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2025年度 (最新) 学院等開講科目 理学院 数学系

実解析第二

開講元
数学系
担当教員
利根川 吉廣
授業形態
講義/演習 (対面型)
メディア利用科目
-
曜日・時限
(講義室)
火3-6 (M-B101(H102))
クラス
-
科目コード
MTH.C306
単位数
110
開講時期
2025年度
開講クォーター
2Q
シラバス更新日
2025年3月19日
使用言語
日本語

シラバス

授業の目的(ねらい)、概要

本講義は,直前に行われる「実解析第二」に続くものである.本講義では,測度および測度による積分(Lebesgue積分)に関する,より発展的な概念と性質を扱う.まず測度の構成や拡張について学ぶ.次に,Lebesgue測度による積分とRiemann積分との関係を明らかにする.その次に,積分により定まる関数空間を導入し,その基本的な性質について学ぶ.最後に,直積空間上の(逐次)積分の測度論的な取り扱いとして,Fubiniの定理について学ぶ.
Lebesgueによって集合論の土台の上に構築された測度および積分の理論は,長さや面積,体積あるいは確率等の概念の自然な拡張とみなせる.無限が関わる操作(図形や関数に対する極限等)は,自然に理論の枠内で取り扱うことができる.本講義を通じて,Lebesgue式の積分によって理論の適用範囲がどう拡がり,それがどのような局面で有効となるのかを伝えたい.

到達目標

・測度の基本的な構成方法の概略を説明できるようになること.
・Lebesgue積分とRiemann積分の違いが説明できるようになること.
・Lebesgue積分の理論を微分積分学の問題に応用できるようになること.
・積分に関する関数不等式や関数空間を用いる考え方に馴染むこと.
・Fubiniの定理を(多)重積分・逐次積分の計算に正しく適用できるようになること.

キーワード

Hopfの拡張定理,外測度,Caratheodory可測性,Riemann積分,H\"olderの不等式,Minkowskiの不等式,Lebesgue空間,直積測度,Fubiniの定理

学生が身につける力

  • 専門力
  • 教養力
  • コミュニケーション力
  • 展開力 (探究力又は設定力)
  • 展開力 (実践力又は解決力)

授業の進め方

通常の講義形式による講義と問題演習形式の講義を交互に行う.

授業計画・課題

授業計画 課題
第1回 測度の拡張定理 講義中に指示する
第2回 第1回の講義内容に関する問題演習 講義中に指示する
第3回 外測度と測度の構成 講義中に指示する
第4回 第3回の講義内容に関する問題演習 講義中に指示する
第5回 Riemann積分とLebesgue積分の関係 講義中に指示する
第6回 第5回の講義内容に関する問題演習 講義中に指示する
第7回 L^p-空間とその完備性,基本的な関数不等式 講義中に指示する
第8回 第7回の講義内容に関する問題演習 講義中に指示する
第9回 直積測度と累次積分 講義中に指示する
第10回 第9回の講義内容に関する問題演習 講義中に指示する
第11回 Fubiniの定理とその応用 講義中に指示する
第12回 第11回の講義内容に関する問題演習 講義中に指示する
第13回 Fubiniの定理の拡張 講義中に指示する
第14回 第13回の講義内容に関する問題演習 講義中に指示する

準備学修(事前学修・復習)等についての指示

学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。

教科書

特になし.

参考書、講義資料等

ルベーグ積分の基礎,日野正訓

成績評価の方法及び基準

試験,レポートと演習時の発表.

関連する科目

  • MTH.C305 : 実解析第一
  • MTH.C201 : 解析学概論第一

履修の条件・注意事項

実解析第一を履修済みであること.
解析学概論第一,同第二,位相空間論第一,同第二を履修済みであることが望ましい.