2021年度 学院等開講科目 理学院 物理学系 物理学コース
光と物質 III
- 開講元
- 物理学コース
- 担当教員
- 納富 雅也
- 授業形態
- 講義
- メディア利用科目
- -
- 曜日・時限
(講義室) - 火3-4
- クラス
- -
- 科目コード
- PHY.C448
- 単位数
- 100
- 開講時期
- 2021年度
- 開講クォーター
- 3Q
- シラバス更新日
- 2025年7月10日
- 使用言語
- 英語
シラバス
授業の目的(ねらい)、概要
本講義「光と物質III」では、固体/連続媒質中での光の伝搬/遷移、光と物質の相互作用について学んでいただきます。まず、通常の一様な連続媒質の光学的性質を説明し、次にそれと対比する形で、最先端の技術で実現されるナノスケールの人工構造を持つ媒質(ナノ構造)でその光学的性質がどのように変わるかを紹介する形で授業を進めます。この授業を通して、物質の光学的性質が何で決まっていて、その性能が何で制限されているのか、ナノ構造を用いることにより、その限界がどのように克服できるのか、を学んでもらう予定です。
この講義の狙いは次の通りです。
(1)固体/連続媒質中の光の分散/伝搬速度、様々な光学定数、光学遷移レート、光非線形応答に関する基本的な導出を学び、これらの基本的な光学的性質がどこから導かれるのかを理解する。そして、それらの性質がどのような限界を持つかを学びます。
(2)様々な人工ナノ構造(フォトニック結晶、プラズモニクス、メタマテリアル)を用いることにより、通常の固体/連続媒質の光学的性質の限界をどのように克服できるかを学びます。
(3)物性や現象の物理限界を把握し、その限界を克服する手法について学びます。
到達目標
本講義を受講することによって、次の項目に関する理解を得ることをも目標とします。
(1)固体/連続媒質中における光の分散、光学遷移、非線形応答がどのように生じるのか
(2)固体/連続媒質中における光の閉じ込めの強さ、伝搬速度、光学遷移レート、非線形性の限界がどこにあるのか
(3)周期構造、金属ナノ構造、微小電気回路要素によって、上記の通常物質の示す限界がどのように克服可能であるか
キーワード
光学、光の分散、光学遷移、光非線形、ナノフォトニクス、フォトニック結晶、プラズモニクス、メタマテリアル、共振器量子電磁力学
学生が身につける力
- 専門力
- 教養力
- コミュニケーション力
- 展開力 (探究力又は設定力)
- 展開力 (実践力又は解決力)
授業の進め方
毎回、講義ノートを配布し、主にスライドを用いて授業を進めます。毎回、出席をとります。
授業計画・課題
授業計画 | 課題 | |
---|---|---|
第1回 | 物質中の光について |
・どこに近似が導入されているのか? |
第2回 | ・光のバンド構造とバンドギャップ(フォトニック結晶) |
・光のバンド理論とは? |
第3回 | 金属中の光 |
・金属導線中の電気信号は光なのか? |
第4回 | 電気回路と光 |
・人工的な透磁率/誘電率を作るには? |
第5回 | 物質中の光の結像 |
・古典限界を超える結像、超解像、完全結像とは? |
第6回 | 物質中の光学遷移I (量子光学的な扱い) |
・なぜ光学遷移は遅いのか? |
第7回 | 物質中の光の非線形相互作用 |
・なぜ物質の光非線形性は小さいのか? |
第8回 | 物質中の光学遷移II (電気回路的な扱い) |
・量子性はどこにあるのか? |
準備学修(事前学修・復習)等についての指示
学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。
教科書
講義ノートを配布します
参考書、講義資料等
特になし
成績評価の方法及び基準
レポートにより評価をする予定です(新型コロナの状況による)
関連する科目
- PHY.C446 : 光と物質Ⅰ
- PHY.C447 : 光と物質Ⅱ
履修の条件・注意事項
特になし。
連絡先 (メール、電話番号) ※”[at]”を”@”(半角)に変換してください。
notomi[at]phys.titech.ac.jp 03-5734-3831