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2026年度 (最新) 学院等開講科目 環境・社会理工学院 土木・環境工学系

土木化学基礎

開講元
土木・環境工学系
担当教員
藤井 学 / 吉村 千洋 / 小口 千明
授業形態
講義
メディア利用科目
-
曜日・時限
(講義室)
クラス
-
科目コード
CVE.M204
単位数
200
開講時期
2026年度
開講クォーター
3Q
シラバス更新日
2026年3月5日
使用言語
日本語

シラバス

授業の目的(ねらい)、概要

本講義では、土木・環境工学の分野で必要とされる化学の基礎を体系的に学ぶ。取り扱う内容は、物理化学、固体化学、溶液化学を主対象とし、土木・環境工学分野に関連する事象や材料を題材とする。
 前半5回では、化学量論や化学平衡、反応速度論などの基礎概念を取り上げ、pHや炭酸平衡をはじめとする水系の具体例を通じて、水環境中での現象を化学・数理的に理解する力を養う。中盤5回では、溶液化学として、水環境工学に直結する水質化学や分析化学の基礎を取り上げ、下水・上水処理や環境水中の汚染物質動態、光化学反応等を例に、水環境中における化学現象の基礎を理解する。後半5回では、固体化学の視点から、地盤やコンクリート、岩石・土壌材料の化学的性質や変質過程を学び、材料の長期的な安定性や環境との相互作用を理解するための基礎を学ぶ。
 これらを通じて、受講生は土木・環境工学における物質・材料・水環境の化学的基盤を総合的に修得し、化学的な視点から土木・環境工学に関する諸問題を定量的に把握・評価する力を身につけることを目的とする。

到達目標

本講義を履修することによって、次の能力を修得する。
1)物理化学の基礎概念(化学量論、平衡論、反応速度論、量子化学的基礎)を理解し、土木・環境工学における化学現象を熱力学や速度論と関連付けて理論的に説明できる。
2)固体化学の基礎と応用を理解し、地盤・コンクリート・岩石・土壌材料などの化学的性質や変質過程を説明できる。
3)溶液化学と水質化学の基礎を理解し、水環境工学に関連する水質形成過程や汚染物質の化学的挙動を定量的に評価できる。
4)得られた知識を基盤として、数理的手法(やシミュレーションツール)を用いて、土木・環境分野における化学現象を定量的に予測・評価する力を身につける。

キーワード

化学量論,化学平衡,酸塩基平衡,炭酸系,反応速度論,量子化学基礎,鉱物,コンクリート,地盤材料,土壌化学,風化変質,セメント水和反応,水-岩石反応,インターカレーション,吸着,固液界面,水質化学,分析化学,酸化還元反応,錯形成,光化学,汚染物質動態,環境水,水処理プロセス,土木材料劣化,地圏環境,水質形成,物質循環,環境影響評価

学生が身につける力

  • 専門力
  • 教養力
  • コミュニケーション力
  • 展開力 (探究力又は設定力)
  • 展開力 (実践力又は解決力)

授業の進め方

毎回授業の最後に小テストを行います。また,授業中に課題を出しますので,レポートとして提出してください。また、到達度確認のための試験が3回あります。

授業計画・課題

授業計画 課題
第1回

イントロダクションと熱力学基礎

土木・環境工学における化学基礎の位置づけと授業全体の構成を理解する。物質量、濃度、エネルギーと平衡反応の関係性を学ぶ。

第2回

化学平衡とpH・炭酸平衡

酸塩基平衡、炭酸系、アルカリ度の概念を理解し、水環境への応用を考える。

第3回

反応速度論の基礎

1次・2次反応速度式とその解法を学び、環境中の応用事例を理解する。

第4回

量子化学と分子理解

シュレディンガー方程式に基づく電子状態の概念を学び、分子構造や化学反応性の理解に役立てる。

第5回

確認テスト1、復習

前半4回の授業内容の理解を確認し、基礎概念の定着を図る。

第6回

水質分析と基礎化学

環境水・処理水の基本的な分析手法を理解し、水質形成を定量的に評価する基盤を身につける。

第7回

上水処理に関する化学基礎

凝集・沈殿の化学コロイドの安定性、電荷中和、架橋作用など凝集反応の化学的機構を理解し、pH条件との関連を学ぶ。

第8回

下水・環境水に関する化学基礎

溶存酸素の平衡、酸素消費反応、BODとの関連を化学的に理解し、水質評価への応用を学ぶ。

第9回

汚染物質の化学と環境動態

有機汚染物質や微量金属の環境中での挙動を理解し、光化学反応や分解プロセスを学ぶ。

第10回

確認テスト2、復習

中盤4回の授業内容の理解を確認し、基礎概念の定着を図る。

第11回

固体材料の化学分析法

固体材料の化学的評価に関して、バルク分析、局所分析の観点から分析方法の基礎を理解し、土木材料(土、岩石、コンクリート等)への適用と限界を理解する。

第12回

固相反応と鉱物の化学

固体と液体の相互作用(水−岩石反応)として、鉱物の溶解平衡、沈殿生成、イオン交換、インターカレーション、吸着など、固体と液体の界面で生じる化学反応を理解し、環境や材料劣化への影響を考える。

第13回

粘土化とセメント化の化学

化学的風化の主要プロセスである「水−岩石反応」に伴う二次生成鉱物(粘土鉱物や各種セメント)の種類、およびポルトランドセメントの水和反応とC-S-Hゲル生成について理解し、天然および人工的なセメント化への化学的変質過程を学ぶ。

第14回

地盤材料およびコンクリート材料の劣化機構

地盤材料およびコンクリート材料の鉱物・化学的性質の変化が物理・力学的性質の変化に及ぼす事象を事例から学び、劣化機構について理解する。

第15回

確認テスト3、復習

後半4回の授業内容の理解を確認し、基礎概念の定着を図る。

準備学修(事前学修・復習)等についての指示

学修効果を上げるため,参考書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する 予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。

教科書

授業中に資料を配布予定

参考書、講義資料等

アトキンス物理化学(上) (下)、水環境基礎科学 (宗宮 功、津野 洋、コロナ社)など

成績評価の方法及び基準

本講義における成績は,授業中での小テスト(20%),レポート(30%),試験(50%)により評価する。

関連する科目

  • CVE.G402 : 環境統計学
  • CVE.G401 : 水環境科学
  • GEG.E412 : 水資源保全論
  • GEG.E502 : 水環境解析論
  • GEG.E511 : グローバル・ローカル変動環境下の社会ー生態系共存システム論
  • CVE.C311 : 地盤調査・施工学
  • CVE.B311 : 河川工学
  • CVE.G310 : 水環境工学

履修の条件・注意事項

特になし