2024年度 学院等開講科目 物質理工学院 応用化学系 応用化学コース
高分子物性概論
- 開講元
- 応用化学コース
- 担当教員
- 宍戸 厚 / 今岡 享稔
- 授業形態
- 講義 (対面型)
- メディア利用科目
- -
- 曜日・時限
(講義室) - 金1-2 (G1-110(G113))
- クラス
- -
- 科目コード
- CAP.I437
- 単位数
- 100
- 開講時期
- 2024年度
- 開講クォーター
- 3Q
- シラバス更新日
- 2025年3月14日
- 使用言語
- 英語
シラバス
授業の目的(ねらい)、概要
本講義では,代表的な高分子物質の固体状態において形成する結晶や階層構造,および相転移現象と結晶化現象に関する基礎知識を提供する。また,高分子の固体構造を調べるための具体的な実験法と解析法の原理について説明し,高分子固体が示す特徴的な熱的,電気的,および光学的性質に関する物理化学的基礎を提供する。とくにその実験的な評価手法に着目する。
高分子物質を材料として用いるとき,その特徴的な固体構造と物性を理解することは必須である。高分子固体の構造は、分子の一次構造と分子間相互作用、そして温度や圧力などの外部環境の影響を受けて、様々の特徴的な集合体構造を形成する。固体状態において高分子が形成する構造には、どのような特徴があるか、どのような測定方法で調べることができるかを学ぶ。そして、高分子が固体状態で示す熱的、電気的、および光学的性質が、どのように固体構造と関係しているかを学ぶ。また、本コース以外の学生には、高分子の固体構造と物性の基礎について触れる機会を提供することを目的する。
到達目標
本講義は高分子科学をバックグラウンドに持たない学生を対象としており,高分子物理のうち,特に固体構造物性についての基礎的知識を身につけることを目標とする。具体的には次の能力を修得する。
1.高分子結晶の階層構造を説明できる
2.高分子構造、結晶化度と配向度の測定法と解析法を説明できる
3.代表的な高分子の結晶構造と転移挙動を説明できる
4.高分子結晶の力学物性と結晶化挙動を説明できる
5.相分離構造と配向構造について説明できる
6.融解現象とガラス転移について説明できる
7.電気的性質の原理と現象について説明できる
8.光学的性質の原理について説明できる
キーワード
階層構造,ラメラ,球晶,伸び切り鎖結晶,X線回折,振動分光法,NMR,散乱法,顕微鏡,配向度,結晶化度,高分子結晶,ヤング率,結晶化,ミクロ相分離構造,融解,ガラス転移,圧電性,誘電分散,複屈折
学生が身につける力
- 専門力
- 教養力
- コミュニケーション力
- 展開力 (探究力又は設定力)
- 展開力 (実践力又は解決力)
授業の進め方
教科書に従って講義を進める。毎回の講義のはじめに復習を兼ねて前回の演習問題の解答を解説する。各講義最後の15分で、講義内容に関する演習問題を行う。
授業計画・課題
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | 高分子の構造 | 高分子結晶の階層構造,折りたたみ鎖結晶(ラメラ、球晶),伸び切り鎖結晶や配向性について説明できる。 |
第2回 | 高分子構造の測定法 | 溶液や固体中の高分子構造の測定手法,および結晶化度と配向度の測定解析方法が説明できる。 |
第3回 | 高分子の熱力学 | 高分子鎖自体の特性,鎖間や鎖と溶媒の相互作用とその表し方,集合体構造の安定性と相転移の駆動力について説明できる |
第4回 | 理解度確認のための演習 | 前半3回の内容に関連する演習を行い,理解度を確認する。 |
第5回 | 高分子の力学特性 | 高分子の力学特性試験の方法や得られるデータを理解し、高分子の力学特性とその内部構造の関連性について説明できる。 |
第6回 | 高分子の光学的性質 | 高分子の光学的特性の要因を説明でき、かつ高分子の偏光顕微鏡観察からその配向性や集合体構造を評価することができる。 |
第7回 | 高分子の熱的性質 | 高分子の熱分析データを読み取り、相転移挙動や熱的性質について説明ができる。 |
準備学修(事前学修・復習)等についての指示
学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。
教科書
高分子学会編『基礎高分子科学』(東京化学同人)ISBN978-4-8079-0635-2 第4章と第5章第2,3節
参考書、講義資料等
参考書:北野博巳ほか著『高分子の化学』三共出版,渡辺順次編『分子から材料まで どんどんつながる高分子 断片的な知識を整理する』丸善
成績評価の方法及び基準
高分子の固体構造と物性の基礎と構造の実験解析方法の理解度を、課題演習(30%)とレポート(70%)の配点で評価する。登録者人数にもよるが、レポートの代わりにプレゼンを行ってもらう可能性がある。
関連する科目
- CAP.T402 : 高分子物理概論第一
- CAP.P421 : 高分子物性特論第一
- CAP.P422 : 高分子物性特論第二
- CAP.P423 : 高分子構造特論第一
- CAP.P424 : 高分子構造特論第二
履修の条件・注意事項
本講義は学部生による大学院科目の先取り履修には対応していません。