2024年度 学院等開講科目 物質理工学院 応用化学系
分子と対称性
- 開講元
- 応用化学系
- 担当教員
- 髙尾 俊郎
- 授業形態
- 講義 (対面型)
- メディア利用科目
- -
- 曜日・時限
(講義室) - 木7-8 (S4-201(S421))
- クラス
- -
- 科目コード
- CAP.N307
- 単位数
- 100
- 開講時期
- 2024年度
- 開講クォーター
- 1Q
- シラバス更新日
- 2025年3月14日
- 使用言語
- 日本語
シラバス
授業の目的(ねらい)、概要
[講義の概要]本講義では群論の基礎、および指標表を用いて化合物の対称性から予測される分子の諸性質について定性的に理解する手法について解説する。
[講義のねらい] 対称性は無機化学において極めて重要な概念であり、群論から導かれる対称性の概念を応用することで分子の分類、分子軌道の組み立て、ならびに分子振動およびその選択律の解析に用いることができる。群論を利用することで、分子の物理的・化学的な性質に関するいくつかの一般的な結論をまったく計算をせずに導き出すことも可能である。本講義では分子の構造(対称性)から、指標表を用いて分子の特性に関する情報を導出する手法を習得することを目的とする。
到達目標
本講義を履修することによって次の能力を修得する。
1) ある構造の分子の対称操作と対称要素を説明できる。
2) 分子の構造から、分子の属する点群を決定できる。
2) 指標表を用いて分子の特性を予測できる。
3) ある特定の対称性をもつ原子軌道の線形結合(対称適合線形結合)を用い、単純な分子の分子軌道を組み立てることができる。
キーワード
対称性、対称操作、対称要素、点群、指標表、対称標識、対称適合線形結合、分子振動、分子軌道
学生が身につける力
- 専門力
- 教養力
- コミュニケーション力
- 展開力 (探究力又は設定力)
- 展開力 (実践力又は解決力)
授業の進め方
本講義では、まず群論の基礎について学び、分子の属する点群を決定する手法について解説する。さらに、ある分子の属する点群の指標表を用いて分子の物理的および化学的性質を予測する手法について解説する。具体的には分子振動モードの決定とその選択律について、ある特定の対称性をもつ原子軌道の線形結合(対称適合線形結合)を用いた分子軌道の組み立て方について解説する。最終日には理解度確認のための期末試験を実施する。
授業計画・課題
授業計画 | 課題 | |
---|---|---|
第1回 | 分子の対称性、対称操作と対称要素 | 対称操作と対称要素を説明し、分子の属する点群を帰属できる。 |
第2回 | 対称標識と指標表, 分子振動 | 指標、対称標識、指標表を説明し、分子の構造から分子振動モードを決定することができる。 |
第3回 | 対称適合線形結合 | 対称適合線形結合を説明できる。 |
第4回 | 対称性の応用;分子軌道の組み立て, 結晶場理論 | 原子軌道の対称適合線形結合から分子軌道を組み立ていることができる。 |
第5回 | d金属錯体の電子構造(電子スペクトルとスペクトル項) | ラッセルソンダース結合を用いて、電子配置の微視的状態をスペクトル項で表わすことができる。 |
第6回 | 電子遷移と田辺・菅野ダイアグラム | 強配位子場における項の分裂と相関を理解し、電子スペクトルを用いて化合物の対称性を説明できる。 |
第7回 | 理解度確認のための演習と解説 | 第1~6回の講義内容を理解し、演習問題に解答できる。、 |
準備学修(事前学修・復習)等についての指示
学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。
教科書
1-4回:M. Weller, T. Overton, J. Rourke, F. Armstrong著、田中、高橋、安部、平尾、北川 訳「シュライバー・アトキンス無機化学(上)」第6版(東京化学同人)ISBN: 978-4-0898-1 (6章)
5-7回:M. Weller, T. Overton, J. Rourke, F. Armstrong著、田中、高橋、安部、平尾、北川 訳「シュライバー・アトキンス無機化学(上)」第6版(東京化学同人)ISBN: 978-4-8079-8 (20章)
参考書、講義資料等
1) 指定なし。
2) 授業で扱う全ての資料は、事前にOCW-iにアップする。
成績評価の方法及び基準
期末試験(60%)、授業参加度(40%)(授業参加度は授業中の小テストなどにより算出する)
関連する科目
- CAP.N302.L:無機材料化学
- CAP.N201.L: 無機化学1(結合)
- CAP.N202.L: 無機化学2(構造・反応)
- CAP.N203 : 無機化学3(元素・化合物)
- CAP.N205.L:無機化学5(錯体構造)
履修の条件・注意事項
履修の条件は設けないが、無機化学第一(結合論)(CAP.B221)、無機化学第二(反応と構造)(CAP.B222)、無機化学(材料化学)(CAP.B223)、無機化学(元素と化合物)(CAP.B224)を履修していることが望ましい。
本講義は2023年度以前の「無機化学4(群論)」と同内容であり、以前に「無機化学4(群論)」の単位を取得した学生は受講できないので注意すること。
連絡先 (メール、電話番号) ※”[at]”を”@”(半角)に変換してください。
高尾 俊郎 (takao.t.aa[at]m.titech.ac.jp・内線 2580)
オフィスアワー
メールで事前予約すること。