トップページへ

2026年度 (最新) 学院等開講科目 工学院 電気電子系 電気電子コース

有機エレクトロニクス基礎論

開講元
電気電子コース
担当教員
間中 孝彰 / 飯野 裕明
授業形態
講義
メディア利用科目
-
曜日・時限
(講義室)
クラス
-
科目コード
EEE.D422
単位数
200
開講時期
2026年度
開講クォーター
3Q
シラバス更新日
2026年3月11日
使用言語
英語

シラバス

授業の目的(ねらい)、概要

本講義は、有機半導体材料および誘電体材料における電子物性と、それらを基盤とする電子デバイスの動作原理を体系的に理解することを目的とする。分極や誘電応答といった誘電体の基礎物性から、Hückel 法による分子軌道、HOMO/LUMO の概念、アモルファスおよび結晶性材料における電荷輸送、電極からの電荷注入、光吸収と励起子生成に至るまで、デバイス物理に必要な基礎を幅広く扱う。
さらにこれらの基礎物性を踏まえ、電子写真、有機EL(OLED)、有機FET(OFET)、有機太陽電池(OPV)などの応用デバイスを取り上げ、材料物性とデバイス特性の関係を統一的に理解することを目指す。誘電体物性、有機材料の電子状態、キャリア輸送、注入界面、光励起過程といった要素を相互に関連づけることで、材料選択やデバイス設計に必要な視点を身につける。本講義により、学生は「材料物性の理解」と「デバイス動作の理解」を結びつけ、電子デバイス研究における分析・設計・課題抽出に応用できる実践的かつ高度な知識を習得することが期待される。

到達目標

1. 誘電体および有機材料の基礎物性を理解し説明できる。
2. 有機材料におけるキャリア輸送モデルを理解し使い分けられる。
3. 電極からの電荷注入と界面物性を説明できる。
4. 光吸収・励起子・電荷生成のプロセスを理解し説明できる。
5. 各種デバイスの動作原理を、材料物性に基づいて説明できる。
6. 材料物性とデバイス特性の因果関係を理解し、設計・解析に応用できる。

キーワード

分極,誘電率,誘電分散,強誘電体,有機半導体,電荷輸送,移動度,有機トランジスタ,有機EL,有機太陽電池,電子写真,液晶ディスプレイ

学生が身につける力

  • 専門力
  • 教養力
  • コミュニケーション力
  • 展開力 (探究力又は設定力)
  • 展開力 (実践力又は解決力)

授業の進め方

毎回の講義のはじめに,復習を兼ねて前回の概要を説明します。また,講義中に理解を深めるために簡単な演習をします。

授業計画・課題

授業計画 課題
第1回

誘電体の基礎

誘電体の分極現象と誘電率の物理的意味(微視的・巨視的)を理解できる。

第2回

誘電応答・誘電体測定法

誘電体の周波数・時間応答を理解し、LCR/インピーダンス分光等の測定原理と、得られる結果を説明できる。

第3回

有機・高分子半導体材料

有機半導体が無機半導体と異なる点を理解し、代表的な低分子材料および高分子半導体材料の特徴を説明できる。

第4回

分子軌道の基礎

LCAO と Hückel 近似を理解し、簡単な系で分子軌道のエネルギー準位と HOMO/LUMO の形状を求めて解釈できる。

第5回

有機固体の電子状態

HOMO/LUMO 由来の状態密度(DOS)とエネルギー無秩序の概念を、有機固体の電子状態として理解し、説明できる。

第6回

有機半導体材料の光物性

有機半導体薄膜の光学定数と複素誘電率の関係、および分散(dispersion)の意味を理解し、説明できる。

第7回

有機半導体の光励起過程

有機半導体における光吸収から励起子生成・拡散、CT 状態形成、光電荷生成に至る一連の過程を理解し、説明できる。

第8回

電極から電荷注入とその機構

有機半導体/電極界面のエネルギー状態を理解し、電荷注入機構を説明できる

第9回

電荷輸送特性の評価法

移動度の測定方法を理解し、様々な有機半導体薄膜に対して、どの測定法が適しているかを説明できる

第10回

有機半導体における電荷輸送1

有機アモルファスにおける電荷輸送機構を理解し、移動度の電場・温度依存性を説明できる。

第11回

有機半導体における電荷輸送2

有機結晶材料における電荷輸送機構を理解し、移動度の電場・温度依存性を説明できる。

第12回

イメージングデバイス

液晶ディスプレイと電子写真の動作原理を理解し、どのような有機材料が必要かを説明できる。

第13回

有機電子デバイス1

縦型の有機電子デバイスであるOLEDと有機太陽電池の動作原理を理解し、どのような有機半導体材料が必要かを説明できる。

第14回

有機電子デバイス2

横型の有機電子デバイスである有機トランジスタの動作原理を理解し、どのような有機半導体材料が必要かを説明できる。

準備学修(事前学修・復習)等についての指示

学修効果を上げるため,講義資料・関連資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。

教科書

特に指定しない。

参考書、講義資料等

特に指定しない。講義資料はScience Tokyo LMSから取得可能。

成績評価の方法及び基準

誘電体および有機半導体・デバイスに関する理解度を評価する。レポート(80%)および、演習(20%)で成績を評価する。

関連する科目

  • EEE.E201 : 電磁気学第一
  • EEE.E202 : 電磁気学第二
  • EEE.D201 : 量子力学
  • EEE.D401 : 電子物性基礎論
  • EEE.D521 : イメージングシステム特論

履修の条件・注意事項

特になし。学部レベルの物理(電磁気、量子力学など)を理解していることが望ましい。