2025年度 (最新) 学院等開講科目 工学院 情報通信系 情報通信コース
アナログ集積回路設計
- 開講元
- 情報通信コース
- 担当教員
- ISLAM A K M MAHFUZUL
- 授業形態
- 講義
- メディア利用科目
- -
- 曜日・時限
(講義室) - クラス
- -
- 科目コード
- ICT.I420
- 単位数
- 200
- 開講時期
- 2025年度
- 開講クォーター
- 4Q
- シラバス更新日
- 2025年10月21日
- 使用言語
- 英語
シラバス
授業の目的(ねらい)、概要
本講義では、CMOS 技術を用いたアナログ集積回路(IC)の解析および設計について、体系的かつ包括的に学びます。
受講者は、半導体デバイスのモデリング、シングルエンドおよび差動増幅器、周波数応答、フィードバック、安定性、ノイズ解析などの基礎概念を習得します。
さらに、体系的な設計原理と実践的な設計手法を組み合わせ、SPICE シミュレータを用いたシミュレーションや実習を通じて、実践的な設計能力を養成します。
到達目標
この講義を修了する頃には、受講者は以下の能力を身につけていることが期待されます。
アナログICの基本概念の理解
・増幅器や差動ペアに対して小信号モデルを適用できる。
主要なアナログ回路ブロックの設計
・増幅器、電流ミラー、オペアンプ(Op-Amp)を設計・最適化できる。
フィードバックシステムの解析
・アナログ回路における極(ポール)、零点(ゼロ)、帯域幅を解析できる。
・フィードバック理論を適用し、増幅器の安定化および性能向上を図ることができる。
設計ツールの活用
・オペアンプや基準電圧回路(リファレンス電圧源)を設計できる。
・SPICEシミュレーションを用いて回路性能を検証できる。
キーワード
CMOS, アナログ回路, 集積回路 (IC), 増幅器, オペアンプ, ノイズ, フィードバック, 安定性, 補償, SPICE, 周波数応答, ステップ応答
学生が身につける力
- 専門力
- 教養力
- コミュニケーション力
- 展開力 (探究力又は設定力)
- 展開力 (実践力又は解決力)
授業の進め方
アナログ集積回路設計の各工程で必要となる基本解析手法,設計手法および最適化手法を解説しながら、これらの手法の理解を深めていく.授業中に一緒に問題を解き,さらに課題を通して理解度を確認していく.
授業計画・課題
| 授業計画 | 課題 | |
|---|---|---|
| 第1回 | CMOS技術とMOSトランジスタ |
CMOS技術とMOSトランジスタの動作原理について理解する |
| 第2回 | MOSトランジスタのキャラクタライズおよび基本性能の評価 |
MOSトランジスタの基本性能を理解する. |
| 第3回 | gm/IDに基づいた設計方法 |
gmとIDを参照し,各種設計パラメータの決定手法を理解する |
| 第4回 | バンド幅予測手法 |
等価回路を用いてバンド幅を予測する手法を理解する. |
| 第5回 | シングルエンド増幅器,小信号等価モデル,周波数応答 |
シングルエンド増幅器の各種トポロジーと動作原理を理解する. |
| 第6回 | カスコードと差動増幅回路およびカレントミラー |
カスコードトポロジーと差動増幅回路の動作原理を理解し,カレントミラーの応用方法を理解する |
| 第7回 | プロセス,電圧と温度ばらつきとその影響 |
トランジスタ特性ばらつきのメカニズムおよびその影響について理解する |
| 第8回 | 電源電圧に依存しないバイアス手法と参照電圧生成手法 |
回路のバイアス点を実現する方法を理解し,参照電圧の生成手法を理解する |
| 第9回 | 電気ノイズ |
電気電子部品が発するノイズのメカニズムと周波数特性について理解する |
| 第10回 | フィードバックと安定性 |
フィードバック手法と安定性解析手法を理解する |
| 第11回 | 2段オペアンプ |
2段オペアンプの設計手法を理解する |
| 第12回 | オペアンプの設計と解析 |
オペアンプを実際に設計し,解析を通して設計方法を学習する |
| 第13回 | 補償による安定性向上 |
安定性向上の手段として補償技術を理解する |
| 第14回 | シミュレーションと最適化 |
シミュレーションおよび最適化を通して全体の理解を深める |
準備学修(事前学修・復習)等についての指示
学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する 予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。
教科書
特定の教科書は使わない.授業中に資料を配布ズル.さらに,シミュレーション用のサンプルプログラムも配布する.
参考書、講義資料等
特になし
成績評価の方法及び基準
課題(30%)と期末レポート(70%)にて評価する.
関連する科目
- ICT.I203 : 交流回路
- ICT.I207 : 線形回路
- ICT.I312 : 線形電子回路
履修の条件・注意事項
特になし