本語第2版)第41、51章、”Behavioral Neuroscience""12章から抜粋して概説する。(黒田) | 哺乳類の個体が他個体と社会的な関わりを持ち、子孫を残すために必要な視床下部の機能について説明できる。 |
準備学修(事前学修・復習)等についての指示
学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。
教科書
なし。
参考書、講義資料等
""Principles of Neural Sciences, Fifth edition"", edited by Erick R. Kandel et al. McGraw Hill. 「カンデル神経科学」として日本語訳も出版されている。原著の第6版(2021)、和訳は第2版(2022)の章立てを参考にした。
""Behavioral Neuroscience, 10th edition"" S. Marc Breedlove、Neil V. Watson を参考図書として加える。
""Neuroscience –Exploring the brain– Fourth edition"", edited by Bear MF, Connors BW, and Paradiso MA, 2016 「神経科学-脳の探求-」として西村書店から日本語訳も出版されている
受講生は講義資料をLMSからダウンロードすること。
成績評価の方法及び基準
神経科学の基本的知識の理解度を、講義毎の小テストまたは課題と、期末筆記試験により評価する。
関連する科目
- LST.A410 : 神経科学
- LAT.A405 : 認知心理学
- HCB.M461 : 脳の計測
- MEC.L431 : ヒト脳機能の基礎と計測
- ICT.H509 : 脳機能計測
- LAH.T309 : 言語学C
- LST.A362 : 進化・発生学
履修の条件・注意事項
特になし。