2021年度 学院等開講科目 物質理工学院 材料系
有機材料工学実験第三
- 開講元
- 材料系
- 担当教員
- 森川 淳子 / 赤坂 修一 / 芦沢 実 / 岩橋 崇 / 川本 正 / 久保山 敬一 / 宝田 亘 / 難波江 裕太 / ZAMENGO MASSIMILIANO
- 授業形態
- 実験等
- メディア利用科目
- -
- 曜日・時限
(講義室) - 火5-8 (S8-108,S8-109) / 金5-8 (S8-108,S8-109)
- クラス
- -
- 科目コード
- MAT.P352
- 単位数
- 002
- 開講時期
- 2021年度
- 開講クォーター
- 4Q
- シラバス更新日
- 2025年7月10日
- 使用言語
- 日本語
シラバス
授業の目的(ねらい)、概要
有機材料工学において、化学合成の基本操作、合成物の基礎的分析方法、物性測定における基礎的操作の理解と習得、実験で行っている原理や実験結果に現れる諸物性の内容を理解することは必須である。また、最新の研究成果を踏まえ、実際に有機材料を用いた実験を行う事により、大学教養課程より先端研究までの広範囲の実験に対応できる理解力を養うことが可能となる。個別には、ポリ-L-乳酸 (PLLA) の構造と物性、繊維の成形と構造・物性、熱分析・熱物性測定を体験し、広範囲の有機材料への理解を促進し、講義で学んだ知見の具体的内容を実験を通して自らデータを解析することで、より深い理解を得ることができる。
到達目標
【到達目標】 本実験を履修することで次の能力を修得する。
1)基本的な化学実験操作、物性測定操作の習得
2)化学反応と分析手法の理解
3)測定による物性値の意味と原理の理解
4)試料作製条件と物性値の関連の理解
5)レポートによる実験方法、実験結果の整理、実験結果に基づく考察などの考え方の理解、また、より高度な実験を行う際の基礎を習得
【テーマ】 本実験では、安全講習、有限差分法、ポリ乳酸の物性、溶融紡糸を行い、数値計算、実験、加工実習により、有機材料に関する広範囲にわたる基礎を理解し、より高度な研究に資する技術、概念形成などを行う。
キーワード
有機材料、材料工学、実験、分析手法、物性測定、数値計算
学生が身につける力
- 専門力
- 教養力
- コミュニケーション力
- 展開力 (探究力又は設定力)
- 展開力 (実践力又は解決力)
授業の進め方
本科目は班編成で進行し、各テーマを順次学んでいく。履修クォータ、履修順序の変更もある。第1、第3、第4クォータで有機材料工学実験を全て履修すれば、「有機材料工学実験第一、第二、第三」の全内容を履修することができる。レポートは期日までに提出しなければならない。なお実験内容の理解、安全やスムーズな進行のためにも事前に実験テキストをよく読んでくることが求められる。
授業計画・課題
授業計画 | 課題 | |
---|---|---|
第1回 | ポリマーの熱物性(全5回) 1: 熱伝導率と比熱容量の直接測定、熱拡散率の間接決定 | 異なる方法やセンサーで測定された諸熱物性の比較。有限差分法による数値解析と不確実性の計算。 |
第2回 | ポリマーの熱物性(2/5) | 温度変化可視化のための赤外線センサーの使用法入門、フラッシュ法と赤外線センサーを用いた熱拡散率の直接測定 |
第3回 | ポリマーの熱物性(3/5) | ポリマー材料における温度変化の時間依存性測定と1次元数値解析結果との比較 |
第4回 | ポリマーの熱物性(4/5) | 温度波を用いた熱拡散率の直接測定 |
第5回 | 結果の解析・追加実験 | これまでの実験の結果を解析し、必要であれば追加実験を行う。 |
第6回 | ポリL乳酸(PLLA)の微細構造と物性(全4回) 1: PLLAの広⾓X線回折による微細構造解析 | PLLAの示差走査熱量(DSC)測定、広角X線回折、動的粘弾性測定(DMA)を行い、それらの測定原理を理解する。また、PLLAの微細構造と熱的、力学的物性(温度、周波数依存性)との関係を考察できる。 |
第7回 | PLLAの微細構造と物性(2/4) | PLLAの広角X線回折による微細構造解析 |
第8回 | PLLAの微細構造と物性(3/4) | PLLAの粘弾性特性の温度依存性 |
第9回 | PLLAの微細構造と物性(4/4) | PLLAの粘弾性特性の周波数依存性 |
第10回 | 合成繊維の構造と物性(全5回) 1: 溶融紡糸による合成繊維の作成 | 熱可塑性高分子の溶融成形を体験する。また、様々な条件で作製された繊維の構造と物性を調べることにより、高分子材料における製造条件と構造と物性の関係を理解する。 |
第11回 | 合成繊維の構造と物性(2/5) | 合成繊維の力学物性測定 |
第12回 | 合成繊維の構造と物性(3/5) | 合成繊維の熱物性測定 |
第13回 | 合成繊維の構造と物性(4/5) | 合成繊維の構造解析 |
第14回 | 結果の解析・追加実験 | これまでの実験の結果を解析し、必要であれば追加実験を行う。 |
準備学修(事前学修・復習)等についての指示
学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね50分を目安に行うこと。
教科書
実験テキストは実験時に配布
参考書、講義資料等
実験テキストは実験時に配布
成績評価の方法及び基準
全出席および全実験履修が原則。実験レポート提出状況と採点結果により成績を評価する。遅刻や提出遅れを繰り返した場合は不合格とする。
関連する科目
- MAT.P351 : 有機材料工学実験第二
- MAT.P351 : 有機材料工学実験第二
- MAT.A250 : 材料科学実験(M, P, C)第一
- MAT.A251 : 材料科学実験(M, P, C)第二
- MAT.A252 : 材料科学実験(M, P, C)第三
履修の条件・注意事項
履修条件は特に設けないが、関連する科目を履修していることが望ましい。