2024年度 学院等開講科目 教養科目群 文系教養科目
文系エッセンス39:意思決定論E 1
- 開講元
- 文系教養科目
- 担当教員
- 勢川 聡美 / 猪原 健弘
- 授業形態
- 講義 (ハイフレックス型)
- メディア利用科目
- -
- 曜日・時限
(講義室) - 水3-4 (WL2-101(W611))
- クラス
- 1
- 科目コード
- LAH.S508
- 単位数
- 100
- 開講時期
- 2024年度
- 開講クォーター
- 2Q
- シラバス更新日
- 2025年3月14日
- 使用言語
- 英語
シラバス
授業の目的(ねらい)、概要
本講義の主題は「社会ネットワークと意思決定」である。社会ネットワーク上の社会的意思決定を対象とし、その基本概念と分析方法を講義、ディスカッション、演習を通じて取り扱う。「社会ネットワークの安定性」、「社会ネットワークにおける提携形成」、「社会ネットワークと社会的意思決定」、「会議の停滞」、「選択集団と選挙集団の交渉整合性」などを取り上げ、対象を数理的に記述し分析する能力を涵養する。
社会ネットワーク上の社会的意思決定を対象として、それを数理モデルで表現する能力、数理モデルを分析し結果を導出する能力、数理モデルの分析の結果を簡潔に他者に伝える能力を涵養することが本講義のねらいである。
到達目標
本講義を履修することによって次の能力を修得する。社会ネットワーク上の社会的意思決定を対象として、
1) 数理モデルで記述された対象の例を用いて、そこで使われている数理モデルの定義を述べることができる。
2) 数理モデルで記述された対象の例を分析して、その結果を他者に伝えることができる。
3) 扱いたい対象を適切な数理モデルを用いて記述することができる。
4) 数理モデルで表現された対象を分析し、その結果を他者に伝えることができる。
キーワード
社会ネットワークの安定性; 社会ネットワークにおける提携形成; 社会ネットワークと社会的意思決定; 会議の停滞;選択集団と選挙集団の交渉整合性
学生が身につける力
- 専門力
- 教養力
- コミュニケーション力
- 展開力 (探究力又は設定力)
- 展開力 (実践力又は解決力)
授業の進め方
まず、基本概念の定義と分析⽅法についての講義が⾏われる。その後、受講⽣がグループで講義内容について検討し、演習に取り組む。そして、授業後に、個⼈の考察や他の受講⽣の考え、講義、演習を通じて学んだことを、受講⽣それぞれが「サマリー・レポート」に書いて提出する。 また、取り組んだ演習の解答を提出する。
Zoomも用意しますが、受講生のみなさんが講義室にいらっしゃることを想定して授業を進める。
授業計画・課題
授業計画 | 課題 | |
---|---|---|
第1回 | ガイダンス; 自己紹介 | 本講義で扱う話題を3つ以上述べよ。新しい仲間を3人以上見つけよ。 |
第2回 | 記号; 社会ネットワーク、自己態度、安定性、対称性 | 3人の意思決定主体からなる社会ネットワークのうち、ハイダーの意味で安定しているものの例とハイダーの意味で安定していないものの例をそれぞれ一つずつ挙げよ。 |
第3回 | 分離可能性、集群化可能性、一般集群化可能性 | 3人の意思決定主体からなり、否定的自己態度を持つ主体が存在する社会ネットワークのうち、ニューカムの意味で安定しているものの例とニューカムの意味で安定していないものの例をそれぞれ一つずつ挙げよ。 |
第4回 | 社会的意思決定状況についてのグループワーク | グループワークを通じて社会的意思決定状況を記述し、分析せよ。 |
第5回 | 社会的意思決定状況、会議、選択集団、選挙集団 | 3人の意思決定主体からなる社会的意思決定状況の例を挙げよ。 |
第6回 | 交渉整合性、過半数決定性、停滞 | 3人の意思決定主体からなる会議で、停滞しているものの例と停滞していないものの例をそれぞれ一つずつ挙げよ。 |
第7回 | 安定性、二分可能性、擬集群化可能性、まとめ | (1) 3人の意思決定主体からなる社会ネットワークを2つ取り上げ、ハイダーの意味の安定性とニューカムの意味の安定性を用いて安定性分析を行い、その分析結果を用いて2つの社会ネットワークを比較せよ。 (2) (1)と同じ2つの社会ネットワークを持つ会議、選挙集団、選択集団をそれぞれ取り上げ、会議の停滞と交渉整合性についての分析を行い、その分析結果を用いて2つの社会ネットワークを比較せよ。 |
準備学修(事前学修・復習)等についての指示
学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。
教科書
特になし。
参考書、講義資料等
講義資料はT2SCHOLA 等により与える。
[参考書・参考資料]
D. Cartwright, F. Harary, Structural balance: a generalization of Heider’s theory, Psychol. Rev. 63 (1956) 277-293.
J.A. Davis, Clustering and structural balance in graphs, Hum. Relations 20 (1967) 181-187.
