2024年度 学院等開講科目 物質理工学院 材料系
応力・ひずみの基礎と金属の変形
- 開講元
- 材料系
- 担当教員
- 寺田 芳弘 / 尾中 晋
- 授業形態
- 講義 (対面型)
- メディア利用科目
- -
- 曜日・時限
(講義室) - 火1-2 (S2-201(S224)) / 金1-2 (S2-201(S224))
- クラス
- -
- 科目コード
- MAT.M205
- 単位数
- 200
- 開講時期
- 2024年度
- 開講クォーター
- 4Q
- シラバス更新日
- 2025年3月17日
- 使用言語
- 日本語
シラバス
授業の目的(ねらい)、概要
金属材料の加工や強度について考えるためには,ともにテンソルであるところの応力とひずみについての理解が必要になります。本講義前半では,応力とひずみの基礎と弾性的な変形における応力とひずみのあいだの関係,フック(Hooke)の法則についての講述を行います。また後半では,金属材料の塑性変形をマクロ及びミクロの観点から捉え,特に,金属の塑性変形と結晶欠陥(転位)との関係を理解し,金属材料の強化方法について講述します。
到達目標
【到達目標】 金属材料をはじめとする固体の変形を記述するために必要な応力とひずみについて,それらの基礎的な事項を理解することを本講義の前半の到達目標とします。また,後半では,実際に金属材料の塑性変形がどのように生じるのかを原子レベルから理解することを目標とします。
【テーマ】 応力とひずみは成分を持つ量であるが,それらがベクトルではなく(2階の)テンソルであること理解することは固体の変形を記述するために不可欠であり,本講義の前半のテーマと言える.後半では,塑性変形が結晶欠陥の運動と密接に結びついていることを理解した上で,金属材料の変形挙動,強化機構をテーマとします。
キーワード
応力,ひずみ,テンソル,座標変換,変位勾配,弾性変形,塑性変形,フックの法則,ヤング率,ポアソン比,体積弾性率,剛性率,弾性係数,転位,すべり変形,シュミットの法則,臨界分解せん断応力,降伏応力,耐力,引張強さ,破断ひずみ,加工硬化,強化機構,固溶強化,析出強化,分散強化,結晶粒界,ホール・ペッチ則
学生が身につける力
- 専門力
- 教養力
- コミュニケーション力
- 展開力 (探究力又は設定力)
- 展開力 (実践力又は解決力)
授業の進め方
講義のあいだに演習問題を出題します。講義,各回の学習目標をよく読み,予習,復習そして宿題を確実に行って下さい。
授業計画・課題
授業計画 | 課題 | |
---|---|---|
第1回 | 応力とひずみを学ぶ意義と金属の変形について | 金属の変形と破壊,ヤング率,降伏応力,引張強さといった応力−ひずみ曲線を特徴つける値 |
第2回 | 最も単純な場合での応力とひずみ | 円柱状試験片の引張変形,荷重−伸び曲線と応力−ひずみ曲線 |
第3回 | ベクトルである面力とテンソルである応力の定義 | 面力と応力についての理解 |
第4回 | 応力の性質 | 応力成分の対称性,面力と応力の関係,添え字を持つ変数についての総和規則 |
第5回 | 変位勾配とひずみの定義 | 変位勾配とひずみの概念についての理解 |
第6回 | 弾性係数とフック(Hooke)の法則 | テンソルとしての弾性係数,等方弾性体における弾性変形 |
第7回 | 理解度確認総合演習 | 応力とひずみの理解度とその応用力について評価 |
第8回 | 金属強度の評価 | 引張試験とクリープ試験,低温強度と高温強度 |
第9回 | 塑性変形と結晶欠陥 | 金属結晶中の欠陥,転位のすべり運動と上昇運動,金属の変形(マクロ)と転位の移動(ミクロ),オロワンの式 |
第10回 | パイエルス応力 | 理想強度,結晶中における転位のすべり,すべり面の面間隔,原子間距離 |
第11回 | すべり系(1) | 刃状転位とらせん転位,バーガーズベクトルと転位線ベクトル,結晶中における最密面と最密方向 |
第12回 | すべり系(2) | 標準投影図の活用,大円,標準ステレオ三角形 |
第13回 | 単結晶の降伏 | 多結晶と単結晶,シュミット因子,シュミットの法則と臨界分解せん断応力 |
第14回 | 理解度確認総合演習 | 金属強度の評価,塑性変形と結晶欠陥,パイエルス応力,すべり系,単結晶の降伏 |
準備学修(事前学修・復習)等についての指示
学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。
教科書
特になし(Hand-out 資料)
参考書、講義資料等
W. D. Callister, Jr: Materials Science and Engineering An Introduction, John Wiley and Sons, Inc.
金属の塑性、幸田成康監修、丸善
A. Kelly and G. W. Groves: Crystallography and Crystal Defects, Longman Group Ltd., London
成績評価の方法及び基準
応力とひずみについての考え方と計算手法,そして単結晶と多結晶の変形(強度とひずみ)に関する理解度を評価する。中間試験・期末試験(80%),演習(20%)で成績を評価する。
関連する科目
- MAT.M303 : 格子欠陥と転位
履修の条件・注意事項
特になし
その他
特になし