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2021年度 学院等開講科目 情報理工学院 数理・計算科学系

数理統計学

開講元
数理・計算科学系
担当教員
金森 敬文 / 川島 孝行
授業形態
講義/演習
メディア利用科目
-
曜日・時限
(講義室)
火3-4 (W935) / 金3-4 (W935) / 金7-8 (W935)
クラス
-
科目コード
MCS.T223
単位数
210
開講時期
2021年度
開講クォーター
3Q
シラバス更新日
2025年7月10日
使用言語
日本語

シラバス

授業の目的(ねらい)、概要

統計学はデータから有用な情報を引き出し,予測や意思決定に役立てるための方法論である.本講義では,数理統計学の推定論と検定論に関する標準的な事項を解説する.まず推定論における不偏推定とクラメール・ラオ不等式の関係や最尤推定などについて説明する.次に実用上重要な信頼区間について紹介し,その後,検定の考え方や最適な検定法について説明する.さらに,線形回帰における最小二乗法,信頼区間,検定を解説する.

到達目標

到達目標:数理統計学の標準的な基礎事項を学び,統計的諸手法の理論的基礎を理解する.
テーマ:統計学における一般論と具体的な計算を通して,観測データの背後にある確率構造を知るための方法論を学ぶ.

キーワード

不偏推定,最尤推定,クラメール・ラオの不等式,フィッシャー情報量,漸近論,信頼区間,ブートストラップ法,仮説検定,ネイマン・ピアソンの補題,線形回帰,最小二乗法,ガウス・マルコフの定理

学生が身につける力

  • 専門力
  • 教養力
  • コミュニケーション力
  • 展開力 (探究力又は設定力)
  • 展開力 (実践力又は解決力)

授業の進め方

講義と演習で授業を進める. 演習では,各自問題を解答し,レポートを解いて提出する.

授業計画・課題

授業計画 課題
第1回

ガイダンス,確率論の復習

ガイダンス,確率論の演習をおこなう

第2回

ガイダンス,演習

ガイダンス,線形代数と確率論の演習をおこなう

第3回

極限定理とデルタ法

確率変数の収束とデルタ法を学ぶ

第4回

統計的推定:不偏推定量

統計的推定における不偏推定量を理解する.分散の不偏推定量を学ぶ.

第5回

演習

前2回分の講義内容に関する演習を行う.

第6回

統計的推定:フィッシャー情報量とクラメール・ラオの不等式

不偏推定量を理解する.フィッシャー情報量とクラメール・ラオ不等式について学び,不偏推定量の推定精度を理解する.

第7回

統計的推定:最尤推定量

汎用的な統計手法である最尤推定について学ぶ.最尤推定量の計算法や統計的性質を学ぶ

第8回

演習

前2回分の講義内容に関する演習を行う.

第9回

最尤推定量の統計的性質

最尤推定量の漸近一致性,漸近正規性などの統計的性質を学ぶ

第10回

信頼区間

信頼区間の考え方と計算法を学ぶ.計算機を用いるブートストラップ信頼区間を理解する.

第11回

演習

前2回分の講義内容に関する演習を行う.

第12回

仮説検定:検定の考え方,誤り確率

検定論の考え方と基礎事項を学ぶ

第13回

仮説検定:ネイマン・ピアソンの補題

検定の最適性を特徴付けるネイマン・ピアソンの補題を学ぶ

第14回

仮説検定:尤度比検定

尤度比検定を学ぶ.尤度比検定の漸近論を理解する.

第15回

演習

前3回分の講義内容に関する演習を行う.

第16回

線形回帰と最小2乗法

回帰分析の問題設定と最小2乗法を学ぶ.

第17回

最小2乗法の統計的性質

ガウス・マルコフの定理を学び,最小2乗法の統計的性質について学ぶ.

第18回

演習

前2回分の講義内容に関する演習を行う.

第19回

線形回帰における信頼区間,仮説検定

線形回帰モデルのもとでの信頼区間の構成や検定の方法を学ぶ.

第20回

まとめ

講義の総括する.

第21回

演習

前二回分の講義内容に関する演習を行う.

準備学修(事前学修・復習)等についての指示

学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ本学の学修規程で定められた時間を目安に行う。

教科書

特になし

参考書、講義資料等

講義資料を配布する.
参考書:久保川 達也,現代数理統計学の基礎,共立出版, 2017.

成績評価の方法及び基準

レポート(50%)と期末試験(50%)

関連する科目

  • MCS.T212 : 確率論基礎
  • MCS.T332 : データ解析

履修の条件・注意事項

特に無し.ただし,「確率論基礎」の内容程度の確率論の知識があることが望ましい.