2025年度 (最新) 学院等開講科目 工学院 経営工学系
ミクロ経済学第二
- 開講元
- 経営工学系
- 担当教員
- 大和 毅彦
- 授業形態
- 講義
- メディア利用科目
- -
- 曜日・時限
(講義室) - クラス
- -
- 科目コード
- IEE.B202
- 単位数
- 200
- 開講時期
- 2025年度
- 開講クォーター
- 4Q
- シラバス更新日
- 2025年3月19日
- 使用言語
- 日本語
シラバス
授業の目的(ねらい)、概要
ミクロ経済学第二では、まず、市場価格メカニズムの有効性を明らかにし、次に、市場の限界について考察します。本講義で扱うトピックスは、一般均衡分析、交換経済、パレート効率性、競争市場均衡、外部性問題、ピグー税、コースの定理、共有地の悲劇、公共財供給におけるただ乗り問題、自発的支払メカニズム、リンダール均衡、需要表明メカニズムなどです。
ミクロ経済学第一に引き続き、ミクロ経済学の基本的な考え方を受講者が理解し、さまざな経済・経営状況に広く適用可能なミクロ経済学の分析手法の基礎を身に付けられるようになることが授業の目的です。この授業で学ぶ分析手法は市場メカニズムの分析だけではなく、さまざまなタイプの経済システムにも適用可能で、経済学や経営工学に関する他の講義でも有用です。
また、経済理論に基づく予測の精度を検証する手法として重要視されている実験的な手法を教授します。はじめに,ミクロ経済学に関する経済実験を行い,次に経済学に基づく理論予測を講義します。最後に,理論予測と実験結果の比較を行います。
経済学においては,すべての人間は合理的でかつ利己的な「経済人」であるとの想定の下で,経済現象の分析を行っています。しかし現実の人間は,経済学が想定するほど合理的でも利己的でもないかもしれません。例えば,多くの人々は裕福な暮らしをしている人を妬んだり,悲惨な境遇にある人を同情したりします。一方で,「経済人」はそのような感情とは無縁の存在で,自分の利益のみを追求しています。
「経済人」と現実の人間との間には上記のような相違があるため,経済学による理論予測と現実の経済現象との間に大きな隔たりが生じる可能性があります。その隔たりを把握するため,実験的なアプローチは必要不可欠なものとして求められています。本講義では,経済実験を通じて経済理論と現実とを見比べる視座を養うことも行います。
到達目標
本講義を履修することによって次の能力を修得する。
1)交換経済の競争市場均衡を分析できる。
2)厚生経済学の基本定理を説明できる。
3)交換経済のコアと公平な配分を説明できる。
4)外部性問題、ピグー税、コースの定理、共有地の悲劇を説明できる。
5)ただ乗り問題と自発的支払メカニズムを説明できる。
6)リンダール均衡と需要表明メカニズムを説明できる。
キーワード
一般均衡分析、交換経済、パレート効率性、競争市場均衡、外部性、ピグー税、コースの定理、共有地の悲劇、公共財供給、実験経済学
学生が身につける力
- 専門力
- 教養力
- コミュニケーション力
- 展開力 (探究力又は設定力)
- 展開力 (実践力又は解決力)
授業の進め方
毎回の講義の前半で,復習を兼ねて前回の演習問題の解答を解説します。講義の後半で,その日の教授内容に関する演習問題に取り組んでもらいます。各回の学習目標をよく読み,課題を予習・復習で行って下さい。
授業計画・課題
授業計画 | 課題 | |
---|---|---|
第1回 | ミクロ経済学の分析手法:部分均衡分析と一般均衡分析 | 部分均衡分析と一般均衡分析を説明できる。 |
第2回 | 交換経済 A.エッジワース・ボックス | 交換経済をエッジワース・ボックスを用いて説明できる。 |
第3回 | 交換経済 B.個人合理的な配分 C.パレート効率な配分 | 個人合理的な配分とパレート効率な配分を説明できる。 |
第4回 | 交換経済 D.競争市場均衡 | 交換経済における競争市場均衡を図を用いて分析できる。 |
第5回 | 交換経済 E.厚生経済学の基本定理 | 厚生経済学の基本定理を説明できる。 |
第6回 | 交換経済 F.公平な配分 | 交換経済における公平な配分を図を用いて分析できる。 |
第7回 | 外部性 A. 外部性問題 B.ピグー税 | 外部性問題を説明し、ピグー税を導出できる。 |
第8回 | 外部性 C. コースの定理と取引費用 | コースの定理と取引費用を説明できる。 |
第9回 | 外部性 D.共有地の悲劇 | 共有地の悲劇を説明できる。 |
第10回 | 公共財 A. 公共財供給実験 | 公共財供給実験のレポートを作成する。 |
第11回 | 公共財 B.公共財の定義と最適供給 | 私的財と公共財の定義を説明できる。公共財の最適供給条件を求めることができる。 |
第12回 | 公共財 C.ただ乗り問題と自発的支払メカニズム | ただ乗り問題と自発的支払メカニズムについて分析できる |
第13回 | 公共財 D.パレート効率性とリンダール均衡 | パレート効率性とリンダール均衡に説明できる。 |
第14回 | 公共財 E.需要表明メカニズム | 需要表明メカニズムを分析できる。 |
準備学修(事前学修・復習)等についての指示
学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。
教科書
特定のテキストは使わず、T2SCHOLAで公開されている講義資料を用いて説明します。各自ダウンロードし,講義に持参して下さい。
参考書、講義資料等
西村和雄 「ミクロ経済学入門」(岩波書店,1995年)
石井・西條・塩沢 「入門・ミクロ経済学」 (有斐閣、1995年)2006年
成績評価の方法及び基準
交換経済、競争市場均衡の最適性、外部性問題、公共財供給に関する考え方,計算法及びそれらの応用に関する理解度を評価します。宿題、レポート、試験で成績を評価します。
関連する科目
- IEE.B204 : マクロ経済学第二
- IEE.B206 : 実験経済学
- IEE.B331 : 応用ミクロ経済学
- IEE.B337 : 数理経済学
- IEE.B302 : 協力ゲーム理論
履修の条件・注意事項
ミクロ経済学第一、非協力ゲーム理論を履修済みか、同等の知識があることが望ましい。