トップページへ

2025年度 (最新) 学院等開講科目 工学院 電気電子系

電気電子材料

開講元
電気電子系
担当教員
飯野 裕明 / 田口 大
授業形態
講義 (対面型)
メディア利用科目
-
曜日・時限
(講義室)
月1-2 (S2-203(S222)) / 木1-2 (S2-203(S222))
クラス
-
科目コード
EEE.D301
単位数
200
開講時期
2025年度
開講クォーター
1Q
シラバス更新日
2025年3月19日
使用言語
日本語

シラバス

授業の目的(ねらい)、概要

【講義の概要】
本講義では,誘電体及び磁性体の基礎を物質の誘電性と磁性に関するマクロ理論とミクロ理論から学ぶ.分極および磁化がどのような現象であるかを学び,それらに関して種々の特徴的な物性を理解し,それらに関連の材料とその応用についての理解を深める.
【講義のねらい】
現在のエレクトロニクスや電気工学では,誘電体及び磁性体が様々な場面で利用されている.本講義では物質の誘電性と磁性に関して理論から学ぶことで,分極および磁化がどのような現象であるかを知り,実際の誘電体材料,磁性体材料についてその物質と物性の関係を理解できるようになることが望ましい.

到達目標

本講義を履修することによって次の能力を修得する.
1)エレクトロニクスや電気工学で必要となる物質の誘電性・磁性とは何かを端的に説明できる.
2)分極とは何かを理解し,誘電分散,複素誘電率,誘電体・絶縁体を流れる電気伝導機構や強誘電性などを説明できる.
3)磁性の起源を理解し,磁化や磁気モーメント,スピン,反磁性,常磁性,強磁性などの説明ができる.

キーワード

誘電体材料とその物性評価,誘電分極,気体・固体の誘電率,誘電分極の周波数特性と複素誘電率,強誘電体と相転移,磁性材料とその応用,磁化と磁気モーメント,スピン,反磁性・常磁性・強磁性

学生が身につける力

  • 専門力
  • 教養力
  • コミュニケーション力
  • 展開力 (探究力又は設定力)
  • 展開力 (実践力又は解決力)
  • ・電気電子分野の応用専門力

授業の進め方

講義の中で,その日の講義内容に関する演習も行います.各回の学習目標をよく読み,課題の予習・復習を行って下さい.

授業計画・課題

授業計画 課題
第1回

物質の分極と双極子

双極子と分極,比誘電率の関係の理解

第2回

分極の種類-電子分極、双極子分極-

永久双極子と誘起双極子の違いの理解
電子分極率と配向分極率の導出

第3回

分極率と誘電率

ローレンツの内部電界の理解,クラジウス-モソッティの式の導出

第4回

分極の形成過程

複素誘電率と誘電正接(tanδ)の理解

第5回

誘電分散

電子分極と双極子分極の応答挙動の理解

第6回

誘電体の緩和時間評価、強誘電体

熱刺激電流測定法、自発分極の理解

第7回

固体誘電体の電気伝導

空間電荷制限電流の導出、ショットキー注入の導出

第8回

理解度確認テスト

第1回~第7回までの内容の理解度確認

第9回

磁性の基礎 -磁化と磁気モーメント-

磁化・磁気モーメントの巨視的理解

第10回

磁性の基礎 -原子内部の磁気モーメント(1)-

電子の波動性からの理解

第11回

磁性の基礎 -原子内部の磁気モーメント(2)-

量子論での考え方

第12回

磁性材料の分類 -反磁性-

反磁性と超伝導体の関係の理解

第13回

磁性材料の分類 -常磁性-

常磁性体の磁化率の温度依存性の理解

第14回

磁性材料の分類 -強磁性-

強磁性体の磁化曲線の理解

準備学修(事前学修・復習)等についての指示

学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。

教科書

岩本光正著『電気電子物性』オーム社, ISBN 978-4-274-21096-9

参考書、講義資料等

講義資料はT2SCHOLAにて掲載
岩本光正編著『電気電子材料工学』オーム社, ISBN 4-274-13307-9

成績評価の方法及び基準

到達目標に記載の誘電体及び磁性体に関する基礎的な内容の理解度について、
演習(前半)(10%)、理解度確認テスト(40%)、演習(後半)(10%)、期末試験(40%)により成績を評価する.

関連する科目

  • EEE.D211 : 半導体物性
  • EEE.D311 : 電子材料科学
  • EEE.D201 : 量子力学
  • EEE.D351 : 電子デバイス第一
  • EEE.D352 : 電子デバイス第二
  • EEE.D371 : 記憶デバイス

履修の条件・注意事項

電磁気学第1,電磁気学第2を履修していること,または同等の知識があること.