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2022年度 学院等開講科目 理学院 数学系 数学コース

数学特別講義F

開講元
数学コース
担当教員
水谷 治哉 / 隠居 良行
授業形態
講義 (対面型)
メディア利用科目
-
曜日・時限
(講義室)
集中講義等 (本館2階201数学系セミナー室)
クラス
-
科目コード
MTH.E436
単位数
200
開講時期
2022年度
開講クォーター
4Q
シラバス更新日
2025年7月10日
使用言語
日本語

シラバス

授業の目的(ねらい)、概要

 微視的粒子の運動を記述するシュレディンガー方程式やディラック方程式の解の大域挙動を解析する分野である、
量子力学的散乱理論の数学的に厳密な扱いについて入門的な講義を行う。前半は自己共役作用素のスペクトル理論から始めて(時間依存)散乱理論の枠組みを解説し、中盤では短距離型シュレディンガー方程式に対する波動作用素の存在と漸近完全性に関して古典的な結果を紹介する。後半は散乱理論の偏微分方程式への応用として、波動作用素のルベーグ空間上の有界性について時間の許す限り解説する。

 本講義の目的は、量子力学的散乱理論の数学的研究の基礎について学ぶとともに、スペクトル理論・偏微分方程式論において有効な関数解析的手法を理解することである。

到達目標

・スペクトル理論における関数解析的手法を理解する。
・量子力学的散乱理論の数学的研究の枠組みを理解し、基礎的な手法を身につける。

キーワード

量子力学的散乱理論、スペクトル理論、自己共役作用素、シュレディンガー方程式、波動作用素、漸近完全性

学生が身につける力

  • 専門力
  • 教養力
  • コミュニケーション力
  • 展開力 (探究力又は設定力)
  • 展開力 (実践力又は解決力)

授業の進め方

通常の講義形式で行う.また,適宜レポート課題を出す.

授業計画・課題

授業計画 課題
第1回 以下のトピックについて、解説する予定である: ・量子力学的散乱理論の大まかな枠組み ・自己共役作用素のスペクトルとRAGE定理 ・レゾルベントの極限吸収原理とムール理論 ・滑らかな摂動の理論 ・短距離型シュレディンガー方程式に対する波動作用素の存在と漸近完全性 ・波動作用素のルベーグ空間上の有界性 講義中に指示する。

準備学修(事前学修・復習)等についての指示

学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。

教科書

使用しない

参考書、講義資料等

黒田成俊「スペクトル理論II」岩波書店
中村周「量子力学のスペクトル理論」共立出版
谷島賢二「シュレーディンガー方程式 I, II」朝倉書店
磯崎洋「多体シュレーディンガー方程式」丸善出版
その他の参考文献は講義中に紹介する。

成績評価の方法及び基準

レポート課題(100%)による.

関連する科目

  • MTH.C351 : 函数解析
  • MTH.C305 : 実解析第一
  • MTH.C306 : 実解析第二
  • MTH.C341 : 微分方程式概論第一
  • MTH.C342 : 微分方程式概論第二

履修の条件・注意事項

なし