2022年度 学院等開講科目 物質理工学院 応用化学系 原子核工学コース
原子力安全と倫理
- 開講元
- 原子核工学コース
- 担当教員
- 加藤 之貴 / 相樂 洋 / 大場 恭子 / 吉澤 厚文 / 松井 亮太
- 授業形態
- 講義 (ライブ型)
- メディア利用科目
- -
- 曜日・時限
(講義室) - 火1-2 (原講571)
- クラス
- -
- 科目コード
- NCL.F401
- 単位数
- 100
- 開講時期
- 2022年度
- 開講クォーター
- 2Q
- シラバス更新日
- 2025年7月10日
- 使用言語
- 日本語
シラバス
授業の目的(ねらい)、概要
本講義では,単に講義にとどまらず,その後における向上目標につながる「なぜ倫理を学び,習得しなければならないのか」を重視しながら,原子力に関わる研究,開発,実務において,必要な倫理について学ぶ。
倫理的意思決定のあり方,またその意思決定に基づいた行動を取るためになにが必要なのかを,研究,開発,実務それぞれのフェーズにおける仮想事例,実事例を交えながら講義することで,原子力技術の社会との関係も理解し,原子力技術の担い手として,その責任をいかに果たせば良いかの習得を目指す。
講義は,倫理的な科学者・技術者としての行動実践を目指していることから,一方的な講義形式ではなく,学生同士のグループディスカッションや講師と学生感の双方向ディスカッション(クラスディスカッション)を重視しており,受講生自らが考える時間をできるだけ多く持つ予定である。
到達目標
本講義を履修することによって,次の知識および能力を習得する。
①原子力技術が,どのような価値によって開発・発展してきたのかを理解する。
②倫理的意思決定の方法を理解し,それを事例において実践できる。
③自らが倫理観をもつことの必要性と重要性を理解し,自らがどのように責任を果たすべきかを自らの言葉で語ることができる。
キーワード
技術者倫理,事例研究,リスクコミュニケション,レジリエンスエンジニアリング,安全文化
学生が身につける力
- 専門力
- 教養力
- コミュニケーション力
- 展開力 (探究力又は設定力)
- 展開力 (実践力又は解決力)
授業の進め方
講義形式とディスカッション形式を織り交ぜて行う。内容によって,講義形式が主となる回,ディスカッション形式が主となる回があるが,全体では,講義形式が7-8割程度を予定している。
授業計画・課題
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | 本講義の概要と狙い | 研究開発および安全⽂化,セキュリティー⽂化における倫理観の必要性を理解する |
第2回 | 原⼦⼒開発において重視すべき価値と倫理的意思決定の⽅法:学会倫理規程,セブン・ステップ・ガイド 原爆開発と倫理 | 原爆開発の事例から,倫理の難しさを理解する |
第3回 | 行動倫理学の基礎と理論 | 従来の倫理学(規範倫理学)と行動倫理学の違いを理解する。 |
第4回 | 原⼦⼒施設の事故・トラブルと倫理 TMI,チェルノブイリ,JCO等事故および不祥事 | 原⼦⼒施設の事故・トラブルを倫理の視点から説明できる。 |
第5回 | 積極的倫理とレジリエンス・エンジニアリング | 積極的倫理やレジリエンス・エンジニアリングが説明できる。 |
第6回 | 福島第⼀原⼦⼒発電所事故とレジリエンス・エンジニアリング -事故からの学び | 福島第⼀原⼦⼒発電所事故からの学んだことを説明できる |
第7回 | 技術にとどまらない技術課題 | 自分の言葉で自らの倫理について説明する |
準備学修(事前学修・復習)等についての指示
学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。
教科書
指定なし。ただし,多くの学協会や技術者などが関連する書籍等をしており,是非自らにあったものの一読を希望する。
参考書、講義資料等
講義資料は,pptの抜粋等,必要なものを適宜提供する。
成績評価の方法及び基準
各回の講義における小レポート(7割)および最終レポート(3割)にて評価する。
関連する科目
- NCL.F451 : 原子力基礎工学第一
- NCL.N407 : 原子力安全工学
- NCL.O401 : 核不拡散・核セキュリティ学概論
履修の条件・注意事項
なし
オフィスアワー
10:00-15:00