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2020年度 学院等開講科目 教養科目群 文系教養科目

文化人類学B

開講元
文系教養科目
担当教員
田中 理恵子
授業形態
講義 (ZOOM)
メディア利用科目
-
曜日・時限
(講義室)
月1-2 (W621) / 木1-2 (W621)
クラス
-
科目コード
LAH.H203
単位数
200
開講時期
2020年度
開講クォーター
4Q
シラバス更新日
2025年7月10日
使用言語
日本語

シラバス

授業の目的(ねらい)、概要

この講義では、近年注目を集める「アートと人類学」の議論を土台としながら、その問題系を検討します。ただし、アートや人類学それ自体を扱うのではなく、とくに「映像・ことば・音楽」といった営みに注目し、世界各地の例をとりあげて検討していきます。この作業を通して、文化人類学の立場から「アート」や「感性」をとらえなおし、新しい文化人類学的思考を体得することが講義の目的です。

講義では、高度に抽象的な議論も含まれますが、多くのケーススタディを盛り込む予定です。この授業を契機に、自分の想像できる「セカイ」の幅を広げて下さい。(以上の内容から文化人類学の通史を学習するような講義ではありませんので、注意してください。)

到達目標

①文化人類学の基本的な考え方を体得する
②「感じる=思考する」こと(感覚、感性、感情、身体など)に関する議論を深く理解できる

キーワード

アートの人類学、映像、ことば、音楽、感性と経験

学生が身につける力

  • 専門力
  • 教養力
  • コミュニケーション力
  • 展開力 (探究力又は設定力)
  • 展開力 (実践力又は解決力)

授業の進め方

1つのテーマに対して3回程度の講義を行い、その間にいくつかの課題に取り組む。

授業計画・課題

授業計画 課題
第1回 イントロダクション:人類学的思考の概説 人類学の問題系について理解する
第2回 アートと人類学① バリのトランス儀礼やバリ・アートを例に、アート・感性・人類学をめぐる論考を学ぶ
第3回 アートと人類学② オセアニアの仮面を例に、アート・感性・人類学をめぐる論考を学ぶ
第4回 アートと人類学③ シュルレアリスムの作品を例に、アート・感性・人類学をめぐる議論をとらえなおす
第5回 映像にあらわされるもの① M・マクルーハンほかのメディア論から、SF作品について検討する
第6回 映像にあらわされるもの② M・ハイデガーほか哲学者による感性論から、映画≪リュミエール!≫ほかドキュメンタリー映像について分析する
第7回 映像にあらわされるもの③ (中間テスト) 映像≪リヴァイアサン≫ほかシネ・アンスロポロジーの作品を例に、映像について再考する
第8回 ことばにあらわされるもの①  W・オングの「声の文化と文字の文化」から、叙事詩をめぐる近年の様々なパフォーマンスについて検討する
第9回 ことばにあらわされるもの②  E・ハヴロックの論考および叙事詩≪オデュッセイア≫について学ぶ
第10回 ことばにあらわされるもの③  映画≪薔薇の名前≫を例に、記号論・ことば・よむことについて再考する
第11回 音楽にあらわされるもの① M・シェーファーの「サウンドスケープ」に関するパフォーマンス映像などから、音響に対するを学ぶ
第12回 音楽にあらわされるもの②  J・ケージの音楽と「きのこ的生活」について学ぶ
第13回 音楽にあらわされるもの③ 映像≪Touch the sound≫を例に、音をめぐる感性・聴覚文化論について再考する
第14回 総括 アート・感性・人類学というテーマに関する自身の意見を表明できるようになる
第15回 期末テスト 講義で学んだ成果を確認する

準備学修(事前学修・復習)等についての指示

学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。

教科書

特定の教科書は使用しない

参考書、講義資料等

以下の文献を扱いますが、必要な箇所は授業中に紹介します 
Morphy, Howard and Morgan Perkins, eds. (2006) "The Anthropology of Art: A Reader". Malden, MA: Blackwell Publishing.

成績評価の方法及び基準

出席25% 授業内課題25% 中間・期末テスト50%
ただし、出席が2/3に満たない受講者は期末テストの受験資格がありません

関連する科目

  • LAH.H103 : 文化人類学A
  • LAH.H303 : 文化人類学C

履修の条件・注意事項

事前に身に付けているべき知識や技術はありませんが、授業内容と自身の関心を結びつけて、積極的に参加すること。