2025年度 (最新) 学院等開講科目 理学院 数学系
応用解析序論第二
- 開講元
- 数学系
- 担当教員
- 小池 開
- 授業形態
- 講義
- メディア利用科目
- -
- 曜日・時限
(講義室) - クラス
- -
- 科目コード
- MTH.C212
- 単位数
- 100
- 開講時期
- 2025年度
- 開講クォーター
- 4Q
- シラバス更新日
- 2025年3月19日
- 使用言語
- 日本語
シラバス
授業の目的(ねらい)、概要
本講義ではまず,『応用解析序論第一』で学んだフーリエ級数の理論を,幾何学的な視点から再訪する.具体的にはフーリエ級数を関数の「正規直交基底」による展開として捉え直す.これでフーリエ級数の理論は一段落して,次に実数直線上の関数のフーリエ変換について学ぶ.これは有界区間上の関数を対象としていたフーリエ級数を実直線上の関数に拡張したものである.これにより,さらに多様な応用への道が開かれる.
本講義のねらいは,実数直線上の関数のフーリエ変換の基礎,またその典型的な応用を理解することにある.フーリエ変換の応用範囲は極めて広いが,本講義ではとくに微分方程式への応用を取り上げる.
到達目標
1)フーリエ級数の幾何学的な見方(内積,正規直交基底)を説明できるようになること.とくにパーセヴァルの定理の内容とその応用について理解すること.
2)実数直線上の関数のフーリエ変換の基本性質を理解し,いくつかの具体例を計算できるようになること.
3)フーリエの反転公式とプランシュレルの定理を理解し,応用できるようになること.
キーワード
正規直交基底,パーセヴァルの定理,実数直線上の関数のフーリエ変換,フーリエの反転公式,プランシュレルの定理
学生が身につける力
- 専門力
- 教養力
- コミュニケーション力
- 展開力 (探究力又は設定力)
- 展開力 (実践力又は解決力)
授業の進め方
講義内容の理解を確認するため,毎回提出課題を与える.
授業計画・課題
授業計画 | 課題 | |
---|---|---|
第1回 | 正規直交基底とフーリエ級数展開 | 関数同士の内積の概念を理解すること.また,フーリエ級数展開は正規直交基底による展開とみなせることを説明できるようになること. |
第2回 | フーリエ級数の平均二乗収束とパーセヴァルの定理 | フーリエ級数の幾何学的な見方を応用し,フーリエ級数の平均二乗収束について説明できるようになること.またそれに付随して得られるパーセヴァルの定理を理解し,応用できるようになること. |
第3回 | 実数直線上の関数のフーリエ変換とその基本的性質 | 実数直線上の関数のフーリエ変換の定義を述べることができ,微分との関連などの基本的な性質を証明できるようになること. |
第4回 | フーリエの反転公式 | フーリエの反転公式を理解し,それを応用できるようになること. |
第5回 | フーリエ変換と合成積 | 合成積のフーリエ変換はフーリエ変換の積になることを説明できるようになる.また,それを応用できるようになること. |
第6回 | プランシュレルの定理 | プランシュレルの定理を理解し,それを応用できるようになること. |
第7回 | フーリエ変換の応用 | 講義中に指示する. |
準備学修(事前学修・復習)等についての指示
各回の前後に予習・復習をそれぞれ概ね100分以上行うこと(提出課題への取り組みも含む).予習・復習の題材については必要に応じ,講義プリント等にてより具体的に指示する.
教科書
特になし
参考書、講義資料等
エリアス・M. スタイン,ラミ・シャカルチ『フーリエ解析入門』(訳者:新井仁之,杉本充,高木啓行,千原浩之)日本評論社(2007年):フーリエ解析に関する世界的に定評のある教科書.本講義(第3Q)と関係する箇所は主に第1−4章.理論の背景や動機に関する説明が丁寧に述べられており,また良質な問題が豊富に収録されている.
成績評価の方法及び基準
各回の講義内容の理解を毎回の提出課題と期末試験により評価する.
関連する科目
- MTH.C201 : 解析学概論第一
- MTH.C202 : 解析学概論第二
- MTH.C211 : 応用解析序論第一
- MTH.C351 : 函数解析
- MTH.C305 : 実解析第一
- MTH.C306 : 実解析第二
- MTH.C301 : 複素解析第一
- MTH.C302 : 複素解析第二
履修の条件・注意事項
『微分積分学第一・演習』,『微分積分学第二』,『微分積分学演習第二』,『解析学概論第一』,『解析学概論第二』,『応用解析序論第一』の内容を習得していることが望ましい.