2021年度 学院等開講科目 情報理工学院 数理・計算科学系
オートマトンと数理言語論
- 開講元
- 数理・計算科学系
- 担当教員
- 伊東 利哉 / 田中 圭介
- 授業形態
- 講義
- メディア利用科目
- -
- 曜日・時限
(講義室) - 月3-4 (W833) / 木3-4 (W833)
- クラス
- -
- 科目コード
- MCS.T214
- 単位数
- 200
- 開講時期
- 2021年度
- 開講クォーター
- 2Q
- シラバス更新日
- 2025年7月10日
- 使用言語
- 日本語
シラバス
授業の目的(ねらい)、概要
計算可能性の理論、計算複雑さの理論の基礎として、有限オートマトンおよび文 脈自由文法について学びます。これを通して、計算機のハードウェア、ソフト ウェアに関する基本的な数学的概念を理解します。具体的には、文字列と言語、 有限オートマトン、非決定計算、正規表現、文脈自由文法、プッシュダウン・ オートマトン、ポンピング補題を扱います。
到達目標
本講義を履修することによって以下を理解します。
1) 言語理論における数学的要素
2) 正規言語のモデルと性質
3) 文脈自由言語のモデルと性質
キーワード
オートマトン、言語、文字列、有限オートマトン、非決定計算、正規表現、文脈 自由文法、プッシュダウン・ オートマトン、ポンピング補題
学生が身につける力
- 専門力
- 教養力
- コミュニケーション力
- 展開力 (探究力又は設定力)
- 展開力 (実践力又は解決力)
授業の進め方
授業は通常の講義の他に演習形式の講義があります。通常の講義3ないし4回につ き1回の割り合いで演習形式の講義を行います。そこでは、通常の講義中に扱え なかった内容や小テストについて説明します。授業では毎回、その回の内容、ま たは、それ以前の回の内容について小テストを出します。
授業計画・課題
授業計画 | 課題 | |
---|---|---|
第1回 | 講義全体の概要、計算問題、文字列と言語 | 文字列と言語の概念を理解する |
第2回 | 決定性有限オートマトン、形式的定義 | 決定性有限オートマトンの概念を理解する |
第3回 | 非決定性計算、非決定性有限オートマトンと決定性有限オートマトンの等価性 | 非決定性計算の概念を理解する |
第4回 | 有限オートマトンに関する演習 | 有限オートマトンの構成手法を理解する |
第5回 | 正規演算、正規言語の閉包性、正規表現 | 正規表現の概念を理解する |
第6回 | 正規表現と有限オートマトンの等価性 | 正規表現の性質を理解する |
第7回 | 正規言語に対するポンピング補題 | ポンピング補題の概念を理解する |
第8回 | 文脈自由文法、文脈自由文法の曖昧さ | 文脈自由文法の概念を理解する |
第9回 | 正規言語に対するポンピング補題、および、文脈自由文法に関する演習 | ポンピング補題の適用手法を理解する |
第10回 | Chomsky標準形 | Chomsky標準形への変換手法を理解する |
第11回 | プッシュダウン・オートマトン、プッシュダウン・オートマトンと文脈自由文法 の等価性 I | プッシュダウン・オートマトンの概念を理解する |
第12回 | プッシュダウン・オートマトンと文脈自由文法の等価性 II | 等価性証明のための変換手法を理解する |
第13回 | 文脈自由文法に対するポンピング補題 | ポンピング補題の概念を理解する |
第14回 | 文脈自由文法に対するポンピング補題に関する演習 | ポンピング補題の適用手法を理解する |
準備学修(事前学修・復習)等についての指示
学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する 予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。
教科書
計算理論の基礎 (原著第 2 版) 1 オートマトンと言語, Michael Sipser 著, 太 田 和夫, 田中 圭介 監訳, 阿部 正幸, 植田 広樹, 藤岡 淳, 渡辺 治 訳, 共立 出版, 2008 年, ISBN 978-4320-12207-9. (原著: Introduction to the Theory of Computation, Second Edition, Michael Sipser, Thomson Course Technology, 2005, ISBN 978-0534-95097-2.)
参考書、講義資料等
初回の講義でお知らせします。
成績評価の方法及び基準
対面講義の場合: 授業中に行う小テスト60%と最終試験40%で評価を行います。
遠隔講義の場合: 授業中に行う小テストで評価を行います
関連する科目
- MCS.T213 : アルゴリズムとデータ構造
- MCS.T323 : 計算の理論
- MCS.T405 : アルゴリズム論
- ICT.C401 : 現代暗号理論
履修の条件・注意事項
アルゴリズムとデータ構造の知識があることが望ましい。