2025年度 (最新) 学院等開講科目 理学院 数学系
位相空間論第二
- 開講元
- 数学系
- 担当教員
- 遠藤 久顕 / 中村 聡
- 授業形態
- 講義/演習 (対面型)
- メディア利用科目
- -
- 曜日・時限
(講義室) - 火3-8 (M-B104(H103))
- クラス
- -
- 科目コード
- MTH.B202
- 単位数
- 110
- 開講時期
- 2025年度
- 開講クォーター
- 2Q
- シラバス更新日
- 2025年3月19日
- 使用言語
- 日本語
シラバス
授業の目的(ねらい)、概要
本講義の主要なテーマは順序集合とユークリッド空間および距離空間である。順序集合に関する基本的事項を解説した後、整列集合、帰納的順序集合およびこれらの応用について学ぶ。また、ユークリッド空間に関する基本的事項を解説し、これまで慣れ親しんできた連続写像の概念が、開集合の言葉で簡潔に言い表せることを学ぶ。最後に距離空間の概念を定義し、写像の連続性がユークリッド空間の場合とまったく同様に言い換えられることをみる。隔回で講義内容に関する演習問題を行う。本講義は、1Qに開講される「位相空間論第一」に続くものである。
集合と写像は数学および周辺科学における基本言語であり、適用範囲の広い概念である。一方でこれらは抽象的な概念であり、必ずしも直感がはたらきやすいものではないため、多くの初学者にとっては理解しにくいものである。本講義では、集合と写像の基本的な性質を導くために、直感に頼ることの少ない純粋な論証を行い、数学における論理の進め方の典型例も学ぶ。
到達目標
・全順序と半順序の違いを理解すること
・整列集合の持つ特別な性質を理解すること
・ツォルンの補題のいくつかの応用を理解すること
・整列可能定理、ツォルンの補題、選択可能公理の同値性を理解すること
・ユークリッド空間と距離空間における基本的な性質を理解すること
キーワード
順序集合、全順序と半順序、整列集合、ツォルンの補題、選択公理、整列可能定理、ユークリッド空間、距離空間、連続写像
学生が身につける力
- 専門力
- 教養力
- コミュニケーション力
- 展開力 (探究力又は設定力)
- 展開力 (実践力又は解決力)
授業の進め方
通常の講義形式による講義と問題演習形式の講義を交互に行う。
授業計画・課題
授業計画 | 課題 | |
---|---|---|
第1回 | 順序関係、全順序、整列集合、整列集合に関する基本性質 | 講義中に指示する |
第2回 | 前回の講義内容に関する問題演習 | 講義中に指示する |
第3回 | 帰納的順序集合、ツォルンの補題 | 講義中に指示する |
第4回 | 前回の講義内容に関する問題演習 | 講義中に指示する |
第5回 | 整列可能定理、整列可能定理と選択公理の同値性 | 講義中に指示する |
第6回 | 前回の講義内容に関する問題演習 | 講義中に指示する |
第7回 | 順序数、濃度の比較定理 | 講義中に指示する |
第8回 | 前回の講義内容に関する問題演習 | 講義中に指示する |
第9回 | ツォルンの補題の応用例 | 講義中に指示する |
第10回 | 前回の講義内容に関する問題演習 | 講義中に指示する |
第11回 | ユークリッド空間、距離空間、開集合と閉集合 | 講義中に指示する |
第12回 | 前回の講義内容に関する問題演習 | 講義中に指示する |
第13回 | 距離空間における基本的概念 | 講義中に指示する |
第14回 | 前回の講義内容に関する問題演習 | 講義中に指示する |
第15回 | 理解度確認 | 講義中に指示する |
準備学修(事前学修・復習)等についての指示
学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。
教科書
なし
参考書、講義資料等
内田伏一「集合と位相(増補新装版)」(裳華房)
松坂和夫「集合・位相入門」(岩波書店)
遠藤久顕「集合と位相」(サイエンス社)
梅原雅顕・一木俊助「これからの集合と位相」(裳華房)
成績評価の方法及び基準
期末試験50%・演習50%
関連する科目
- MTH.B201 : 位相空間論第一
- MTH.B203 : 位相空間論第三
- MTH.B204 : 位相空間論第四
履修の条件・注意事項
位相空間論第一を履修済みであること。
微分積分学第一・演習、微分積分学第二、同演習、線形代数学第一・演習、線形代数学第二、同演習を履修済みであることが望ましい。
その他
教科書は特に指定しないが、集合と位相に関する本を一冊持っておくことを勧める。