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2025年度 (最新) 学院等開講科目 物質理工学院 応用化学系 応用化学コース

応用化学最前線第二

開講元
応用化学コース
担当教員
関 実 / 作道 直幸
授業形態
講義 (ハイフレックス型)
メディア利用科目
-
曜日・時限
(講義室)
集中講義等
クラス
-
科目コード
CAP.T424
単位数
100
開講時期
2025年度
開講クォーター
3~4Q
シラバス更新日
2025年11月18日
使用言語
日本語

シラバス

授業の目的(ねらい)、概要

[概要]本講義では、物質や材料の機能・物性を開拓するための原理を理解し、有用な物質・材料の創成に関する高度な化学技術ならびにその活用を修得した化学者を養成するため、応用化学分野の最前線で活躍する研究者が、基礎から応用までの研究成果を紹介する。
[ねらい]応用化学分野の最前線で活躍する研究者の基礎から応用までの研究に関する幅広い知識を修得することを目標とする。

到達目標

本講義を履修することによって次の能力を修得する。
関先生
バイオものづくりは、先行して取り組まれている医薬品や食品に留まらず、化学品・素材・繊維・燃料など多様な産業領域での活用が見込まれており、従来の化石資源を原料とした様々な製造プロセスを置き換える「持続可能なものづくり」として、次世代の産業基盤となることが期待されている。再生可能な生物資源を活用し、環境負荷を減らしながら経済活動を進め、次世代の産業基盤をどのように構築するか、技術・コスト・制度など様々な面で課題があり、我々は大きな課題に直面している。様々な角度から本課題の現状と技術開発の動向について紹介し、製造業の新たなイノベーションについて考えたい。
作道先生
(1) ゴムやゲルにおけるエントロピー弾性とエネルギー弾性の基礎を説明できる。(2) 負のエネルギー弾性の概念とその発現メカニズムについて説明できる。(3) ゴムの亀裂進展における速度ジャンプ現象と先端形状の変化について説明できる。(関先生の講義内容は近日発表予定)

キーワード

関 実 先生:バイオ、
作道 直幸 先生:ゴム、ゲル、弾性、負のエネルギー、亀裂、速度ジャンプ

学生が身につける力

  • 専門力
  • 教養力
  • コミュニケーション力
  • 展開力 (探究力又は設定力)
  • 展開力 (実践力又は解決力)

授業の進め方

ハイフレックスによる講義形式で2名の講師がそれぞれ集中講義を行う。
関 実 先生: バイオものづくり
作道 直幸 先生:ゴム・ゲル材料の弾性メカニズムと亀裂進展現象の理解

授業計画・課題

授業計画 課題
第1回

バイオものづくり

バイオものづくりは、先行して取り組まれている医薬品や食品に留まらず、化学品・素材・繊維・燃料など多様な産業領域での活用が見込まれており、従来の化石資源を原料とした様々な製造プロセスを置き換える「持続可能なものづくり」として、次世代の産業基盤となることが期待されている。再生可能な生物資源を活用し、環境負荷を減らしながら経済活動を進め、次世代の産業基盤をどのように構築するか、技術・コスト・制度など様々な面で課題があり、我々は大きな課題に直面している。様々な角度から本課題の現状と技術開発の動向について紹介し、製造業の新たなイノベーションについて考えたい。

第2回

高分子ゲル(ゲル)は、鎖状高分子の三次元網目構造が大量の溶媒を含んで膨潤した柔らかくウェットな固体である。近年、我々は、ゲルの弾性率が、エントロピー弾性に加えて、内部エネルギー変化由来の「負のエネルギー弾性」も無視できないほど大きいことを発見した。この発見は、高分子ゲルの弾性率はゴムと同様にエントロピー弾性のみでおおむね説明できるという⻑年の定説を覆す。本講義では、エントロピー弾性やエネルギー弾性について、マクロな熱力学の観点およびミクロな高分子鎖の観点から丁寧に説明する。ゴムやゲルの熱弾性測定で不可避な体積変化を考慮し、等圧条件下のデータから真のエネルギー・エントロピー弾性を求める公式や、シンプルな格子模型による負のエネルギー弾性のメカニズムなど、最近の発見についても解説する。
ゴム・ゲル・樹脂などの粘弾性固体の亀裂進展において、亀裂進展の速度が低速から高速へと数千倍に変化する「速度ジャンプ」現象が起こり、その際に、亀裂先端部が放物線形状から尖ることが知られている。しかし、速度ジャンプの発生や亀裂先端部の尖りのメカニズムには未知の部分が多い。本講演では、実験・理論・数値シミュレーションを用いてこれらのメカニズムおよびタフ化への指針を明らかにした最近の研究を中心にこれまでの知見を紹介する。

講義1、2「ゴムやゲルのエントロピー弾性とエネルギー弾性」
講義3「ゴムの亀裂進展における速度ジャンプと亀裂先端の尖りのメカニズム」

準備学修(事前学修・復習)等についての指示

学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。

教科書

指定なし

参考書、講義資料等

配布資料は有り

成績評価の方法及び基準

全授業出席を原則とし、毎回の授業で出席確認をする。成績評価はレポートにより行う。

関連する科目

  • CAP.T423 : 応用化学最前線第一
  • CAP.T425 : 応用化学最前線第三
  • CAP.A461 : 無機固体化学特論第一
  • CAP.P432 : 高分子科学要論第二

履修の条件・注意事項

履修の条件は設けない。

その他

開講日時・場所(いずれもハイフレックス講義)
第一回: 11/17(月)13:30-19:00(早めに終わります)
千葉大学 関 実 先生
ハイフレックス講義 大岡山 対面講義 M-123(すずかけ台 G1-109)
教室については、確定し次第、LMSに公開します。

第二回: 12/3(水)15:25–17:05
12/5(金)13:30–17:05
ZEN大学 作道 直幸 先生
ハイフレックス講義 大岡山 対面講義 M-124(すずかけ台 未定)
教室については、確定し次第、LMSに公開します。
キャンパスを移動して対面参加も歓迎します。