2021年度 学院等開講科目 環境・社会理工学院 社会・人間科学系 社会・人間科学コース
政治・法律・行政分野特論F1A
- 開講元
- 社会・人間科学コース
- 担当教員
- 中島 岳志
- 授業形態
- 講義
- メディア利用科目
- -
- 曜日・時限
(講義室) - 木3-4
- クラス
- -
- 科目コード
- SHS.P443
- 単位数
- 100
- 開講時期
- 2021年度
- 開講クォーター
- 3Q
- シラバス更新日
- 2025年7月10日
- 使用言語
- 日本語
シラバス
授業の目的(ねらい)、概要
近代日本の政治・外交の特質について、精神史の視点を導入しつつ講義する。幕末から明治維新にかけて、日本は「開国」というう形でウェスタンインパクトを受けた。ここで日本は国民国家というシステムを導入し、ウェストファリア体制という西洋起源の国際秩序を受け入れた。日本が受容した近代政治システムとはいったいいかなるものだったのか。その受容の際に生じた亀裂や葛藤、苦悩とはいかなるものだったのか。近代の本の起源に注目することによって、その特質を理解し、この国のナショナリズムのあり方を考察する。近代日本のナショナリズムは、やがて全体主義的要素を含む「超国家主義」を生み出していく。この日本型ファシズムというべき政治思想の潮流は、いかなる背景から誕生したものか。その生成過程を論じることによって、昭和前期の日本を席巻した超国家主義の論理を理解する。また、この超国家主義が戦後日本にいかなる形で引き継がれたのかを論じる。以上の作業を通じて、日本における権力のあり方を把握し、現代政治に対する視座を獲得する。
本講義のねらいは2つある。一つ目は、日本における近代の特質を理解すること。二つ目は日本型全体主義のあり方を把握すること。この能力を身につけることによって、現代日本の政治を論じる視座を獲得する。
到達目標
本講義を履修することによって以下の能力を修得する。①近代の政治システムを説明できるようになること。②日本的近代の特質を説明できるようになること。③近代日本のナショナリズムと超国家主義を理解することで、現代日本政治の権力構造を分析できるようになること。
キーワード
国民国家、国民主権、ナショナリズム、ウェスタンインパクト、ウェストファリア体制、超国家主義、戦争、権力
学生が身につける力
- 専門力
- 教養力
- コミュニケーション力
- 展開力 (探究力又は設定力)
- 展開力 (実践力又は解決力)
授業の進め方
講義形式で行う。毎回レジュメを配布する。
授業計画・課題
授業計画 | 課題 | |
---|---|---|
第1回 | ガイダンスー右派って何? 左派って何? | 右派と左派の論理の違いについて説明できるようになる |
第2回 | ナショナリズム・主権・デモクラシー:国民国家というシステム | 国民国家というシステムが誕生するうえで、ナショナリズムと人民主権が連動したプロセスを理解する |
第3回 | 近代日本と国民国家 | 近代日本が国民国家システムを受容したプロセスを理解する |
第4回 | 近代東アジアの秩序形成 | 東アジア世界に西洋起源の近代的国際秩序が導入されたプロセスを理解する |
第5回 | 超国家主義の形成-丸山真男と橋川文三 | 近代日本の超国家主義について丸山真男と橋川文三の議論を手掛かりに考察する |
第6回 | 日本型全体主義の特質-煩悶・革新・超国家 | 日本型全体主義の特質を説明できるようにする |
第7回 | 戦前と戦後の間-その連続と断絶 | 戦前と戦後は何が連続し、何が断絶しているのかを考察する |
準備学修(事前学修・復習)等についての指示
学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。
教科書
特にない。毎回レジュメを配布する。
参考書、講義資料等
特にない。毎回レジュメを配布する。
成績評価の方法及び基準
第4回目終了時に提出する中間レポートと学期末の最終レポートで評価する。
関連する科目
- LAH.S103 : 政治学A
- LAH.S203 : 政治学B
- LAH.S304 : 政治学C
- SHS.P461 : 政治・法律・行政分野方法論S1
- SHS.P462 : 政治・法律・行政分野方法論F1
- SHS.P681 : 政治・法律・行政分野プロジェクトS3
- SHS.P682 : 政治・法律・行政分野プロジェクトF3
- SHS.P441 : 政治・法律・行政分野特論S1A
- SHS.P442 : 政治・法律・行政分野特論S1B
- SHS.P444 : 政治・法律・行政分野特論F1B
履修の条件・注意事項
特にない。