2024年度 学院等開講科目 工学院 電気電子系 電気電子コース
電子物性基礎論
- 開講元
- 電気電子コース
- 担当教員
- 中川 茂樹 / 菅原 聡
- 授業形態
- 講義
- メディア利用科目
- -
- 曜日・時限
(講義室) - 月7-8 (S2-203(S222)) / 木7-8 (S2-203(S222))
- クラス
- -
- 科目コード
- EEE.D401
- 単位数
- 200
- 開講時期
- 2024年度
- 開講クォーター
- 1Q
- シラバス更新日
- 2025年3月14日
- 使用言語
- 英語
シラバス
授業の目的(ねらい)、概要
固体中の電子が示す性質は、全ての電子材料・電子デバイスの動作原理の基礎となる。その理解のためには固体物性論の理解が不可欠である。本講義では固体物性論の基礎となる電子の固体中での振る舞いを記述する電子物性の基礎を講義する。
まず始めに量子力学の基礎を確認し、非縮退系や縮退系での摂動論を通して解析解が得にくいポテンシャル形状となった場合の電子の挙動を理解する。
固体中の電子を記述するための波動としての取扱いに習熟し、固体中での伝搬・散乱や回折現象を理解する。さらに、金属や半導体中でのキャリア伝導の基礎として,結晶周期ポテンシャルによるエネルギーバンドの生成を理解する。
また,この講義では,ほとんど自由な電子モデルとタイトバインディング法によって固体のバンド理論を理解する.まず.バンド理論の基礎としてブリルアンソーン,ブロッホの定理,空格子近似,固体中の化学結合について理解する.そして,摂動論に基づくほとんど自由な電子モデルとタイトバインディング法によるバンド計算法を学ぶ.特に,ダイヤモンド構造・ジンクブレンド構造半導体のバンド構造の詳細な計算方法を習得する.
到達目標
1. 量子力学の基礎を確認し、非縮退系や縮退系での摂動論を通して固体中の電子の挙動を把握する。
2. 固体中の電子を記述する波動の固体中での伝搬・散乱や回折現象を理解する。
3. ほとんど自由な電子モデルから,固体中の周期ポテンシャルによるエネルギーバンド構造の発生を理解する.
4. タイトバインディング法の基礎とこの詳細な計算方法を理解する。
5. 半導体のバンド構造の理解を深める。
キーワード
量子力学、摂動論、固体物性、周期ポテンシャル、エネルギーバンド、ブロッホ波、バンド構造
学生が身につける力
- 専門力
- 教養力
- コミュニケーション力
- 展開力 (探究力又は設定力)
- 展開力 (実践力又は解決力)
授業の進め方
毎回の講義で基本となる概念と応用の仕方を講義したのち、講義の後半で,その日の講義内容に関する演習問題に取り組む。
授業計画・課題
授業計画 | 課題 | |
---|---|---|
第1回 | 量子力学の復習 | 量子力学の表現法、波動関数、演算子、定常状態、縮退・非縮退,状態のベクトル表記、演算子の行列表現、ディラック表示、直行化とユニタリー変換など |
第2回 | 時間に依存しない摂動論 非縮退系 | 非縮退系における時間に依存しない摂動論の導入、摂動解の求め方と理解 |
第3回 | 時間に依存しない摂動論と行列要素 | 非縮退系における時間に依存しない摂動論と行列要素の関係、シュタルク効果など |
第4回 | 時間に依存しない摂動論 縮退系 | 縮退系における時間に依存しない摂動論の導入、摂動解の求め方と理解 |
第5回 | 時間に依存した系の摂動論 | 時間依存シュレディンガー方程式の厳密階と摂動解、選択則 |
第6回 | 光の放射と吸収 | 調和振動子への摂動としての光の吸収と放射、遷移確率、黄金則、不確定性原理 |
第7回 | 固体中の波動の散乱と回折 | 固体の中の波動の取り扱い基礎、並進ベクトル、逆格子、波動の伝搬・回折など |
第8回 | 固体の自由電子モデル | 1電子近似のハミルトニアン, 固体の量子井戸モデル, 周期的境界条件による自由電子モデル |
第9回 | ほとんど自由な電子モデル | 結晶ポテンシャルとエネルギーギャップの発生, 摂動論に基づくほとんど自由な電子モデル |
第10回 | ブラべー格子,逆格子,ブリュアンゾーン | 結晶格子と並進ベクトル, 逆格子, ブリュアンゾーン |
第11回 | ブロッホの定理と空格子バンド | ブロッホの定理, 還元ゾーン, 空格子近似 |
第12回 | タイトバインディング理論 I | 化学結合, 強結合法の基礎 |
第13回 | タイトバインディング理論 II | 2次元格子の強結合法 |
第14回 | 半導体のバンド構造 | ダイヤモンド構造・ジンクブレンド構造半導体の強結合法と各種半導体のバンド構造 |
準備学修(事前学修・復習)等についての指示
学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。
教科書
T2SCHOLAに講義資料を提供
参考書、講義資料等
T2SCHOLAより講義資料を提供する。
キッテル「固体物理学入門」(宇野他訳)丸善
イバッハ・リュート「固体物理学」(石井他訳)シュプリンガージャパン
W.A.ハリソン「固体の電子構造と物性」(小島他約)現代工学社
成績評価の方法及び基準
毎回講義時の演習と期末試験により評価する。
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- EEE.D551 : ナノ構造デバイス
履修の条件・注意事項
量子力学の基本的な知識(シュレディンガー方程式の解の理解、水素原子の波動関数、エネルギーバンドの簡単な概念など)