2026年度 (最新) 学院等開講科目 教養科目群 文系教養科目
国際政治学B
- 開講元
- 文系教養科目
- 担当教員
- 池嵜 航一
- 授業形態
- 講義 (対面型)
- メディア利用科目
- -
- 曜日・時限
(講義室) - 月1-2 (WL2-101(W611)) / 木1-2 (WL2-101(W611))
- クラス
- -
- 科目コード
- LAH.S218
- 単位数
- 200
- 開講時期
- 2026年度
- 開講クォーター
- 2Q
- シラバス更新日
- 2026年4月1日
- 使用言語
- 日本語
シラバス
授業の目的(ねらい)、概要
各国に政治があるように、諸国家のあいだにも政治は存在する——これを国際政治という。どちらも同じ政治であることに変わりはない。しかし、国内と異なり、国際社会にはそれぞれの国に対して法を強制することのできる権威——世界政府のような存在——はない。規範や制度が存在しないわけではないが、どこかの国が法を破り、他国を侵略したとしても、それを確実に取り締まり、裁いてくれる存在——国内でいう警察や裁判所——をあてにすることはできない。だからこそ各国は、自分たちにとって重要な価値や利益を守るために、力に頼らざるをえないところがある。
この講義が対象として論じるのは、こうした独特な空間において展開される政治である。そこでは生存や安全も確実ではなく、力が政治を左右する要素となることは否定しがたい。しかしそうした空間においても、人間は道義や正しさを求めることを止めるわけではない。そしてそれこそが国際政治を問題たらしめるのである。
「力こそ正義」と開き直ることも、「正義は行われよ、たとえ世界が滅ぶとも」とする態度も、いずれも政治的思考に反するとすれば、われわれはどのようにして判断を下せばよいのだろうか? 国際政治の諸問題を論じることを通じて受講生一人一人にこの問いを受けとめてもらうことが、講義のめざすところとなる。
到達目標
a)国家間において平和やあるいは正義を実現することの困難さがどこにあるのかを、人間性や政治という営みの特質、そして国際関係の構造などを踏まえて的確に論じることができる。
b)国際政治に変革をもたらそうとして構想され、実践されてきた試み(およびその失敗)の数々に学び、果断にオルタナティヴを模索する創造性と、それにともなう危険を未然に考慮する慎重さをともに身につける。
c)政治的選択にともなうディレンマを自覚したうえで、それでも何らかの判断を下そうとする際に参照しうる自分なりの知的枠組みを手にすること。
キーワード
戦争、平和、主権国家、アナーキー、安全保障、権力闘争、協調、国際社会、民主主義、相互依存、制度
学生が身につける力
- 専門力
- 教養力
- コミュニケーション力
- 展開力 (探究力又は設定力)
- 展開力 (実践力又は解決力)
授業の進め方
すべて講義形式で行うが、適宜議論の機会を設けたり、リアクション・ペーパーを通じて質問や意見を提出してもらう。資料の配布方法や読書案内なども含め、詳細は初回授業時に説明するため、履修者は必ず参加されたい。
授業計画・課題
| 授業計画 | 課題 | |
|---|---|---|
| 第1回 | イントロダクション |
講義の主題と全体像をとらえる。 |
| 第2回 | 問題としての国際政治 |
国際政治に固有の問題を、国内社会と対比しつつ明らかにする。 |
| 第3回 | 国際システムの拡大と変容(1):国際政治の始まりからウィーン体制まで |
国際政治の原型ともいえるしくみがヨーロッパで誕生し発展してきた過程をたどる。 |
| 第4回 | 国際システムの拡大と変容(2):「100年の平和」の崩壊と大戦への道 |
ヨーロッパでは大戦争が抑えられた19世紀、他方では域外への帝国主義的な拡張が進み、やがて世界大戦をもたらす矛盾やひずみが蓄積されつつあったことを理解する。 |
| 第5回 | 外交 |
対外政策の類型およびその成否を分ける条件について論じる。 |
| 第6回 | 安全保障 |
国際の平和というものがなぜ困難な理想であるのかを人間の心理と国際政治の構造に照らして考える。 |
| 第7回 | 核 |
科学者による核エネルギーの発見がいかにして軍事へと応用され、国際政治を変質させたのか議論する。 |
| 第8回 | 内戦 |
内戦はなぜおこり、なぜ往々にして凄惨なものとなりうるのか検討する。 |
| 第9回 | テロリズム |
テロリズムという暴力によってもたらされる政治的インパクトとはどのようなものなのか理解する。 |
| 第10回 | 人権と介入 |
ある国の内部において大規模な人権侵害や戦争犯罪がおこなわれているとき、それをくい止めるために軍事介入を行うことは許容されるのか検証する。 |
| 第11回 | 民主主義 |
民主主義は平和の基礎であると信じる人々がいる反面、それは軍事行動を正当化する口実としても用いられてきた。この逆説を考える。 |
| 第12回 | 相互依存 |
国際的な相互依存はどこまで国家間の結合を強め、協力を促しうるのか分析する。 |
| 第13回 | 国際組織 |
国連をはじめとする国際組織の意義と役割を考える。 |
| 第14回 | 総括と展望 |
これまでの議論をまとめ、国際政治の今後を占う。 |
| 第15回 | 期末試験 |
試験により理解度を評価する。 |
準備学修(事前学修・復習)等についての指示
学修効果を上げるため,参考書やスライド等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。
教科書
なし。
参考書、講義資料等
なし。
成績評価の方法及び基準
中間レポート(20%)と期末試験(80%)により評価する。そのほか、授業内での発言やリアクションペーパーの提出などがあれば加点する。
関連する科目
- LAH.S119 : 国際政治学A
- LAH.S315 : 国際政治学C
- LAH.S453 : 文系エッセンス63:国際政治学
履修の条件・注意事項
とくに条件は課さない。
連絡先 (メール、電話番号) ※”[at]”を”@”(半角)に変換してください。
ikezaki.k.253f[at]m.isct.ac.jp
[at]を@に変換すること.
オフィスアワー
事前にメールで予約すること。