トップページへ

2021年度 学院等開講科目 理学院 数学系 数学コース

数学特別講義L

開講元
数学コース
担当教員
石毛 和弘 / 小野寺 有紹
授業形態
講義
メディア利用科目
-
曜日・時限
(講義室)
集中講義等
クラス
-
科目コード
MTH.E536
単位数
200
開講時期
2021年度
開講クォーター
4Q
シラバス更新日
2025年7月10日
使用言語
日本語

シラバス

授業の目的(ねらい)、概要

 本講義の主要なテーマは、放物型方程式や楕円型方程式の解のもつ冪凹性である。まず、凹性概念の一般化である冪凹性を導入した後、放物型方程式や楕円型方程式の解の冪凹性について Concavity maximum principle に基づいた古典的な解析手法について説明する。その発展として、近年研究されている quasi-concavity の崩れ、粘性解理論に基づいた放物型方程式における log-concavity の保存性や放物型冪凹性、さらに関連する話題について理解することを目的とする。
 凹性は関数の形状を表現するに便利なものであるが、偏微分方程式には不十分であり、冪凹性の導入が必要不可欠である。楕円型方程式や放物型方程式の解の冪凹性は 1980 年代における Concavity maximum principle の導入によって大いに研究された。近年、粘性解理論に基づいた解の冪凹性の研究が行われ、新しい解の冪凹性理論が展開されている。本講義では、それら最新の理論と関連する話題について解説することを目的とする。

到達目標

・冪凹性の定義と諸性質について理解する。
・Concavity maximum principle について理解する。
・近年における楕円型方程式および放物型方程式の解の冪凹性研究の概略を理解する。

キーワード

冪凹性、Concavity maximum principle, log-concavity, 放物型冪凹性, Minkowski 和

学生が身につける力

  • 専門力
  • 教養力
  • コミュニケーション力
  • 展開力 (探究力又は設定力)
  • 展開力 (実践力又は解決力)

授業の進め方

通常の講義形式で行う.また,適宜レポート課題を出す.

授業計画・課題

授業計画 課題
第1回 以下の内容を順に解説する予定である. ・ 冪凹性の導入とその性質 ・Concavity maximum principle とその応用 ・Quasi-concavity の非保存性 ・放物型方程式における log-concavity の保存性 ・放物型冪凹性 ・放物型方程式と Minkowski 和 ・多様体上の冪凹解析 講義中に指示する.

準備学修(事前学修・復習)等についての指示

学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。

教科書

使用しない

参考書、講義資料等

特になし

成績評価の方法及び基準

レポート課題(100%)による.

関連する科目

  • MTH.C341 : 微分方程式概論第一
  • MTH.C342 : 微分方程式概論第二

履修の条件・注意事項

なし