2025年度 (最新) 学院等開講科目 理学院 数学系
位相幾何学
- 開講元
- 数学系
- 担当教員
- 遠藤 久顕
- 授業形態
- 講義
- メディア利用科目
- -
- 曜日・時限
(講義室) - クラス
- -
- 科目コード
- MTH.B341
- 単位数
- 200
- 開講時期
- 2025年度
- 開講クォーター
- 4Q
- シラバス更新日
- 2025年3月19日
- 使用言語
- 日本語
シラバス
授業の目的(ねらい)、概要
本講義では、ホモロジー群および基本群に関する基本事項を学ぶ。ホモロジー群と基本群は位相幾何学における最も基本的な概念であり、位相不変量の典型的な例でもある。
講義の流れとして, まずホモトピーや変位レトラクションといった概念を紹介した後、単体、単体複体、単体写像などの単体複体に関連する基本的な概念を解説する。次に、単体複体の鎖群とホモロジー群や単体写像の誘導準同型を導入し、ホモロジー群のホモトピー不変性を紹介する。最後に、位相空間の基本群を定義し、Seifert-van Kampenの定理を述べる。
到達目標
・与えられた単体の集合が単体複体であるかどうか、判定できるようになること
・単体近似定理の正確な内容と意義を理解すること
・与えられた単体複体のホモロジー群が計算できるようになること
・簡単な位相空間の基本群が計算できるようになること
キーワード
ホモトピー、変位レトラクト、単体複体、単体写像、鎖群、境界準同型、ホモロジー群、誘導準同型、Euler数、Mayer-Vietoris完全系列、ホモトピー不変性、基本群、Seifert-van Kampenの定理
学生が身につける力
- 専門力
- 教養力
- コミュニケーション力
- 展開力 (探究力又は設定力)
- 展開力 (実践力又は解決力)
授業の進め方
通常の講義形式による授業を行う。
授業計画・課題
授業計画 | 課題 | |
---|---|---|
第1回 | あらまし、積空間、商空間、ホモトピー | 講義中に指示する |
第2回 | ホモトピー同値、変位レトラクト、可縮、単体、面、重心座標 | 講義中に指示する |
第3回 | 単体複体、部分複体、多面体、単体分割、抽象単体複体 | 講義中に指示する |
第4回 | 幾何学的実現、単体写像、同型 | 講義中に指示する |
第5回 | 輪体、境界輪体、ホモロジー群、Betti数、Euler数 | 講義中に指示する |
第6回 | ホモロジー群の簡単な計算 (I)と、完全系列 | 講義中に指示する |
第7回 | 鎖写像、ホモロジー群の間の誘導準同型、関手性 | 講義中に指示する |
第8回 | 連結準同型、Mayer-Vietoris完全系列 | 講義中に指示する |
第9回 | ホモロジー群の計算例(II) | 講義中に指示する |
第10回 | ホモロジー群の応用 | 講義中に指示する |
第11回 | ホモロジー群の展開; 胞体ホモロジー、特異ホモロジー、コホモロジーなど | 講義中に指示する |
第12回 | 道、ループ、道の積、逆の道、基本群 | 講義中に指示する |
第13回 | 誘導準同型、基点の取り替え、基本群のホモトピー不変性 | 講義中に指示する |
第14回 | 群の自由積、Seifert-van Kampenの定理 | 講義中に指示する |
準備学修(事前学修・復習)等についての指示
学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。
教科書
田村一郎「トポロジー」岩波書店
(注意:購入は必須ではない)
参考書、講義資料等
中岡稔「位相幾何学 ホモロジー論」共立出版
和久井道久「代数トポロジーの基礎」近代科学社
Allen Hatcher, Algebraic Topology, Cambridge University Press
成績評価の方法及び基準
期末試験(60%)・レポート(40%)
関連する科目
- MTH.B301 : 幾何学第一
- MTH.B302 : 幾何学第二
履修の条件・注意事項
位相空間論第一(MTH.B201)、位相空間論第二(MTH.B202)、位相空間論第三(MTH.B203)、位相空間論第四(MTH.B204)、代数学概論第一(MTH.A201)、代数学概論第二(MTH.A202)、代数学概論第三(MTH.A203)、代数学概論第四(MTH.A204)を履修済みであることが望ましい。