2025年度 (最新) 学院等開講科目 理学院 物理学系 物理学コース
光と物質 II
- 開講元
- 物理学コース
- 担当教員
- 向山 敬
- 授業形態
- 講義 (対面型)
- メディア利用科目
- -
- 曜日・時限
(講義室) - 木3-4 (M-B45(H105))
- クラス
- -
- 科目コード
- PHY.C447
- 単位数
- 100
- 開講時期
- 2025年度
- 開講クォーター
- 2Q
- シラバス更新日
- 2025年3月19日
- 使用言語
- 英語
シラバス
授業の目的(ねらい)、概要
本講義では角運動量の量子論を分子の分光スペクトルという容易に観測出来る実験事実を通して説明する。
1) 複数の原子核と電子が構成する、少数多体系としての分子が有する運動の自由度を角運動量の視点から統一的に理解する。
2) そのために電子、振動、回転、電子スピン、核スピンの角運動量とその結合様式を量子論で扱う。
3) まずは最も簡単な2原子分子の電子・振動・回転状態の基本的事項を押さえた上で、電子スピン、核スピンを含む分子内相互作用の結果顕れる微細構造、超微細構造に分裂した固有状態について解説する。
4) 核スピン量子数まで特定された単一量子状態とコヒーレントな電磁波との相互作用を通して始めて実現できる物理実験の例を示す。
到達目標
本講義を履修することによって次の能力を修得する。
1) 分子の有する、電子、振動、回転、電子スピン、核スピン角運動量を量子論的に取り扱うことができるようにする。
2)それらの角運動量の間の相互作用を量子論的に取り扱い、分子の固有状態、固有エネルギーを取りあつかうことができるようにする。
3)その上で、紫外、赤外、マイクロ波との相互作用の結果として観測される電子、振動、回転スペクトルと
微細および超微細構造の関係を説明できるようにする。
4)物理学の基本問題を検証するために必要となる分子の単一量子状態と高精度の分光測定について理解することができる。
キーワード
分子結合、ボルンオッペンハイマー近似、分子軌道、電子励起状態、電子配置、紫外スペクトル、赤外スペクトル、マイクロ波スペクトル、スピンを含む角運動量の合成、微細構造、超微細構造、量子統計、単一量子状態
学生が身につける力
- 専門力
- 教養力
- コミュニケーション力
- 展開力 (探究力又は設定力)
- 展開力 (実践力又は解決力)
授業の進め方
講義の要点や重要な数式、グラフ、図の講義ノートを授業の始めに配布します。授業中は板書やパワーポイン画面を使用して説明していきます。
授業計画・課題
授業計画 | 課題 | |
---|---|---|
第1回 | 2原子分子の電子・振動・回転状態:1電子系 | H2+イオンのハミルトニアンと固有状態 分子結合の起源を説明する。 |
第2回 | 2原子分子の電子状態:多電子系 | 分子の電子配置とスペクトル項 |
第3回 | 多原子分子の電子、振動、回転状態 | 群論を用いて電子、振動、回転状態の対称性を理解する。 |
第4回 | 分子と電磁波の相互作用と分光スペクトル | 紫外、赤外、マイクロ波スペクトルから引き出せる情報 |
第5回 | 電子スピンを含む2原子分子のハミルトニアン | スピンが関与する相互作用と微細構造を定式化する。 |
第6回 | 電子スピンを含む2原子分子の固有状態 | 角運動量の合成, フントによる結合様式の分類 |
第7回 | 核スピン含む相互作用と単一量子状態 | 超微細構造を分離した単一量子状態を理解する。 |
準備学修(事前学修・復習)等についての指示
学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。
教科書
随時、講義資料を配付
参考書、講義資料等
Spectra of Atoms and Molecules; Bernath (Oxford) Molecular Quantum Mechanics; Atkins and Friedman (Oxford)
成績評価の方法及び基準
レポートと試験
関連する科目
- PHY.C446 : 光と物質Ⅰ
- PHY.C448 : 光と物質Ⅲ
- PHY.C449 : レーザー物理
履修の条件・注意事項
量子力学の基礎があること