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2025年度 (最新) 学院等開講科目 物質理工学院 応用化学系 応用化学コース

応用化学最前線第三

開講元
応用化学コース
担当教員
桜井 誠人 / 栄長 泰明
授業形態
講義 (ハイフレックス型)
メディア利用科目
-
曜日・時限
(講義室)
集中講義等
クラス
-
科目コード
CAP.T425
単位数
100
開講時期
2025年度
開講クォーター
3~4Q
シラバス更新日
2025年9月30日
使用言語
日本語

シラバス

授業の目的(ねらい)、概要

[概要] 本講義では、物質の基礎的性質と反応性を原子・分子レベルで理解し、有用な物質の設計および変換に関する高度な化学技術システムおよび、その活用を修得した化学者を養成するため、応用化学分野の最前線で活躍する研究者が、基礎から応用までの研究成果を紹介する。
[ねらい] 応用化学分野の最前線で活躍する研究者の基礎から応用までの研究に関する幅広い知識を修得することを目標とする。

到達目標

本講義を履修することによって次の能力を修得する。
(1) 物質の基礎的性質と反応性を原子・分子レベルで説明できる。
(2) 有用な物質の設計および変換に関する高度な化学技術システムを説明できる。
(3) 高分子やナノカーボンの機能性材料に関する、基礎から応用研究までの幅広い知識を説明できる。

キーワード

基礎的性質、原子・分子、物質、化学技術、応用化学、高分子、相分離、接着技術、カーボンナノチューブ、グラフェン、スパッタ法、化学気相成長法、電気化学バイオセンサー,化学工学,単位操作,触媒,吸着

学生が身につける力

  • 専門力
  • 教養力
  • コミュニケーション力
  • 展開力 (探究力又は設定力)
  • 展開力 (実践力又は解決力)

授業の進め方

2名の講師がそれぞれ2日間の集中講義を行う。
前半(大岡山キャンパス対面講義,すずかけ台キャンパスの学生はZoom受講可):
桜井 誠人 先生「宇宙船内の環境制御・生命維持技術(ECLSS)と物質循環」
後半(すずかけ台キャンパス対面講義,大岡山キャンパスの学生はZoom受講可):
栄長 泰明 先生「機能材料の創製と環境・医療への応用」

授業計画・課題

授業計画 課題
第1回

1. 宇宙船内の環境制御・生命維持技術(ECLSS)と物質循環
宇宙惑星居住に関して概要を紹介する.宇宙機で運用される空気再生・水再生などの生命維持システムを設計することを通して,移動速度論およびCO2の吸着・脱着,触媒反応,電気分解,蒸留,濡れ性・表面張力などに関する単位操作を講義する.個々の単位操作をシステムとして構成し,プロジェクトに関する実例なども紹介する.
1-1 生命維持技術の概要1(バイオスフェア)
1-2 生命維持技術の概要2(ISS:国際宇宙ステーション)
1-3 【吸着・脱着】固定相吸着筒によるCO2の分離濃縮
1-4 【反応工学】サバチエ反応による二酸化炭素の還元
1-5 【電気化学】水電解による酸素製造装置、気液分離、【蒸留】尿からの水再生
1-6 月面探査ミッション 月の縦孔を例として

移動速度論,CO2の吸着・脱着,触媒反応,電気分解,蒸留,濡れ性・表面張力など化学工学の単位操作について説明できる.

第2回

2. 機能材料の創製と環境・医療への応用(栄長 泰明 講師)
次世代の機能材料として期待できる新規材料として、主に二つの材料とその機能開発に関する近年の展開を紹介する。はじめに、光により磁性を制御できる材料をとりあげる。光応答磁石は新しい応用への期待からも注目されているが、その設計指針は確立されていない。一方、機能電極材料である「ダイヤモンド電極」の電気化学特性とその機能を中心に解説する。環境計測や生体計測の高感度センサーとして、汚水浄化用、近年では、有機合成や、CO2還元による有用物質合成用途に期待されている。ここでは、これらの材料と機能、また材料開拓における基礎を化学の観点から概観する。
●1コマ目(11/17)
1. 機能材料化学の基礎
2. 光制御型磁性材料
2-1. 分子磁性の基礎
2-2. 光応答磁性材料のデザインと機能

●2コマ目(11/17)
3. ダイヤモンド電極
3-1. 機能材料としてのダイヤモンド
3-2. ダイヤモンド電極の基礎
3-3. ダイヤモンド電極の応用(環境センサー、生体センサー)

●3コマ目(11/21)
3-3. ダイヤモンド電極の応用(水処理、有機電解、CO2還元、その他)

光制御型磁性材料と機能電極材料の特性と応用について説明できる.

準備学修(事前学修・復習)等についての指示

教科書

指定無し

参考書、講義資料等

指定無し。必要に応じて資料を配布することがある。

成績評価の方法及び基準

全授業出席を原則とし、毎回の授業で出席確認をする。成績評価は、講義中の演習またはレポートにより行う。

関連する科目

  • CAP.P421 : 高分子機能解析特論
  • CAP.I437 : 高分子物性概論
  • CAP.P522 : 高分子構造特論
  • CAP.C424 : 反応プロセス工学特論
  • ENR.H411 : 電気化学デバイス特論
  • HCB.A561 : ナノバイオ材料・デバイス概論
  • CAP.C443 : 反応分離プロセス特論
  • CAP.C441 : 移動現象操作

履修の条件・注意事項

履修の条件は設けない。

その他

開講日時
第一回:10/15(水)7,8時限(15:25 - 17:05),10/16(木)5,6,7,8時限(13:30 -17:05)(宇宙航空研究開発機構 桜井 誠人 先生)
第二回:11/17(月) 5,6,7,8時限(13:30 -17:05),11/21(金) 7,8時限(15:25 - 17:05)(慶応義塾大学 栄長先生)
※詳細は連絡教員から連絡します.