2021年度 H27年度以前入学者向け 理学部 数学科
数学特殊講義J
- 開講元
- 数学科
- 担当教員
- 久野 雄介 / 野坂 武史
- 授業形態
- 講義
- メディア利用科目
- -
- 曜日・時限
(講義室) - 集中講義等
- クラス
- -
- 科目コード
- ZUA.E344
- 単位数
- 200
- 開講時期
- 2021年度
- 開講クォーター
- 3Q
- シラバス更新日
- 2025年7月10日
- 使用言語
- 日本語
シラバス
授業の目的(ねらい)、概要
ゴールドマン・リー代数と呼ばれる、向きづけられた曲面に付随する(無限次元)リー代数について述べる。このリー代数は曲面上の曲線の交叉を用いて記述され、低次元トポロジーの対象といって良いものであるが、その背景には曲面上の平坦束のモジュライ空間という幾何的なものがある。本講義では、ゴールドマン・リー代数の定義について周辺事項と共に説明した後に、次の二つのテーマを解説する。(1)デーンツイストと呼ばれる曲面の自己微分同相写像のゴールドマン・リー代数を用いた記述。(2)ゴールドマン括弧積(およびトュラエフ余括弧積)の形式性と呼ばれる性質。
曲面上の曲線たちの交叉の様子から興味深い代数的構造が抽出され、それを用いて曲面上の自己微分同相写像や曲面の写像類群を調べられることを説明したい。
到達目標
・ゴールドマン・リー代数の定義を理解すること。
・デーンツイストの対数の記述を理解すること。
・シンプレクティック展開の定義を理解すること。
・トュラエフ余括弧積の定義を理解すること。
・ゴールドマン括弧積とトュラエフ余括弧積の形式性を理解すること。
キーワード
ゴールドマン括弧積、トュラエフ余括弧積、デーンツイスト、曲面の写像類群
学生が身につける力
- 専門力
- 教養力
- コミュニケーション力
- 展開力 (探究力又は設定力)
- 展開力 (実践力又は解決力)
授業の進め方
通常の講義形式で行う.また,適宜レポート課題を出す.
授業計画・課題
授業計画 | 課題 | |
---|---|---|
第1回 | 以下の内容について講義する予定である。 ・曲面の基本群とホモロジー群 ・有限階数自由群の降中心列と付随するリー代数 ・ゴールドマン括弧積 ・デーンツイストの対数の記述 ・一般デーンツイスト ・シンプレクティック展開 ・トュラエフ余括弧積 ・ゴールドマン括弧積とトュラエフ余括弧積の形式性 | 講義中に指示する. |
準備学修(事前学修・復習)等についての指示
学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。
教科書
使用しない
参考書、講義資料等
使用しない
成績評価の方法及び基準
レポート課題(100%)による.
関連する科目
- MTH.B301 : 幾何学第一
- MTH.B302 : 幾何学第二
- MTH.B331 : 幾何学続論
- MTH.B341 : 位相幾何学
履修の条件・注意事項
多様体論における基礎的な知識を有すること。