2021年度 学院等開講科目 物質理工学院 応用化学系
高分子物理第四(応用物性)
- 開講元
- 応用化学系
- 担当教員
- 古屋 秀峰 / 安藤 慎治
- 授業形態
- 講義
- メディア利用科目
- -
- 曜日・時限
(講義室) - 木5-6 (W641)
- クラス
- -
- 科目コード
- CAP.P322
- 単位数
- 100
- 開講時期
- 2021年度
- 開講クォーター
- 2Q
- シラバス更新日
- 2025年7月10日
- 使用言語
- 日本語
シラバス
授業の目的(ねらい)、概要
本講義では,高分子化合物の集合体において観測される特徴的で重要な物性のうち,熱的性質(ガラス転移,熱移動),電気的性質(誘電性、圧電性、導電性),光学的性質、および表面物性について、熱力学と物理化学の観点から説明し、基礎知識を提供する。また,様々の物性について問題演習を行って理解を深める。
様々な用途で使用されている高分子材料には,高分子物質の集合体として示す独特な性質や挙動が活用されている。 高分子物質の集合体が示す熱的,電気的,および光学的性質は、どのような構造と関係して、どのように発現するのかを学び理解する。また、高分子の特徴的な性質が、どのように機能性材料に用いられているか,その応用例についても学ぶ。
到達目標
本講義を履修することによって、次の能力を修得する。
1)ガラス転移現象を分子の運動性と熱力学の両方から説明できる
2)高分子の相転移現象を説明できる
3)高分子の熱移動を説明できる
4)ゲルの状態方程式と体積相転移現象を説明できる
5)高分子の電気的性質の原理と現象を説明できる
6)高分子の光学的性質の発現機構を説明できる
7)表面物性の原理と現象を説明できる
キーワード
相転移、ガラス転移、結晶化、誘電性、圧電性、導電性、屈折率、複屈折、光透過性、濡れ、表面粘弾性, ゲル
学生が身につける力
- 専門力
- 教養力
- コミュニケーション力
- 展開力 (探究力又は設定力)
- 展開力 (実践力又は解決力)
授業の進め方
教科書に従って講義を進める。毎回の講義のはじめに復習を兼ねて前回の演習問題の解答を解説する。各講義最後の15分で、講義内容に関する演習問題を行う。
授業計画・課題
授業計画 | 課題 | |
---|---|---|
第1回 | 高分子の電気的性質 -誘電性,圧電性,導電性 | 高分子の誘電分散、圧電性、強誘電性、電子伝導の原理と現象の説明 |
第2回 | 高分子の光学的性質 1 -分子分極率・屈折率と複屈折 | 高分子の屈折率・複屈折の発現機構の説明 |
第3回 | 高分子の光学的性質 2 -電子状態と光透過性・光機能性 | 高分子の電子状態と光透過性の説明、様々な光機能性の説明 |
第4回 | 高分子の熱的性質 1 -ガラス転移、固体状態の相転移現象 | 熱力学の復習,ガラス転移現象の説明、一次相転移と二次相転移の説明 エンタルピーの温度変化と状態の関係の説明 |
第5回 | 高分子の熱的性質 2 -熱移動の基礎と熱伝導率 | 熱移動の基礎と熱伝導率の説明 |
第6回 | ゲル -構造と物性、状態方程式、体積相転移現象 | ゲルの構造の説明、状態方程式と体積相転移現象の説明 |
第7回 | 表面物性 -濡れ,表面粘弾性 | 濡れの物理化学的解釈と表面粘弾性の説明 |
準備学修(事前学修・復習)等についての指示
学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,授業内容に関する予習と復習(課題を含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。
教科書
高分子学会編『基礎高分子科学』(東京化学同人) ISBN4-8079-0635-6 第4章第4節の一部と第5節,第5章第2節から第5節,および授業時の配布プリント、高分子学会編『基礎高分子科学』第2版 (東京化学同人)第8章
参考書、講義資料等
参考書:アトキンス『物理化学』第8版上,下巻(東京化学同人),北野博巳ほか著『高分子の化学』三共出版
成績評価の方法及び基準
高分子物質の熱的,電気的,および光学的性質の基礎の理解度を評価する。講義後の課題・演習(60%),確認試験(30%),出席(10%)で成績を評価する。
関連する科目
- CAP.P201 : 高分子科学
- CAP.P221 : 高分子物理第一(溶液物性)
- CAP.P222 : 高分子物理第二(固体構造)
- CAP.P321 : 高分子物理第三(レオロジー)
- CAP.P341 : 高分子特性解析
履修の条件・注意事項
履修条件は特に設けないが、高分子科学に関連する科目を履修していることが望ましい。