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2025年度 (最新) 学院等開講科目 物質理工学院 応用化学系

応用化学実験第一

開講元
応用化学系
担当教員
中嶋 健 / 青木 才子 / 澤田 敏樹 / 安藤 慎治 / 梁 暁斌 / 伊藤 繁和 / 中島 裕美子 / 下山 裕介 / 中薗 和子 / 吉松 公平 / 竹原 陵介 / 吉田 将隆 / 秦 裕樹 / 本間 千裕 / 黒川 成貴 / 奥山 浩人 / 劉 浩男 / 久野 恭平 / 福井 智也 / 藤﨑 寛人 / 織田 耕彦 / 宮地 輝光
授業形態
実験等 (対面型)
メディア利用科目
-
曜日・時限
(講義室)
木5-8 (大岡山西4号館実験室, M-157(H1102)) / 金5-8 (大岡山西4号館実験室, M-157(H1102))
クラス
-
科目コード
CAP.F205
単位数
004
開講時期
2025年度
開講クォーター
1~2Q
シラバス更新日
2025年3月25日
使用言語
日本語

シラバス

授業の目的(ねらい)、概要

[実験の概要]  本実験では応用化学系の学生を対象として、化学実験を行う実験者が身につけておくべき基本的な知識・技術、実験データの取り扱い、実験報告書のまとめ方について学ぶ。最初に安全教育の講義と実験操作の練習を目的とした実習を行い、その後5つの実験テーマに取り組む。これらのテーマは、応用化学系教育において重要な基礎概念について学べるよう、物理化学、分析化学、有機化学、高分子化学に関する内容で構成される。それぞれの実験テーマを通して関連する概念の他、基本操作および実験結果の取り扱い方を教授する。「1. 分光学の基礎」では、代表的な分光法についてその原理とデータ解析方法および結果の解釈を学ぶ。「2. 重縮合による高分子合成」では、三種類の汎用高分子の合成を行って重合反応について学び、汎用高分子の構造と諸物性の関係から高分子の特性について理解する。また「3. 相分離」では、二液混合溶液および高分子溶液の光透過性測定による相分離現象の観測と相図の作成を行って相分離について学ぶ。「4. 有機ハロゲン化物の化学:求核置換反応とラジカル反応」では、ハロゲン化アルキルの求核置換反応とラジカル反応を通して有機反応の基本を学ぶ。「5. 溶液の熱力学的取り扱い」では、固液平衡と凝固点降下について学ぶ。また、実験レポートの書き方についても講述する。

[実験のねらい] 化学の基礎概念を理解するには、実際に実験や測定を行って得られた結果を適切に処理し、深く考察することが必須である。そのためにも、安全かつ正しい操作で確実に実験を遂行する能力が求められる。本実験では、本格的な化学実験に先立ち、基本操作、基礎知識、実験レポートの書き方を講述する。その後5つの実験を通して実験原理を理解し、確実に実験を行う術を身につけ、実験レポートの作成により思考力を養う。

到達目標

本実験を履修することによって、
(1) 基礎的な実験操作を各テーマの実験目的に応じて適用できる。
(2) 実験の手順や結果、および考察について一般的な実験レポートの形にまとめることができる。
(3) 各テーマに関係した基本概念や測定原理およびその応用について説明できる。
(4) 実験に関する系統的な知識を習得し、安全で生産的な化学実験計画を立案できる。

キーワード

(化学実験の基礎知識)化学物質の取扱い、化学実験の基本操作、実験データおよび数値の取扱い、実験ノートおよびレポートの書き方
(テーマ1-1:分光学の基礎)分光学的方法、振動回転スペクトル、赤外吸収スペクトル、原子スペクトル、発光スペクトル
(テーマ1-2:重縮合による高分子合成)環化重付加、界面重縮合、電解重合、赤外吸収スペクトル、導電性高分子、スーパーエンジニアリングプラスチック
(テーマ1-3:相分離)相律と相図、相分離、相平衡
(テーマ1-4:有機ハロゲン化物の化学:求核置換反応とラジカル反応)ハロゲン化アルキル、求核置換反応、ラジカル反応、クロマトグラフィー
(テーマ1-5:溶液の熱力学的取り扱い)固液平衡、凝固点測定

学生が身につける力

  • 専門力
  • 教養力
  • コミュニケーション力
  • 展開力 (探究力又は設定力)
  • 展開力 (実践力又は解決力)

授業の進め方

本実験では、第1回のガイダンスで実験の概要について説明を行い、第2回では実験の安全・準備・報告書作成に関する講義を行います。その後、グループに分かれて「化学実験の基礎知識」の実験を通して基本操作を学び、その後5つの実験テーマ( 1-1. 分光学の基礎、1-2. 重縮合による高分子合成、1-3. 相分離、1-4. 有機ハロゲン化物の化学:求核置換反応とラジカル反応、1-5.溶液の熱力学的取り扱い)の実験をグループ分けに従って順番に受講します。最終回に、理解度確認のための演習と解説を実施します。

