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2021年度 学院等開講科目 理学院 化学系 化学コース

物理化学基礎特論

開講元
化学コース
担当教員
大島 康裕 / 山﨑 優一 / 腰原 伸也 / 北島 昌史 / 沖本 洋一 / 石内 俊一 / 西野 智昭
授業形態
講義
メディア利用科目
-
曜日・時限
(講義室)
月5-6 / 木5-6
クラス
-
科目コード
CHM.C401
単位数
200
開講時期
2021年度
開講クォーター
1Q
シラバス更新日
2025年7月10日
使用言語
英語

シラバス

授業の目的(ねらい)、概要

物理化学の基礎としての量子化学を概説し、原子・分子から分子集合系に至るまでの量子論に基づく物質観を身に着ける基盤を提供する。分子の電子状態、構造、動的性質、光との相互作用について学ぶ。さらに、分子集合系の統計的な取扱いをふまえて、分子集合系の電子状態、電子的性質、金属・半導体等の概念を学ぶ。

到達目標

物理化学の基礎としての量子化学を修得し、原子・分子から分子集合系に至るまでの量子論に基づく物質観を身につける。具体的な項目は以下の通り:分子のエネルギー構造と対応する分光学 (回転準位、振動準位、電子準位、スピン)、分子集合系のエネルギー状態、分子集合系の電子的性質、金属と半導体の特性。

キーワード

分子構造、分子分光学、分子分配関数、エネルギーバンド構造、光学特性、状態密度、フェルミエネルギー

学生が身につける力

  • 専門力
  • 教養力
  • コミュニケーション力
  • 展開力 (探究力又は設定力)
  • 展開力 (実践力又は解決力)

授業の進め方

月曜日には固体物性にかかわる講義を、木曜日には分子のエネルギーと分光学にかかわる講義を行う。

授業計画・課題

授業計画 課題
第1回 分子のエネルギー状態1:量子力学と分子分光学の基礎 光の粒子性を示す実験結果について説明することができる。 水素原子の量子数とエネルギーについて説明できる。
第2回 固体物性1:講義全体の説明、熱統計力学の基礎 分子分配関数を説明できるようになる。
第3回 分子のエネルギー状態2:光と分子の相互作用 光学遷移における双極子近似とは何かを説明できる。 アインシュタインのA定数、B定数について説明できる。
第4回 固体物性2:理想気体への統計力学の応用 理想気体の分子分配関数を説明できるようになる。
第5回 分子のエネルギー状態3:回転準位の構造とマイクロ波分光 直線分子の回転準位構造を定量的に示し、分子構造との関連を説明することができる。
第6回 固体物性3:格子の比熱 格子の比熱を説明できるようになる。
第7回 分子のエネルギー状態4:振動準位の構造と赤外分光) 分子の調和振動に関する準位構造を定量的に示し、赤外遷移の選択則を説明することができる。
第8回 固体物性4:固体の電子状態の基礎 固体物質の電子状態の特徴
第9回 分子のエネルギー状態5:電子状態と可視・紫外分光 分子の電子状態を分子軌道の概念を用いて説明し、電子状態の対称性を群論を用いて特定できる。
第10回 固体物性5:エネルギーバンド構造1 バンドモデルによって固体の電子状態を理解する
第11回 分子のエネルギー状態6:非線形分光とレーザー レーザー発振の原理について説明することができる。
第12回 固体物性6:エネルギーバンド構造2 固体の光学的特性をバンドモデルで理解する
第13回 分子のエネルギー状態7:磁気共鳴 スピン角運動量と磁場との相互作用を定量的に示し、NMR/ESRの原理を説明することができる。
第14回 固体物性7:凝縮系物質の励起状態の物理的描像 固体の光キャリアの特性をバンドモデルで理解

準備学修(事前学修・復習)等についての指示

学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。

教科書

必要に応じて資料を配布する。

参考書、講義資料等

特にない。

成績評価の方法及び基準

原子・分子・分子集合系の量子力学に関わる基本的事項の理解の程度により評価する。
授業における演習等が20%、期末試験(ないしレポート)が80%の割合である。

関連する科目

  • CHM.C532 : 量子化学特論
  • CHM.C531 : 分子化学特論

履修の条件・注意事項

量子化学の初歩的知識

連絡先 (メール、電話番号) ※”[at]”を”@”(半角)に変換してください。

大島康裕 ohshima[at]chem.titech.ac.jp
腰原伸也 koshihara.s.aa[at]m.titech.ac.jp

オフィスアワー

メールで予約すること。
大島康裕 (西4号館105B号室)
腰原伸也 (本館H118号室)