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2025年度 (最新) 学院等開講科目 物質理工学院 応用化学系 応用化学コース

応用化学最前線第一

開講元
応用化学コース
担当教員
寺尾 潤 / 網井 秀樹
授業形態
講義 (ハイフレックス型)
メディア利用科目
-
曜日・時限
(講義室)
集中講義等
クラス
-
科目コード
CAP.T423
単位数
100
開講時期
2025年度
開講クォーター
3~4Q
シラバス更新日
2025年9月17日
使用言語
日本語

シラバス

授業の目的(ねらい)、概要

[概要]本講義では、物質の基礎的性質や反応性を原子・分子レベルで理解し、高分子を含めた有用な物質の設計および変換に関する高度な化学技術システムおよび、その活用を修得した化学者を養成するため、応用化学分野の最前線で活躍する研究者が、基礎から応用までの研究成果を紹介する。
[ねらい]応用化学分野の最前線で活躍する研究者の基礎から応用までの研究に関する幅広い知識を修得することを目標とする。

到達目標

本講義を履修することによって次の能力を修得する。
(1)物質の基礎的性質や反応性を原子・分子レベルで説明できる。(2)有用な物質の設計および変換に関する高度な化学技術システムを説明できる。(3)基礎から応用研究までの幅広い知識を説明できる。

キーワード

基礎的性質、原子・分子、物質、化学技術、応用化学

学生が身につける力

  • 専門力
  • 教養力
  • コミュニケーション力
  • 展開力 (探究力又は設定力)
  • 展開力 (実践力又は解決力)

授業の進め方

対面とZoomによるハイブリッド型の講義形式で2名の講師がそれぞれ2日間の集中講義を行う。
前半(11月18日):網井秀樹 教授(群馬大学):有機フッ素化学
後半(12月15日):寺尾潤 教授(東京大学);超分子材料

授業計画・課題

授業計画 課題
第1回

1-1 「有機フッ素化学の基礎」
フッ素は,快適な現代生活を営む上で,多彩な役割を果たす元素です。有機フッ素化合物は自動車,家電製品,医農薬など,私たちの日常生活に役立っています。有機フッ素化学を学ぶには,「フッ素原子の特徴」を知ることが重要です。フッ素の3大特徴(最大の電気陰性度,小さな原子サイズ,強固なC-F結合)を中心に「フッ素原子が醸し出す特異な性質とその発現の原理」について講述します。

1-2「有機フッ素化合物の特徴的反応」
概要:有機反応に対するフッ素の電子効果について、いくつかの事例を示します。フッ素の電子効果がもたらすフッ素化合物の酸性度をはじめ、フッ素が結合することによるカルボカチオン中間体,カルボアニオン中間体の安定化・不安定化、フッ素により活性化される芳香環上での求核的置換反応など、有機フッ素化合物の特徴的反応をいくつか紹介します。

1-3「トリフルオロメチル化と関連反応」
有機フッ素化合物の合成は、世界中で活発に研究が行われています。特に、2010年以降に、有機化合物のフッ素化とトリフルオロメチル化において,触媒を用いる技術が飛躍的に発展しました。本講義では、独自に開発してきた触媒的トリフルオロメチル化、ジフルオロメチル化などの合成反応を系統的に述べます。


2-1「分子建築学① 精密にナノスケール分子をくっつける」
概要:最近のノーベル化学賞授賞対象となった不斉還元・酸化反応、メタセシス反応、クロスカップリング反応の発見の経緯・反応機構を中心に概説し、これらを鍵反応として用いる医薬品・機能性材料の合成法について紹介する。

2-2「分子建築学② ナノスケール分子を設計し、有機物ならではの機能を創出する」
概要:汎用材料から機能性材料に至る広範な超分子・高分子材料の精密合成法・構造・機能について学び、社会に果たす役割を理解する。また、共有結合以外の結合に基づく高次構造の存在を理解し、生命の理解につなげる。

2-3「分子建築学を基軸とする超分子型高機能材料の創成」
概要:最新の精密合成技術を駆使すれば、どんな有機化合物も合成できる時代となった。しかしながら、複雑な構造を有する有機化合物を多段階で合成すれば、高機能化は図れるが、コスト高となることは避けられない。そこで我々は分子建築学を基軸とする超分子化合物の合成を行い、これらを一分子、数分子、或いはごく微量用いた高機能性材料の創成研究を行っている。本講演会では、単分子エレクトロニクス材料、ナノスケールの高分子デバイス材料、超分子型触媒、高分子架橋剤として、超分子構造を有するロタキサンやカテナン分子を用いた高機能性材料の開発に関する最新の研究成果を中心に紹介する。

(1) 有機フッ素化学の原理と応用について説明できる

(2) 有機化学・超分子化学に立脚した分子建築学の概要と応用について説明できる。

準備学修(事前学修・復習)等についての指示

教科書

指定なし

参考書、講義資料等

なし

成績評価の方法及び基準

全授業出席を原則とし、毎回の授業で出席確認をする。成績評価はレポートにより行う。ただし、用務などでやむを得ない事情がある場合には、下記連絡教員への相談を受け付ける。

関連する科目

  • CAP.T411 : 分子創成要論第一
  • CAP.A424 : 有機合成化学特論第二
  • CAP.A481 : 応用化学機器分析特論
  • CAP.T412 : 分子創成要論第二
  • CAP.A521 : 有機分子設計特論第一
  • CAP.I533 : 有機合成戦略特論

履修の条件・注意事項

履修の条件は設けない。

その他

講義実施予定日
第一回:11/18 (火):10:45-17:05(対面:すずかけ台、ハイフレックス:大岡山)
第二回:12/15(月):10:45-17:05(対面:大岡山、ハイフレックス:すずかけ台)