2024年度 学院等開講科目 情報理工学院 情報工学系 情報工学コース
ディペンダブルコンピューティング
- 開講元
- 情報工学コース
- 担当教員
- 金子 晴彦
- 授業形態
- 講義 (ハイフレックス型)
- メディア利用科目
- -
- 曜日・時限
(講義室) - 月3-4 (M-356(H132)) / 木3-4 (M-356(H132))
- クラス
- -
- 科目コード
- CSC.T524
- 単位数
- 200
- 開講時期
- 2024年度
- 開講クォーター
- 3Q
- シラバス更新日
- 2025年3月14日
- 使用言語
- 英語
シラバス
授業の目的(ねらい)、概要
コンピュータシステムの複雑化に伴い高信頼なシステムの構築が困難となりつつあり,高信頼システム構築技術の重要性が高まっています.本講義では,ディペンダブルコンピューティングにおける基本的な概念である,フォールトアボイダンス,フォールトトレランス,フォールトの静的/動的マスク,信頼度計算,等を学びます.また,コンピュータシステムの高信頼化に関する重要な要素技術として,電子回路の故障を検出するための回路テスト技術,データに生じた誤りを検出/訂正するための誤り制御符号化技術,分散システムにおけるストレージやネットワークの高信頼化技術,セキュリティ・暗号化技術,等を学びます.
本講義を履修することによって,コンピュータシステムの高信頼化技術の体系を理解するとともに,高信頼化のための要素技術を習得し,これらをディペンダブルコンピュータシステムの設計,構築に応用できる能力を身に付けることをねらいとしています.
到達目標
本講義を履修することによって次の能力を修得する.
1) 故障,誤り,障害などディペンダブルコンピューティングに関する基礎概念を理解する.
2) 故障率,信頼度,平均故障間隔,等の信頼度に関する評価尺度を理解し,信頼度計算に関する基礎問題を解くことができる.
3) 耐故障システムの基本技術である静的マスク,動的マスク,フェイルセイフの技法を理解する.
4) 分散システムに対する耐故障アルゴリズムを理解する.
5) ビット誤り制御符号,BCH符号,Reed-Solomon符号,低密度パリティ検査符号,積符号,インタリーブ,等の誤り制御符号化技術を理解する.
6) 回路テスト,テスト容易化設計,等の回路の高信頼化技術を理解する.
キーワード
高信頼システム,フォールトトレランス,回路テスト,分散アルゴリズム,誤り制御符号
学生が身につける力
- 専門力
- 教養力
- コミュニケーション力
- 展開力 (探究力又は設定力)
- 展開力 (実践力又は解決力)
授業の進め方
講義資料は事前にT2SCHOLAに掲載します.
講義の最後に,その日の講義内容に関する演習問題を出題します.
演習問題の解答は次回の講義の最初に示します.
授業計画・課題
授業計画 | 課題 | |
---|---|---|
第1回 | フォールト・誤り・障害,ディペンダビリティ,信頼度 | フォールト,誤り,障害の定義.故障率,信頼度,MTTFの計算方法. |
第2回 | 多重化による耐故障設計 | 静的マスク,TMR,nMR |
第3回 | システム再構成,回復技術,フェイルセイフ技術 | 動的マスク,チェックポインティング,フェイルセイフ技術 |
第4回 | 回路のテスト: テスト生成(Dアルゴリズム) | Dアルゴリズム(回路テスト) |
第5回 | 回路のテスト: テスト生成(PODEM) | PODEM(回路テスト) |
第6回 | 回路のテスト: テスタビリティ,故障シミュレーション,テスト容易化設計 | テスタビリティ,故障シミュレーション,スキャン設計,組込み自己テスト |
第7回 | 誤り制御符号: ガロア体,線形空間,最小距離 | 素体,拡大体,線形空間,最小距離,生成行列,検査行列 |
第8回 | 誤り制御符号: データバス用符号 | 巡回符号,生成多項式,パリティ検査多項式 |
第9回 | 誤り制御符号: SRAM/DRAM/フラッシュメモリ用符号 | ハミング符号,奇数重み列SEC-DED符号,BCH符号 |
第10回 | 誤り制御符号: 光ディスク用符号 | リード・ソロモン符号,積符号,連接符号 |
第11回 | 誤り制御符号: 磁気ストレージ用符号,ディスクアレイ用符号 | ファイア符号,インタリーブ,低密度パリティ検査符号,EVENODD符号 |
第12回 | 分散システムのディペンダビリティ: ビザンチン将軍問題 | ビザンチン将軍問題に対するアルゴリズム |
第13回 | 分散システムのディペンダビリティ: 高信頼ストレージ/ネットワーク | 高信頼ストレージ及びネットワークの技法 |
第14回 | 分散システムのディペンダビリティ: セキュリティと暗号 | 対称鍵暗号,公開鍵暗号,RSA,AES |
準備学修(事前学修・復習)等についての指示
学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。
教科書
特になし
(資料をT2SCHOLAで配布します)
参考書、講義資料等
Eiji Fujiwara 『Code Design for Dependable Systems』 Wiley-InterScience, ISBN: 978-0471756187
米田友洋 他 『ディペンダブルシステム』 共立出版, ISBN: 978-4320121522
成績評価の方法及び基準
ディペンダブルコンピューティングの基礎理論,回路テスト技術,誤り制御符号化技術,及び分散システムの高信頼化技術に関する理解度を評価する.
レポート(4回程度)により成績評価を行う.
関連する科目
- CSC.T433 : 先端コンピュータアーキテクチャ
- MCS.T333 : 情報理論
- ICT.C209 : 代数系と符号理論
履修の条件・注意事項
履修の条件は特に設けないが,関連する科目を履修していることが望ましい.