2025年度 (最新) 学院等開講科目 生命理工学院 生命理工学系
物理化学第三(分子軌道,相互作用,分光学)
- 開講元
- 生命理工学系
- 担当教員
- 石井 佳誉 / 北尾 彰朗 / 安井 隆雄 / 五十嵐 龍治
- 授業形態
- 講義
- メディア利用科目
- -
- 曜日・時限
(講義室) - クラス
- -
- 科目コード
- LST.A211
- 単位数
- 200
- 開講時期
- 2025年度
- 開講クォーター
- 3Q
- シラバス更新日
- 2025年4月2日
- 使用言語
- 日本語
シラバス
授業の目的(ねらい)、概要
量子力学や原子・分子間力の基礎概念を教授し、原子と分子の構造、化学結合、化学反応性及び動的性質などを解釈・予測するための基礎知識を習得させる。合わせて、大きな概念の変革をもたらす量子力学の学習を通して、古典力学・波・電磁気学・光について深い考察力を以て理解を深め、原子・分子に関する探求活動の能力を涵養する。さらに、それらの物理化学性質をコンピュータシミュレーションや分光学実験から解明する方法について教授する。
到達目標
・初等量子力学の基礎事項の習得と簡単な系への適用が理解できるようになること。
・分子のシュレーディンガー方程式の近似解法の一つとして初等的な分子軌道計算の原理や簡単な系への適用法が理解できるようになること。
・分子間・原子間・原子核と電子に働く様々な力の物理起源を理解し、原子と分子構造の成り立ちなどが理解できるようになること。
・分子の励起状態、振動状態、分子構造あるいは動的性質を調べるために、それぞれどのような分光学的実験手法やコンピュータシミュレーションを用いたらよいか選択できるようになること。
・量子力学と分光法の基盤として、古典力学・波・電磁気学・光の基本原理と法則を理解すること。
キーワード
量子力学理論、シュレーディンガー方程式、波動関数、分子軌道理論、分子間および原子間相互作用、分子分光学
学生が身につける力
- 専門力
- 教養力
- コミュニケーション力
- 展開力 (探究力又は設定力)
- 展開力 (実践力又は解決力)
授業の進め方
授業の最初に前回の授業の復習と今回の授業内容との関連等について解説する。授業期間中に重要項目に関する小テストや演習を適宜行う。
授業計画・課題
授業計画 | 課題 | |
---|---|---|
第1回 | 量子論の原理:シュレーディンガー方程式、波動関数、量子化及び不確定性原理 | 一次元の自由粒子のシュレーディンガー方程式を解き、その解が不確定性原理に従うことを確かめよ。 |
第2回 | 量子論の応用:並進、振動及び回転運動に対するシュレーディンガー方程式の適用 | 教科書367ページの演習問題9・23、9・26、9・27を解け。 |
第3回 | 水素型原子の電子構造:許されるエネルギーと原子オービタル | 教科書368ページの演習問題9・35、9・36、9・38を解け。 |
第4回 | 多電子原子の電子構造:オービタル近似とパウリの排他原理及び構成原理 | 構成原理にしたがって、HからCaまでの原子の電子配置を書き、周期表との関係を述べよ。 |
第5回 | 原子価結合法:2原子分子の波動関数及び混成軌道の概念 | 混成軌道の概念に基づいて、炭素の原子価が2~4価の間で変化する理由を述べよ。 |
第6回 | 分子軌道法:原子オービタルの一次結合と等核二原子分子及び異核二原子分子への適用 | 教科書412ページの演習問題10・23,10・24、10・29および10・30を解け。 |
第7回 | 分子軌道法:多原子分子の電子構造及びヒュッケル法の理解と適用、 | 教科書412ページの演習問題10・32~10・35を解け。 |
第8回 | 分子の形を決めている力(静電相互作用、水素結合、レナード・ジョーンズ相互作用) | 教科書 468~469ページの演習問題11・27、11・28、11・41を解け。 |
第9回 | コンピューターシミュレーション:分子動力学計算、モンテカルロ計算及び構造活性相関 | 分子動力学シミュレーションとモンテカルロシミュレーションの違いを述べよ。 |
第10回 | 分子軌道法:d金属錯体の電子構造の理解及び計算生物化学への展望 | 配位子場理論について簡潔に述べよ。 |
第11回 | 分光法:分光法の一般原理 | 光の吸収や放射に関わる状態遷移の基礎について説明できる。 |
第12回 | 分光法:振動分光法の原理 | 赤外分光やラマン分光などの振動分光法の原理について説明できる。 |
第13回 | 分光法:電子遷移とFranck-Condonの原理 | 吸収や蛍光のスペクトル形状の決定因子について説明できる。 |
第14回 | 分光法:振動分光法の応用、生体研究への応用 | 分光解析手法を用いた生体研究の具体例について説明できる。 |
準備学修(事前学修・復習)等についての指示
学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。
教科書
アトキンス 生命科学のための物理化学 第2版、第9章~12章、東京化学同人
参考書、講義資料等
アトキンス 物理化学 (上)(下) 第8版、東京化学同人
Tinocoら、バイオサイエンスのための物理化学、東京化学同人
マッカーリ、サイモン、物理化学 (上)(下)、東京化学同人
成績評価の方法及び基準
成績は次の観点から評価する。1)シュレーディンガー方程式をはじめとする基礎方程式や様々な物理化学の基礎法則が簡単な応用とともに理解できているかどうか、2)分子の立体構造、電子構造、化学結合あるいは動的性質を実験やコンピュータ計算を用いて解明する手法が理解できているかどうか, 3)分光学の基礎的原理と生体分子への応用法が理解できているかどうか。これらの達成度を期末試験で評価する。
関連する科目
- LST.A201 : 物理化学第一(熱力学,反応速度)
- LST.A206 : 物理化学第二(統計熱力学)
- LST.A341 : 生物物理化学
履修の条件・注意事項
履修科目
LST.A201 : 物理化学第一(熱力学,反応速度)
LST.A206 : 物理化学第二(統計熱力学)