授業計画・課題

授業計画 課題
第1回 ガイダンス(履修準備、受講方法の説明) 本実験講義を履修する上で準備すべきもの、受講上の注意、受講するテーマの概要を説明できる。
第2回 化学実験の基礎①(化学安全教育と実験準備・報告書のまとめ方) 実験の概要と基本操作を理解し、実験計画を立案することができる。実験レポートを標準的な書き方で作成することができる。化学実験を行う上で心得ておくべき基本事項および薬品等の取り扱いを理解し、安全に実験が行える。
第3回 化学実験の基礎②(分析実験の基礎) 容量器の精度について理解し、目的に合わせて溶液調製を正しい方法で行える。
第4回 化学実験の基礎③(分離精製操作の基礎) 複数の化合物の混合物から、特定の化合物を分離精製するための実験操作を正しく行うことができる。
第5回 化学実験の基礎④(化学反応の基本操作) 精密天秤を用いて精確に物質を計量できる。反応を伴う実験の実験操作の意味を理解して正しく行える。
第6回 1-1.分光学の基礎①:2原子分子の振動回転スペクトル 2原子分子の振動回転スペクトルと分子構造の関係を説明できる。
第7回 1-1.分光学の基礎②:赤外吸収スペクトル測定 ハロゲン化水素、一酸化炭素などの振動回転スペクトルの測定と、分子の結合距離、バネ定数の計算ができる。
第8回 1-1.分光学の基礎③:水素原子スペクトル 水素原子の発光スペクトルとその量子状態の関係を説明できる。
第9回 1-1.分光学の基礎④:水素原子の発光スペクトル測定 水素放電管によって水素原子の発光スペクトルの測定し、水素原子の量子状態を決定できる。
第10回 1-2.重縮合による高分子合成①:ポリアミド酸の合成 重縮合の手法が習得できる。
第11回 1-2.重縮合による高分子合成②:ポリアミド酸の特性解析とナイロン-6,10の合成 FT-IRによる高分子の特性付けが習得できる。 界面重縮合の手法が習得ができる。
第12回 1-2.重縮合による高分子合成③:ポリアミド酸からのポリピロメリイミドの合成と各ポリマーの特性解析, 熱安定性試験 重縮合、高分子の熱安定性測定法を習得できる。
第13回 1-2.重縮合による高分子合成④:電解重合によるポリピロールの合成と特性評価 電解重合法および高分子フィルムの電気伝導度の測定とFT-IRによる特性評価が習得できる。
第14回 実験レポートの添削指導 実験報告の目的を理解し、必要な項目を含む実験レポートを作成できる。
第15回 1-3.相分離①:Gibbsの相律と相図 Gibbsの相律と相図、特に、液体二成分系の相図について説明できる。
第16回 1-3.相分離②:トリエチルアミン-水系の相分離現象の測定 液体二成分系であるトリエチルアミンーみず混合系の相分離現象を評価できる。
第17回 1-3.相分離③:高分子溶液の性質と相平衡 高分子溶液の性質と相平衡、特に、高分子-水系の相平衡について説明できる。
第18回 1-3.相分離④:ポリマー水溶液の相分離現象の測定 高分子ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)-水系の相分離現象を評価できる。
第19回 1-4.有機ハロゲン化物の化学:求核置換反応とラジカル反応①:ブチルアルコールの臭素化(反応) アルコールのハロゲン化反応と水蒸気蒸留の操作を習得できる。
第20回 1-4.有機ハロゲン化物の化学:求核置換反応とラジカル反応②:ブチルアルコールの臭素化(精製) 有機ハロゲン化物の蒸留操作とガスクロマトグラフィー分析を習得できる。
第21回 1-4.有機ハロゲン化物の化学:求核置換反応とラジカル反応③:1-クロロブタンのラジカル塩素化 アルカンのラジカル塩素化反応と抽出操作を習得できる。
第22回 1-4.有機ハロゲン化物の化学:求核置換反応とラジカル反応④:ラジカル塩素化生成物の分析 ガスクロマトグラフィーにより反応生成物中の化学種の組成分析を行なった結果から反応機構を考察できる。
第23回 1-5.溶液の熱力学的取り扱い①:固液平衡の理論 熱力学関係式を用いた固液平衡の理論について説明できる。
第24回 1-5.溶液の熱力学的取り扱い②:純溶媒(シクロヘキサン)の凝固点測定 純溶媒の凝固点の測定原理・測定法を説明できる。
第25回 1-5.溶液の熱力学的取り扱い③:凝固点測定データの解析 冷却曲線データを用いて純溶媒と混合系の凝固点を決定できる。
第26回 1-5.溶液の熱力学的取り扱い④:未知試料の凝固点の測定による分子量の推定 混合溶液の凝固点測定データをもとに、溶液中の未知試料を推定できる。
第27回 まとめ理解度確認のための演習と解説 演習により総合的な理解度を高め,到達度を自己評価する。

準備学修(事前学修・復習)等についての指示

学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね50分を目安に行うこと。

教科書

テキスト『応用化学実験第一 2025年度』東京科学大学物質理工学院応用化学系 応用化学実験委員会編 は生協で販売する。

参考書、講義資料等

化学同人編集部 編、「続 実験を安全に行うために-基本操作・基本測定 編- 第4版」(化学同人)ISBN-13: 978-4759818345

成績評価の方法及び基準

全出席および全実験履修(レポート等の課題も全て提出)が原則.予習状況を含む実験の取り組み態度,実験レポート提出状況と採点結果により成績を評価する.欠席・遅刻や提出遅れを繰り返した場合は不合格とすることがある.

関連する科目

  • CAP.H201 : 物理化学1(熱力学)
  • CAP.H202 : 物理化学2(化学平衡)
  • CAP.H205 : 量子化学1(量子力学)
  • CAP.O303 : 機器分析B(有機分子スペクトル解析)
  • CAP.O202 : 有機化学第2(C-X)
  • CAP.Y201 : 高分子化学基礎
  • CAP.Y202 : 高分子合成1(逐次重合)
  • CAP.F206 : 応用化学実験第二

履修の条件・注意事項

物質理工学院応用化学系の所属学生であること。または、応用化学実験委員会が別途、指定した条件を満たしていること。
また本科目は、応用化学実験第三 および 応用化学実験第四 の「履修前提科目」である。