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2026年度 (最新) 学院等開講科目 教養科目群 文系教養科目

国際政治学C

開講元
文系教養科目
担当教員
池嵜 航一
授業形態
講義
メディア利用科目
-
曜日・時限
(講義室)
クラス
-
科目コード
LAH.S315
単位数
200
開講時期
2026年度
開講クォーター
3Q
シラバス更新日
2026年4月1日
使用言語
日本語

シラバス

授業の目的(ねらい)、概要

「世界」について想像するとき、われわれは無意識のうちに「国家」という単位を前提としてものを考えてはいないだろうか? 一見それは自然なこととも思われる。地球上の陸地はほとんどがどこかの国のものとして明確に区分けされ、各国はみずからの領域に対して支配をおよぼしている。ゆえに法制度は国ごとに異なり、国境を越えた物や人などの移動は、国内での場合と比べてより厳格に管理される。
 しかし歴史的にみるならば、こうした国家中心的な秩序思考が常に自明のものとされてきたわけではない。世界中を国家がほぼ覆うようになったのは最近のことにすぎない。また、このような秩序が近代のヨーロッパで生まれ、他地域へと波及していくなかにあっても、国境を越える運動や国家よりも大きな単位への統合を求める運動は存在し続けた。さらに、国家はその内部に多様なアイデンティティをもつ人々を抱え込んでおり、彼ら/彼女らの包摂に失敗すれば、政治的に分裂し、解体される可能性もある。
 本講義が主題として論じるのはこうした領域再編のポリティクス(政治)であり、そのねらいは三つある。①まずグローバル化という現象について理解すること、②次に帝国や地域統合といった広域統治の枠組みを分析すること、③そして分離独立運動やフェミニズム、反レイシズムなどを通じて国家の既存の権力構造が揺さぶられていくしくみをとらえることである。

到達目標

a)政治的領域の動揺や再編について、講義で導入されるいくつかの鍵概念を用いて説明することができる。
b)社会のなかにある権力構造に敏感になる。
c)近代的な世界の成り立ちを知り、その拘束力と変革可能性について論じられる。

キーワード

グローバル化、統合、分断、近代世界システム、国民国家、帝国、リベラルな国際秩序、ヨーロッパ連合、世界秩序

学生が身につける力

  • 専門力
  • 教養力
  • コミュニケーション力
  • 展開力 (探究力又は設定力)
  • 展開力 (実践力又は解決力)

授業の進め方

すべて講義形式で行うが、適宜議論の機会を設けたり、リアクション・ペーパーを通じて質問や意見を提出してもらう。資料の配布方法や読書案内なども含め、詳細は初回授業時に説明するため、履修者は必ず参加されたい。

授業計画・課題

授業計画 課題
第1回

イントロダクション

講義があつかう主題について理解する。

第2回

グローバル化とは何か

グローバル化と呼ばれる現象を定義し、その諸側面や推進要因、問題などを概観する。

第3回

近代以前の広域秩序

世界が諸国家へと領域的に区分される以前に各地域に存在した秩序とはどのようなものであったか論じる。

第4回

近代世界システムの形成

資本主義を推進力として世界各地が相互に結びつき、一体性を高めてきた過程をたどる。

第5回

19世紀のグローバル化

現代のグローバル化を過去のそれと比較し、異同を確認する。

第6回

帝国と脱植民地化

権力や支配を対外的に拡張しようとする帝国主義とそれに対して独立を勝ちとろうとする運動とがいかにして領域の再編をもたらしてきたかをふり返る。

第7回

リベラルな国際秩序の盛衰

民主主義や経済的開放性、法の支配などにもとづく秩序への期待が広がり、その後急速にしぼんでいったのはなぜなのか考える。

第8回

不平等と貧困

グローバルな市場への統合が各国間あるいは各国の内部に格差を生み、分断をもたらしてきた構造を理解する。

第9回

国際人口移動

国境を越えた人の移動をもたらす要因を考え、それがいかなるかたちで政治問題化されるのかを分析する。

第10回

ナショナリズムとエスニシティ

国民や民族としてのアイデンティティが、ときに政治体の統一をもたらし、ときにそれを分裂させ紛争をもたらすダイナミズムを把握する。

第11回

人種

ナチズムからアパルトヘイト、ブラック・ライブズ・マターにいたるまで、人種問題が政治を動かしてきた歴史について論じる。

第12回

ジェンダー

世界政治の主体や争点がいかに「ジェンダー化」されてきたのか問いなおす。

第13回

地域統合

ヨーロッパ連合(EU)を事例として、地域統合のメカニズムとその困難さを理解する。

第14回

世界秩序の行方

ロシア・ウクライナ戦争やトランプ大統領の復権、米中対立などの動向を踏まえて、今後の世界秩序がどのように展開していくのかを議論する。

第15回

期末試験

試験により理解度を評価する。

準備学修(事前学修・復習)等についての指示

学修効果を上げるため,参考書やスライド等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。

教科書

なし。

参考書、講義資料等

なし。

成績評価の方法及び基準

中間レポート(20%)と期末試験(80%)により評価する。そのほか、授業内での発言やリアクションペーパーの提出などがあれば加点する。

関連する科目

  • LAH.S119 : 国際政治学A
  • LAH.S218 : 国際政治学B
  • LAH.S453 : 文系エッセンス63:国際政治学

履修の条件・注意事項

とくに条件は課さない。

連絡先 (メール、電話番号) ※”[at]”を”@”(半角)に変換してください。

ikezaki.k.253f[at]m.isct.ac.jp
[at]を@に変換すること.

オフィスアワー

事前にメールで予約すること。