2025年度 (最新) 学院等開講科目 物質理工学院 応用化学系
計算材料化学
- 開講元
- 応用化学系
- 担当教員
- MANZHOS SERGEI / 安藤 康伸
- 授業形態
- 講義 (対面型)
- メディア利用科目
- -
- 曜日・時限
(講義室) - 火3-4 (W9-327(W936))
- クラス
- -
- 科目コード
- CAP.N306
- 単位数
- 100
- 開講時期
- 2025年度
- 開講クォーター
- 4Q
- シラバス更新日
- 2025年9月30日
- 使用言語
- 日本語
シラバス
授業の目的(ねらい)、概要
計算モデルは、機械的特性、光学的特性、電子/イオン輸送など、物質の特性や物理現象のメカニズムを理解する上で重要な役割を果たしています。さらに太陽電池からジェットエンジンに及ぶ様々な機能性材料の予測/事前スクリーニングにおいても重要性が増しています。計算材料化学は、原子配列や電子構造の結果として発現する、大半の光学特性や化学反応など、特性や現象のモデリングについて取り扱う学問です。本講義では計算化学手法の基礎と、計算化学手法を物質のモデリングへと適用する手法を学びます。
到達目標
本講義を履修することで、以下の能力を習得します。
1)原子論的な物質の形成から物質の構造と特性の関係を理解できる。
2)第一原理的に材料の構造と特性を計算する原理と手法を理解できる。
3) 密度汎関数理論 (density functional theory, DFT) の基礎とそれらの応用範囲を理解できる。DFTで材料の特性の計算又はDFTで得られるメカニズム的な洞察について理解できる。
キーワード
第一原理計算、密度汎関数理論、機能性材料、材料物性
学生が身につける力
- 専門力
- 教養力
- コミュニケーション力
- 展開力 (探究力又は設定力)
- 展開力 (実践力又は解決力)
授業の進め方
講義、教員による計算の実演、対話型クイズ
授業計画・課題
授業計画 | 課題 | |
---|---|---|
第1回 | 計算化学、計算材料科学の基礎 |
計算化学、計算材料科学の基本を説明できる。 |
第2回 | 材料計算に必要な固体物理の基礎知識 (1) 「結晶の並進対称性:固体物理学における一般的な概念」 |
材料計算を行い結果を理解する上で必要不可欠な固体物理の基礎を説明できる。特に結晶構造の記述と逆格子について説明できる。 |
第3回 | 材料計算に必要な固体物理の基礎知識 (2) 「結晶中の電子波」 |
材料計算を行い結果を理解する上で必要不可欠な固体物理の基礎を説明できる。特に状態密度, 二次元や三次元の結晶のバンド構造やフェルミ面について説明できる。 |
第4回 | 材料計算に必要な固体物理の基礎知識 (3) 「周期的媒質中の弾性波伝搬,フォノン,結晶の熱的性質」 |
材料計算を行い結果を理解する上で必要不可欠な固体物理の基礎を説明できる。特に結晶中を伝搬する弾性波やフォノンについて説明できる。 |
第5回 | 密度汎関数理論(DFT)法の原理 |
密度汎関数理論(DFT)法の原理と重要な方程式、およびそれらを解くために使用されるアプローチ説明できる。 |
第6回 | 固体材料ための密度汎関数理論の計算 |
実際のアプリケーション例を用いた固体材料と界面の構造と特性のDFTシミュレーション又はDFTで得られるメカニズム的な洞察について説明できる。 |
第7回 | 大規模な計算手法とデータ駆動型の材料シミュレーション |
DFTB や Orbital-free DFT などの大規模手法の簡単な紹介、材料インフォマティクスの基礎、材料特の予測、計算手法の改善ためデータ駆動型手法の導入について理解できる。 |
準備学修(事前学修・復習)等についての指示
学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する 予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。
教科書
D.S.ショール 「密度汎関数理論入門: 理論とその応用 単行本 –」吉岡書店 ISBN-13 978-4842703657
常田 貴夫 (著) 「密度汎関数法の基礎 (KS物理専門書) 単行本」講談社 ISBN-13 978-4061532809
長岡 正隆 「すぐできる分子シミュレーションビギナーズマニュアル」講談社 ISBN-13 978-4061543560
参考書、講義資料等
D.S.ショール 「密度汎関数理論入門: 理論とその応用 単行本 –」吉岡書店 ISBN-13 978-4842703657
常田 貴夫 (著) 「密度汎関数法の基礎 (KS物理専門書) 単行本」講談社 ISBN-13 978-4061532809
成績評価の方法及び基準
コンピューター演習の要素を含む小テスト: 50%
最終試験:50%。
関連する科目
- CAP.O304 : 計算分子化学(構造有機化学)
履修の条件・注意事項
特になし
連絡先 (メール、電話番号) ※”[at]”を”@”(半角)に変換してください。
Sergei Mazhos: 電話番号: 03-5734-3918, E-mail: manzhos.s.aa[at]m.titech.ac.jp *Contact by e-mail is recommended.
安藤 康伸: 電話番号: 045-924-5428, E-mail: yasunobu.ando[at]cls.iir.isct.ac.jp *メールによる連絡を推奨する。
オフィスアワー
Sergei Mazhos: 平日(要事前連絡)
安藤 康伸: 平日(要事前連絡)