2026年度 (最新) 学院等開講科目 教養科目群 文系教養科目
国際政治学A
- 開講元
- 文系教養科目
- 担当教員
- 池嵜 航一
- 授業形態
- 講義
- メディア利用科目
- -
- 曜日・時限
(講義室) - クラス
- -
- 科目コード
- LAH.S119
- 単位数
- 100
- 開講時期
- 2026年度
- 開講クォーター
- 4Q
- シラバス更新日
- 2026年4月1日
- 使用言語
- 日本語
シラバス
授業の目的(ねらい)、概要
リベラリズムの——あるいはリベラルの——危機が叫ばれて久しい。しかし、そもそもリベラリズムとは何だろうか? 形式的に定義するならば、それは諸個人の自由を可能な限り尊重しようとする思想のことだといえるが、現実にはその概念はきわめて多義的であり、いかなる自由を、何に対して擁護しようとするかによって、リベラリズムはさまざまに意味を変えてきた。世の中にはその思想を熱心に吹聴する人がいる反面、激しい嫌悪を示す人もいる。
だがそうした感情とはかかわりなく、リベラルな思想や政治原理は、すでに事実としてわれわれの社会の成り立ちと深く結びついている。したがって、リベラリズムがたどってきた道をふり返り、それが今日直面している問題について理解することは、個々の政治的立場を超えて、現在のわれわれの社会そのものについて問いなおす契機となるだろう。
そこでこの講義では、①まずリベラリズムの歴史的展開を跡づけ、その思想の輪郭を浮かびあがらせる。②次いでリベラリズムがいかにして現代の社会のあり方と関係しているのかを論じ、③なぜ近年それに対する反動がおこっているのかを明らかにする。
これらを通じて、受講生の一人一人が今日の政治について思考し判断を下す際手がかりとなるような補助線を引くことが、本講義のねらいとなる。
到達目標
a)リベラリズムという思想の内容を、他の諸思想と対比しつつ説明することができる。
b)リベラルな原理によって立つ社会の強みと弱み、またそれを維持するための条件について理解したうえで、ありうる変革の方向性を論じることができる。
c)自分とは異なる価値や見解をもつ他者を理解し共存していくための術を身につける。
キーワード
リベラリズム、全体主義、冷戦、グローバル化、ポピュリズム、排外主義、ナショナリズム
学生が身につける力
- 専門力
- 教養力
- コミュニケーション力
- 展開力 (探究力又は設定力)
- 展開力 (実践力又は解決力)
授業の進め方
すべて講義形式で行うが、適宜議論の機会を設けたり、リアクション・ペーパーを通じて質問や意見を提出してもらう。資料の配布方法や読書案内なども含め、詳細は初回授業時に説明するため、履修者は必ず参加されたい。
授業計画・課題
| 授業計画 | 課題 | |
|---|---|---|
| 第1回 | イントロダクション |
現代のリベラリズムが直面している危機を概括する。 |
| 第2回 | リベラリズムとは何(だった)か |
古典的なリベラリズムの意味とそれが必要とされた時代状況を、ジョン・ロックやバンジャマン・コンスタン、J・S・ミルらの思想に遡り理解する。 |
| 第3回 | ファシズムとコミュニズム |
ファシズムとコミュニズムからの挑戦を受けるなかで、リベラリズムがいかなる自己変革を強いられたかを把握する。 |
| 第4回 | 冷戦リベラルの思想家たち |
「冷戦リベラル」と称される一群の人びとが展開した思想を手がかりに、リベラルな政治社会のもつ強みと弱みを探る。 |
| 第5回 | 戦後コンセンサスの崩壊 |
第二次大戦後のリベラル・デモクラシーを下支えした経済・社会的な前提と、1970年代を境にしてそれが変容していく過程を理解する。 |
| 第6回 | ポピュリズム |
冷戦後のグローバル化によって周辺化された人々の不満が経済的再分配や排外主義の主張として噴出してきた背景を分析する。 |
| 第7回 | 総括と展望 |
全体をふり返り、リベラリズムの今後について議論する。 |
| 第8回 | 期末試験 |
試験により理解度を評価する。 |
準備学修(事前学修・復習)等についての指示
学修効果を上げるため,参考書やスライド等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。
教科書
なし。
参考書、講義資料等
以下に目を通しておくと、講義であつかうテーマについてイメージしやすい(ただし、購入の必要はない)。
・吉田徹『アフター・リベラル——怒りと憎悪の政治』講談社現代新書、2020年
・ヘレナ・ローゼンブラット(三牧聖子・川上洋平訳)『リベラリズム——失われた歴史と現在』青土社、2020年
・パトリック・J・デニーン(角敦子訳)『リベラリズムはなぜ失敗したのか』原書房、2019年
成績評価の方法及び基準
中間レポート(20%)と期末試験(80%)により評価する。そのほか、授業内での発言やリアクションペーパーの提出などがあれば加点する。
関連する科目
- LAH.S218 : 国際政治学B
- LAH.S315 : 国際政治学C
- LAH.S453 : 文系エッセンス63:国際政治学
履修の条件・注意事項
とくに条件は課さない。
連絡先 (メール、電話番号) ※”[at]”を”@”(半角)に変換してください。
ikezaki.k.253f[at]m.isct.ac.jp
[at]を@に変換すること.
オフィスアワー
事前にメールで予約すること。