2025年度 (最新) 学院等開講科目 理学院 物理学系 物理学コース
光と物質 III
- 開講元
- 物理学コース
- 担当教員
- 納富 雅也
- 授業形態
- 講義 (対面型)
- メディア利用科目
- -
- 曜日・時限
(講義室) - 火3-4 (M-155(H1104))
- クラス
- -
- 科目コード
- PHY.C448
- 単位数
- 100
- 開講時期
- 2025年度
- 開講クォーター
- 3Q
- シラバス更新日
- 2025年10月2日
- 使用言語
- 英語
シラバス
授業の目的(ねらい)、概要
本講義「光と物質III」では、様々な固体/連続媒質中における光の振る舞いについて概説します。まず、連続一様媒質中における光の基本的な概念とその性質を整理したあと、様々な結晶(異方性結晶、磁気光学材料)、導波路、共振器、周期構造、金属、電気回路の中での光の性質について学びます。この中で、物質の光学的性質が何で決まっていて、その性能の限界が何で決まっているのかについて学び、その限界がどのように克服できる可能性があるかを考えてもらう予定です。
この講義の狙いは次の通りです。
(1)典型的な物質の光学的性質、特に光の分散、伝搬速度、光学定数、光学遷移レートに関する基本的な導出を学び、これらの基本的な光学的性質がどのような限界を持つかを学びます。
(2)上記の典型的な光学的性質が、周期構造や金属構造中では大きく変化することを学び、特にナノスケールの構造中では従来の物質の限界を破るような性質が発現することを学びます。
(3)物性や現象の物理限界を把握し、その限界を克服する手法について学びます。
到達目標
本講義を受講することによって、次の項目に関する理解を得ることをも目標とします。
(1) 様々な固体/連続媒質中における光の分散、光学遷移がどのように記述されるか
(2) 光導波路、光共振器の原理とその性質
(3) 固体/連続媒質中における光の閉じ込めの強さ、光の分散、光学遷移レートの限界がどこにあるのか
(4) 周期構造、金属構造、電気回路要素、ナノ構造によって、上記の通常物質の示す限界がどのように改変されるか
キーワード
光学、光の分散、結晶光学、磁気光学、光導波路、光共振器、金属光学、光学遷移、フォトニック結晶、プラズモニクス、メタマテリアル
学生が身につける力
- 専門力
- 教養力
- コミュニケーション力
- 展開力 (探究力又は設定力)
- 展開力 (実践力又は解決力)
授業の進め方
毎回、講義ノートを配布し、主にスライドを用いて授業を進めます。毎回、出席をとります。
授業計画・課題
授業計画 | 課題 | |
---|---|---|
第1回 | 1:物質中の光について |
・物質中の光と真空中の光はどこが異なるのか? |
第2回 | 構造中の光(共振器と導波路) |
・典型的な光共振器の原理を学ぶ |
第3回 | 結晶中の光(結晶光学と誘電率テンソル) |
・誘電率テンソルの原理と意味について学ぶ |
第4回 | 周期構造中の光 |
・周期構造におけるブラッグ反射とバンド構造の関係について学ぶ |
第5回 | 金属中の光 |
・典型的な金属中の光の分散を記述するDrudeモデルについて学ぶ |
第6回 | 電気回路と光 |
・金属回路中の電磁信号の伝播 |
第7回 | 物質中における結像と発光 |
・結像の古典限界を決めるのは何か? |
準備学修(事前学修・復習)等についての指示
学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,授業内容に関する予習と復習を行うこと。
教科書
講義ノートを配布します
参考書、講義資料等
特になし
成績評価の方法及び基準
出席、授業態度、期末試験により評価します
関連する科目
- PHY.C446 : 光と物質Ⅰ
- PHY.C447 : 光と物質Ⅱ
履修の条件・注意事項
特になし。
連絡先 (メール、電話番号) ※”[at]”を”@”(半角)に変換してください。
notomi[at]phys.sci.isct.ac.jp 03-5734-3831