2021年度 学院等開講科目 理学院 化学系 化学コース
無機・分析化学基礎特論
- 開講元
- 化学コース
- 担当教員
- 河野 正規 / 川口 博之 / 石谷 治 / 小松 隆之 / 八島 正知 / 植草 秀裕 / 前田 和彦
- 授業形態
- 講義
- メディア利用科目
- -
- 曜日・時限
(講義室) - 月5-6 / 木5-6
- クラス
- -
- 科目コード
- CHM.B401
- 単位数
- 200
- 開講時期
- 2021年度
- 開講クォーター
- 2Q
- シラバス更新日
- 2025年7月10日
- 使用言語
- 英語
シラバス
授業の目的(ねらい)、概要
本講義では、無機化学および分析化学の基礎的な知識、概念の確認、整理を行う。固体表面への分子の吸着、固体表面の分析手法、有機金属錯体の結晶構造および光固相反応、配位化合物、金属クラスター錯体について解説する。学部で習得した無機化学および分析化学を基盤に、大学院で専門的な領域を学び、研究を行うのに必要な知識や概念を整理し、系統的に学ぶ。
到達目標
本講義を履修することによって次の能力を修得する.
1) 無機化合物の性質を説明できる
2) 有機金属錯体の構造と性質について説明できる
3) X線、電子、中性子回折による固体構造解析を理解できる
4) 配位化合物の光化学を理解できる
キーワード
光反応化学、触媒化学、配位化学、有機金属化学、結晶化学
学生が身につける力
- 専門力
- 教養力
- コミュニケーション力
- 展開力 (探究力又は設定力)
- 展開力 (実践力又は解決力)
授業の進め方
オムニバス形式で授業を行う。
授業計画・課題
授業計画 | 課題 | |
---|---|---|
第1回 | 固体表面への分子の吸着、物理吸着と化学吸着、吸着等温線、吸着平衡、被覆率、ラングミュアー型吸着 | 固体表面での吸着現象を理解し、吸着等温線を導くことができる |
第2回 | 固体表面に吸着した分子の赤外吸収スペクトル、酸点に吸着した塩基分子、金属上に吸着したCO分子 | 固体に吸着した分子の赤外吸収スペクトルから、酸点の密度や強度、金属の分散度などを推定できる |
第3回 | 昇温脱離法による表面吸着種の分析 | 昇温脱離法による固体表面吸着種の解析法の原理と特徴を具体的な事例を提示しながら説明できるようになる。 |
第4回 | X線光電子分光を用いた固体表面の分析 | X線光電子分光を用いた固体表面の分析について説明できるようになる。 |
第5回 | 電子顕微鏡を用いた固体表面の観察:X線回折,電子回折および中性子回折による固体の構造評価 | X線回折,電子回折,中性子回折などを用いた固体の構造評価を理解する |
第6回 | 有機金属錯体概論 | 有機金属錯体の性質を説明できる。 |
第7回 | 有機金属錯体の立体構造 | 有機金属錯体の分子構造を説明できる。 |
第8回 | 有機金属錯体の結晶構造 | 有機金属錯体の結晶構造を説明できる。 |
第9回 | 有機金属錯体の固相反応機構 | 固相・結晶相で起きる化学反応機構の特徴と解析法を理解する。 |
第10回 | 有機金属錯体の光固相反応 | 光照射による化学反応の反応機構と反応制御を構造の側面から理解する。 |
第11回 | 配位化合物- 金属と配位子 | 配位化合物の結合について説明できる。 |
第12回 | 配位化合物- 3d金属 | 3d金属錯体の性質について説明できる。 |
第13回 | 配位化合物- 4dおよび5d金属:光物理的化学的性質 | 配位化合物の光物理過程および光反応に関して理解する |
第14回 | 配位化合物- fブロック元素:光触媒特性 | 配位化合物の光触媒機能に関して学ぶ。 |
準備学修(事前学修・復習)等についての指示
学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。
教科書
資料を講義で配布する。
参考書、講義資料等
シュライバー「無機化学(上下)」東京化学同人
成績評価の方法及び基準
講義で学んだ無機化学の基礎的な考え方、知識について、その理解度を評価する。
配点はレポート(40%)、期末試験(60%)
関連する科目
- CHM.B201 : 無機化学第一
- CHM.B301 : 無機化学第二
- CHM.B202 : 基礎分析化学
- CHM.B332 : 光化学
- CHM.B333 : 結晶化学
- CHM.B335 : 固体化学
履修の条件・注意事項
履修の条件を設けない