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2024年度 学院等開講科目 物質理工学院 応用化学系 エネルギー・情報コース

固体光物性特論

開講元
エネルギー・情報コース
担当教員
腰原 伸也 / 沖本 洋一
授業形態
講義 (対面型)
メディア利用科目
-
曜日・時限
(講義室)
火5-6 (M-143B(H119B)) / 金5-6 (M-143B(H119B))
クラス
-
科目コード
ESI.I410
単位数
200
開講時期
2024年度
開講クォーター
4Q
シラバス更新日
2025年3月14日
使用言語
英語

シラバス

授業の目的(ねらい)、概要

以下の3項目に焦点を絞って講義を行う。(1)凝縮相、特に結晶などの周期的ポテンシャル内で生ずる電子状態であるエネルギーバンド構造の特色を解説する。それに基づいて、凝縮相物質における光励起状態と関連素励起(励起子状態など)について基礎的知見を習得する。(2)物質に光励起等でエネルギーを供給すると、非平衡状態としての励起状態が出現する。特に凝縮系においては、共同現象と密接な関連をもつ新しい現象が出現することがある(光誘起相転移)。このような光物質科学の新しい展開を理解するために必要な((1)に加え電子相関効果など)さらなる基礎的事項の習得と最新の成果、最新の測定法についての解説を、まず有機物質を対象として実施する。(3)続いて遷移金属酸化物などの無機材料に関して、有機材料と同様に、電子相関効果などによる特異な電子的特性の解説と固体内光励起状態の特徴の紹介を行う。

到達目標

電子バンド構造に基づいて、各種固体や凝縮相物質が示す伝導、磁性、光学特性の間の関連を理解し、逆に各種特性から固体の電子状態を解析できるようになることを目的とする。この基礎的知識の上に、電子相関や電子-格子相互作用の光伝導、光学特性への影響や、それを利用した光による相転移の制御という、新しい固体科学分野の息吹を伝えることも講義の目的とする。

キーワード

固体物理学、バンド構造、協力的相互作用、相転移、電子相関、電子-格子相互作用、光キャリヤ発生、光誘起協力現象

学生が身につける力

  • 専門力
  • 教養力
  • コミュニケーション力
  • 展開力 (探究力又は設定力)
  • 展開力 (実践力又は解決力)

授業の進め方

授業の前半で、(1)基礎的な固体物理の概念と物質の光学的特性、(2)光励起状態の特徴と固体内の各種相互作用の光特性への影響、についてを腰原が講義する。後半では沖本が、遷移金属酸化物を具体的な例として、強い協力的内部相互作用を有する物質の光学特性と光応答について解説する。

授業計画・課題

授業計画 課題
第1回 講義全体の説明、凝縮系物質の電子状態の基礎 固体物質の電子状態の特徴は何か?
第2回 凝縮系物質の電子状態 :エネルギーバンド構造を中心に バンドモデルはどこまで固体を解き明かしたか?
第3回 凝縮系物質の励起状態の物理的描像 :光キャリアの実態は? 固体の光学的特性をバンドモデルで理解可能か?
第4回 光励起状態とそこにおける電子に働く相互作用 光励起が固体内に何を引き起こすのか?
第5回 光励起状態の高密度効果 (多励起子効果、高密度キャリア系) 一つの集まりと多数の違いは?
第6回 電子状態と格子状態の強結合が生み出す相転移:有機結晶の特色 静止した格子と揺らぐ格子の違いは何をもたらす?
第7回 有機結晶における光励起状態を介した協力現象 固体内の協働が光励起と結びついて何を引き起こすのか
第8回 無機材料と有機材料の相違点 固体物質の電子状態の特徴は何か?
第9回 無機材料の電子状態の特色と電子相関の効果 電子相関効果の特徴は何か?
第10回 電子相関、電子格子相互作用の競合が生み出す協力現象 電子相関と電子格子相互作用の関係
第11回 無機材料の光学特性 固体の誘電率と屈折率とは何か?
第12回 電子相関効果が生み出す新しい光学特性(遷移金属酸化物を中心に) 遷移金属化合物とはどんなものか?
第13回 遷移金属酸化物の光励起状態 強相関系の電子状態の特徴は何か?
第14回 光励起状態を介した協力現象  遷移金属酸化物を中心として マクスウェルの方程式と固体中の電磁気学

準備学修(事前学修・復習)等についての指示

学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,授業内容に関する予習と復習(課題含む)を十分に行うこと。

教科書

・Optical Properties of Advanced Materials, Springer Series in Materials Science 168, ed. by Y.Aoyagi and K.Kajikawa.
・光物性の基礎 工藤恵栄 著 (オーム社)

参考書、講義資料等

・Optical Properties of Low-Dimensional Materials" (World Scientific, Singapore, 1998), ed. by T.Ogawa and Y.Kanemitsu, Vol2.
・Photo Induced Phase Transition" ed. by K. Nasa (World Scientific, Singapore 2004)
・光誘起構造相転移(腰原著、共立出版)

成績評価の方法及び基準

各種固体や凝縮相における電子状態の特徴、特に光励起状態の基礎的知見の習得ができて居るか、最終試験または課題レポートによる評価を行う。

関連する科目

  • PHY.C340 : 基礎固体物理学
  • CHM.B335 : 固体化学

履修の条件・注意事項

量子力学の初歩的知識と凝縮系物質への興味

その他

本講義では、対面型を基本としている。