F. Heider, Attitudes and cognitive organization, J. Psychol. 21 (1946) 107-112.
T. Inohara, S. Takahashi and B. Nakano, On conditions for a meeting not to reach a deadlock, Applied Mathematics and Computation, Vol.90, No.1, pp.1-9, March, 1998.
猪原健弘、「感情と認識-競争と社会の非合理戦略II」、勁草書房、2002年(1.2節、2.1節、2.2節、4章、5章、6.1節、6.3節)(ISBN-10: 4326502231、ISBN-13: 978-4326502233)。
T. Inohara, Characterization of clusterability of signed graph in terms of Newcomb’s balance of sentiments, Applied Mathematics and Computation, Vol.133, No.1, pp.93-104, November, 2002.
T. Inohara, Clusterability of groups and information exchange in group decision making with approval voting system, Applied Mathematics and Computation, Vol.136, No.1, pp.1-15, March, 2003.
T. Inohara, Stability of reliance of information sources and clusterability of information sources, The 7th World Multi-Conference on Systemics, Cybernetics and Informatics (SCI 2003), Proceedings Volume VII, pp.225-229, Orlando, Florida, USA, July 27-30, 2003.
T. Inohara, Quasi-clusterability of signed graphs with negative self evaluation, Applied Mathematics and Computation, Vol.158, No.1, pp.201-215, October, 2004.
T. Inohara, Signed graphs with negative self evaluation and clusterability of graphs, Applied Mathematics and Computation, Vol.158, No.2, pp.477-487, November, 2004.
T. M. Newcomb, Interpersonal balance, in: R.P. Abelson, E. Aronson, W.J. McGuire, T. M. Newcomb, M.J. Rosenberg, P.H. Tannenbaum (Eds.), Theories of Cognitive Consistency: A Sourcebook, Rand-McNally, Chicago, IL, 1968.
K.O. Price, E. Harburg, T.M. Newcomb, Psychological balance in situations of negative interpersonal attitudes, J. Pers. Soc. Psychol. 3 (1966) 265–270.
猪原健弘、「合理性と柔軟性-競争と社会の非合理戦略I」、勁草書房、2002年(1.1節、2章、3章、4章、5章)(ISBN-10: 4326502223、ISBN-13: 978-4326502226)。
T. Inohara, On conditions for a meeting not to reach a recurrent argument, Applied Mathematics and Computation, Vol.101, No.2-3, pp.281-298, June, 1999.
成績評価の方法及び基準
成績評価は、毎回の授業の「サマリー・レポート」(学んだことの簡潔なまとめ)(合計50%)と演習問題への解答(合計50%)に基づいて⾏う。
⽋席理由に関わらず、⽋席した⽇の代替措置はない。
⽋席した⽇の授業内容については、T2SCHOLA等で提供される資料で確認すること。
関連する科目
- SHS.M461 : 認知・数理・情報分野方法論S1
- LAH.T108 : 意思決定論A
- LAH.T208 : 意思決定論B
- LAH.T307 : 意思決定論C
- LAH.S440 : 文系エッセンス47:意思決定論D
履修の条件・注意事項
社会ネットワークと意思決定への興味があることが望ましい。
連絡先 (メール、電話番号) ※”[at]”を”@”(半角)に変換してください。
猪原健弘(いのはらたけひろ)教授、inostaff[at]shs.ens.titech.ac.jp
問合せをする際に、メールの件名には科⽬名「意思決定論E」、メールの本⽂には学籍番号と⽒名を⼊れてください。
その他
当講義は理学の内容からなる。
この科目は、修士課程500番台の文系教養科目です。
東工大では、学士から博士後期課程まで継続的に教養科目を履修する「くさび型教育」を実践しています。番台順に履修することが推奨されており、修士課程入学直後の学期(4月入学者であれば1・2Q、9月入学者であれば3・4Q)に履修申告できる文系教養科目は400番台のみです。500番台文系教養科目は、入学半年してから(4月入学者であれば入学した年の3・4Qから、9月入学者であれば入学した翌年の1・2Qから)履修可能となります。